浅田家!のレビュー・感想・評価
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レイトショーで観た浅田家。
今じゃパチスロで生計を立てるなんて無理。ぐーたら生活を続けていた政志にとって、東京へ行くと決断したのは5号機導入で儲からなくなったからじゃないのか?などと、2004年頃にスロットからパチンコへと移行した人が多かった時代が懐かしい・・・
コスプレ中心だった前半の浅田家。消防士、レーサーといった不可能に近い写真を兄貴が懇願して実現したもの。セルフタイマーによって政志自身も写るという家族写真シリーズのスタートだった。東京に出て家族写真集の出版にまでこぎつけ、写真家として他の家族写真も撮るようになったが、東日本大震災を迎え、ボランティアを通じて戸惑いを覚えるのだった。
写真の力って凄い!誰しもが記憶を鮮明にさせる手段として懐かしんだり、忘れたいため破いてしまったり。そんな中でも撮影したのは誰だったか?ということも記憶に残ったりするものだ。デジタルの時代になっても瞬間を歴史に変える魔法の道具。連射することもなく、ベストの一瞬を撮る姿にも共感を覚えてしまう。
『硫黄島からの手紙』(2006)でアカデミー賞の呼び声も高かった二宮和也。それ以降も役者として活躍はするが、それほどでもなかった気がする。やはり無口な役の方が見栄えがするのだと思っていた。それが今回はコメディタッチの部分も多く、これもいいんじゃないかと感じました。他にも菅田将暉の朴訥なタイプ、風吹ジュンの演技も冴えていた。個人的にはクレーマーだった北村有起哉がピタリとはまっていて、彼の娘の遺影のエピソードに泣けた・・・
平田満演ずるお父さん。「死ぬんじゃないよ~」という台詞でパロディにした『コンフィデンスマンJP』の記憶も新しい中、やはり『蒲田行進曲』のヤスを思い出してしまいましたが、まさかのそのネタでくるとは・・・意外な結末でした。基本はコメディなんですね。
付いてきてくれる女がいる。羨ましい。
浅田政志という実在する写真家の話。ストーリーは実話では無く、映画のためのオリジナルだと思ったが、実話のようだ。
前半は政志の少年期から始まり、紆余曲折しながら写真家となり成功するまで。後半は東日本大震災が起きてから、被災者の子供の希望を実現するまでを描いている。
全体的にユーモアがあり笑いがあるので、楽しい。映像の一つ一つが写真のように芸術的で美しい。
映画では、二宮が10代、20代と髪型を変えながら演じる。20代から30歳までが1番長いのだが。ジャニーズ(美形)だからか、実年齢より大分若い役に違和感がない。
主人公政志は両親と兄の4人暮らし。父は働いてなく、看護師の母の収入だけで生活している。きっと貧しいんだろうと思ってしまう。
映画の中で年数が進むので、浅田家のテレビ等も新しくなっていく。
東日本大震災の後の街並みをどのように再現したんだろう?廃材を集めてくるのも大変そうだ。
莉子の家族写真を撮るシーンで、海側からの映像があって、あれはドローンを使ったのかな?
脳腫瘍の男の子の家族写真は感動したが、震災で娘を失った男の泣くシーンは感動しなかった。ボランティアへの悪態があるからだ。
若奈が政志を捨てずに、待ち続けたことが、男性からしたら羨ましいな。
■ざっくりストーリー
冒頭、政志の父の死から始まる。実は死んでなく、葬儀(葬式だったか?)という作品のための写真撮影であることが映画の最後でわかる。
そこから過去に遡る。政志10歳、初めてカメラを父から貰い、撮影を始める。この頃、兄、父、政志の3人が怪我をして、看護師の母の働く病院で治療する。
高校卒業後、政志は専門学校に進学する。両腕にはタトゥーを入れている。卒業作品の課題は、「最後の一枚に何を撮るか」。政志は子供の頃に怪我し病院で治療を受けたシーンを家族写真にした。この作品が優秀賞に選ばれる。
このまま成功して行くと思いきや、政志は就職もせずスロット三昧の自堕落な生活に落ちていく。政志は両親や兄のやりたかったことをコスプレして家族写真にする。父は消防士に憧れていたので、消防士の格好をして撮影する。兄はF1。母は希望通りに看護師になっているので、なりたかったものとは少し違ってヤクザの女の写真を撮った。
家族写真に自信がある政志は、その写真を持って上京し、幼なじみの若奈の家に居候する。しかし、自信のあった家族写真は出版社の目に止まらず、見かねた若菜は個展を開くことを提案する。個展を開くと、赤々舎の社長の目に止まり、写真集の出版にまで漕ぎ着ける。
写真集は売れなかったが、評価は高く、木村伊兵衛写真賞を受賞してしまう。当然のように写真集も売れ、写真集に家族写真を撮ると書いていたので、全国から撮影の依頼が舞い込んだ。
脳腫瘍の子供を持つ家族の家族写真を撮ろうとした政志は、シャターを押す際に、涙を流す。(二宮が泣くシーンを見かけると思うが、この時のシーン)。
東日本大震災が起きる。浅田は以前、家族写真を撮影した家族のことが気になり、東北へと向かう。東北に行くと、その家族には会えないが、被災地で写真を持ち主に返そうとボランティアをしている学生(小野)に出会う。小野は友人を探しに千葉から戻ってきたそうだ。(小野はその後、地元で教師になる)。政志は小野と一緒にボランティア活動を行う。
政志はボランティア活動の中で、1人の少女莉子と出会う。政志は莉子から家族写真を撮って欲しいと依頼されるも、撮影出来ないと断った。
父が脳梗塞で倒れたことをきっかけに、アイデアを思い浮かんだ政志は、莉子の家族写真を撮影した。莉子の父が写った写真が無いのは、父が常にカメラのシャッターを押していたからだ。なので、父のいない写真こそが家族写真である。
政志は若奈と結婚し、冒頭の葬式の撮影シーンに戻る。
切磋して琢磨する
家族写真
イイよね!
浅田家のお父さんの人生を全肯定してる家族。
佐伯家と内海家は泣いたわ💦
あーゆうボランティアを知れて良かった。
瓦礫を片付けるおじさんを撮影してる横を通りすぎるニノ。
ちょっと長く感じたなぁー
キャリーバッグ持って波止場に来て「東京行くから!」
て コントかよ! (さめたわぁ)
そゆの ちょいちょいあって気になる😢
わざと演出してるんかな? 知らんけど。
個人的に若菜ちゃん(黒木華)注目してまう(๑'ᴗ'๑)
キャスティングが素晴らしい お母さんが激似(ナイショ)最後まで観なあかんよ
浅田家
○○家って見ると、やっぱり葬儀の道順案内とか、墓碑を連想する。
導入とラストの場面の対がしっかり効いていて、本当に気持ちいい。お父さん役が平田満なので、ついでに蒲田行進曲のラストも思い出す。ヤス!ヤス!生きてた!
お父さんの夢を息子が叶えてあげる物語でもある。新鮮。お母さんは明るく、しっかりもので、丈夫が一番だな。
ニノのやんちゃ加減よし。
パチスロで生活費15万円入れるってことはいったいいくら勝ってんだ?
妻夫木聡の兄さん役よし。
「お兄ちゃんなんだから」の呪縛はちょっと気の毒。
平田満のお父さんよし。
家族が生きがいってすごくいい。
胸はって言える人少ないよ。
風吹ジュンの看護婦さんのお母さんすごくよし。
政志のタトゥー見て、「感染症にはくれぐれも気を付けなさい」。手遅れだよ❗
病院の家族写真よし。
消防車の運転席よし。
黒木華の若奈ちゃんよし。
髪型よし。
ギャラリー予約よし。
逆プロポーズよし。
あんなに待たせて、これも実話???
200万円で若奈ちゃんと結婚する権利買います。ちがうかw
池谷のぶえ。よし。
赤赤舎よし。
昔ながらの湯呑みで一升瓶よし。
渡辺真紀子よし。
37セカンズ、こんな夜更けにバナナかよに続くボランティア魂よし。
菅田将暉よし。
控えめでよし。すぐ涙出る。
高原家よし。
佐伯家よし。Tシャツの虹🌈のアイディアよし。
写真を撮る前に理解し合うという信念がスゴい。スローライフいいじゃないか。
内海家よし。
お母さんと娘ふたりすごくよし。
三重の津の防波堤よし。海の潮の流れよし。
浅田家の家よし。
東京のアパートよし。
お兄ちゃんの消防署の友達よし。
サーキット場の人よし。
ヤクザの家の門よし。
遊園地のエキストラの人よし。
ついでに風吹ジュンのレオタード姿よし。長生きして良かった。
震災場面のエキストラの人たちよし。
北村有起哉よし。
男泣きのシーンさすが。刺さった。
卒業アルバムよし。
野津町の被災写真は8万枚のうち6万枚返却できたとはすごい。
写真の大事さを教えてもらいました。
浅田政志さんの写真集買おうかな?
きっと、「重版出来」になっちゃうね。
池谷のぶえと乾杯🍺したいなぁ。3冊買ったら、「乾杯券」一枚付かないかな?
豪華なキャスト
浅田政志が《浅田家》で木村伊兵衛賞をとったっていうのは知ってたの。木村伊兵衛賞は、写真界の芥川賞みたいなもんだから、「なんでこの作品が?」と思ってたの。その数年前に梅佳代が《うめめ》でとってるから、芥川賞というよりラノベ大賞っぽくなってたのかも。
その浅田さんがどんなことやってたんだろうって興味があって観たのね。
生い立ちと家族の雰囲気が面白いね。
それで写真学校卒業するためには、卒業制作でレベル高いのを出さないといけなくなって「そうだ、家族を撮ろう」と病院コスプレの一枚撮るんだよね。それが学長賞をとるのは、まあそうかも。写真学校の卒業展示は、そんなもんかも。
そして浅田家の家族写真をもって東京に行くんだけど、相手にされないの。「だってこれ君の家族写真だもん。売れないよ」という一言がもっとも過ぎて返す言葉がない。返すとしたら「じゃあ、売れてる写真集言ってみろよ。全部売れてないだろ」ぐらい。
しかしそこで目を付ける出版社が出てくるのね。『赤々舎』。写真だと有名な出版社だから姫野さんが赤々舎の名刺を出したとき「うおー!」ってなったね。それで写真集出したらいきなり木村伊兵衛賞の流れは、なんでかやっぱり解んない。でも、映画みてるなかで、浅田政志にも若奈ちゃんにも感情移入してるから「良かったな」と思った。若奈ちゃんが泣くところ隠す演出もいい。
そこからは東日本大震災後の話になるんだけど、ここは、そんなに。
震災後、壊れた家からアルバムを持ってくる人が多いとか、流された写真をきれいにするとか、あったんだよね。それで、写真をやってる人たちは「写真って、なんなんだろう」って、改めて自分たちがやってることを見つめ直してたの。その流れに浅田政志もいたんだろうね。
若奈ちゃんのプロポーズのシーケンスは面白かった。脚本の技巧を感じさせずにやり切る黒木華がすごいね。
そもそも若奈ちゃんに黒木華をあてるってのがすごいね。野波麻帆みたいなハッキリした美人をここにはもってきたくなっちゃう。
キャストは豪華だよね。冴えない大学院生(だが背が高くてカッコいいのは隠せない)に菅田将暉だし、そこに渡辺真起子出てくるし。
ニノを主演に据えるってことは、これだけ豪華な脇役つかえるってことなんだと思った。
浅田さんがどんな人なのか知ることもできたし、観て良かったよ。
じわる感動作品
派手なアクションや悲劇の主人公じゃなくて、熱い恋愛なんてないけど心にずしっとくる
感動がある。
にのの主演なのに出すぎず周りの俳優さんを引き立てる演技、声のトーンや目の輝きや涙の流し
方がすべて違うのはさすがでした。嵐二宮和也ではなくそこには浅田政志さんだった。
実話だけど海で家族写真の女の子はフィクションらしいが幼い妹が父親や家を津波で
奪われたのに無邪気に楽しかった思い出が海に行ったことと言ったときの母親、姉、浅田さんの表情がなんとも言えない、海を恐ろしいものにしてはいけないと笑顔で行くことにしたとこは
泣けた。
あと、にのと妻夫木さんの兄弟のシーンはほんとに兄弟のようなテンポで自然な演技とはこのことなんだなと思った。
震災のとこはお涙頂戴的な感じではなくて写真を通しての家族愛があり、悲しい出来事だが
そこには焦点をあまり当ててない感じです。
家族の”ちょっとイイ話”な感じ
写真家の浅田政志(二宮和也)の、自身の家族と、彼が出会った家族の幸せの”形”の話です。
形と書いたのは、この映画の中の写真の家族は皆幸せそうで、それを切り取って形にして見せてくれるのが写真なのかな、と思ったので。
実は、予告編を観た時は、『家族の面白写真を撮っていた主人公が、東日本大震災で被災した人々を前にして自分の無力さを思い知り、写真が撮れなくなったが、被災写真の返却作業を通じて、写真が人々の心の支えになることを痛感し、再び撮り始める』という物語を想像しました。ちょっとだけ違いますが、多分、そう思わせたかったと推察します。
実際に賞を取ったというコスプレ写真は忠実に再現したようですが、お兄さんについてはどうなんでしょう。弟のムチャ振りに、文句を言いながらも楽しそうに手伝ってくれるノリのいい兄なら、笑って観ていられるんですが、幸宏(妻夫木聡)はまじめで堅実。
事あるごとに「いいじゃない、お兄ちゃんなんだから」と母親に言われ、弟に振り回される姿は、弟想いなだけに気の毒に感じてしまいました。
政志が、折角の写真学校にほとんど行かなかったり、刺青を入れたり、学校を卒業してもパチスロ三昧で、そのことに政志なりの理由があるのか説明がなく、前半では才能があるようにも見えなかったので、この家族がどうしてここまで次男に肩入れするのかわかりませんでした。
後半は一転してシリアスですが、重苦しくなり過ぎず、タイトル通り、いい話だな、という印象です。
二宮さん、妻夫木さん、黒木華さんは安定のうまさですが、菅田将暉さんの自然な演技が良かったです。
#78 あんなプロポーズは嫌だ❗️
妻夫木クンも演技が上手いけど、二ノ宮クンはべつの方向で絶妙。
上映前のドラえもん予告編ののび太くんとシズカちゃんみたいに幼なじみから長い付き合いを経て結婚に至る主人公だが、あんなプロポーズ、私なら嫌だ。
あれで嬉し泣きできるなんて奥さんはよっぽど心が通じたかたなんだな。
震災地のエピソード以外は笑える部分が多く、浅田家の家族愛が伝わる良い映画です。
滲み出る「1回で理解させないといけない恐怖症」
予告を何度も観たし
今週はこれくらいしかって感じだったので観賞
感想としては…
とにかく長すぎました
くどく説明的な演出
テーマからだんだんずれてきれる後半
キャラのわかりづらい主人公
悪くは無いけど惜しい感じ
実在するフォトグラファー浅田政志の実話をもとにした今作
父からカメラを貰った幼少期から写真に興味を持ち
専門学校も出た政志ですがあまり写真に打ち込むことなく
ブラブラしていたものの変化していく周囲の兄やガールフレンド
そして父から言われた「なりたいもんになる」をきっかけに
家族にコスプレさせてみんなで写る写真を撮り始め
その写真で東京に進出する事になります
この写真が作中では「面白い」ようなのですが
果たして評価されているのかされていないのか
描写があんまり上手くないので雑誌社に持ち込んでも
相手にされず個展を開けば面白いと言われ
この浅田家の写真集を出したら最初は売れず
でもそのうち評価されて賞も受賞します
どっちなんだという演出にモヤモヤしました
ついでに政志のキャラクターもいまいちよくわかりません
次第に同様の演出を含めた家族写真を依頼を受けて
撮りに行くようになりますがその矢先東日本大震災が
発生し撮影した一家の安否が気になった政志は
被災地へ向かいますが手がかりがなく避難所で
写真を洗って持ち主に返そうとしている大学生
小野に出会いそれを手伝うようになります
そこで政志は父親が行方不明になったままの
少女莉子に家族写真を撮ってくれと依頼されますが
家族が皆揃っていないのに僕には撮れないと
断ってしまいます
その後父の誕生日に実家に帰ると父が脳出血で
倒れてしまい兄と病気がよくなるよう祈願しにかつて
写真を父に撮って貰った神社へ行ったときに
父が常に写っていない莉子の持っていたアルバムを
見たときのことを思い出し
家族写真は撮れると東北に戻り莉子の家族写真を撮ります
なんかもうこの辺も回りくどく感じました
要は父が写真を撮っていたんだから莉子の家族写真に
父は写っていなかったというだけなんですが
そのために実家に帰るといったエピソードを入れ
しかも説明を全部繰りかえします
あとこの映画の主人公は浅田家全員だと思うんですが
後半は政志中心になってしまい
政志もいまいち何考えてるのかわかんない
キャラのままなのでなんかモヤモヤしたまま
最後まで行ってしまう感じになるのも
残念でした
この最近の邦画の
「1回観賞で理解させないといけない恐怖症」
は何とかならないんでしょうかね
配役の演技は良かったし表現だけで理解させる
事も全然可能なはずなのに惜しい感じがしました
私にとって、中野量太監督は鬼門⁉️
ファンの方もたくさんいらっしゃるので、先に断っておきます。私は、中野監督の前ニ作に対してかなり批判的な立場の人間なので、かなりの先入観をもったうえでのレビューです。お気を悪くなさらないでくだされば幸いです。
(少し前に、別の映画のコメントで、苦手なものにわざわざ自分から近づくことはないよね、というようなことを書いてるので、公開初日にわざわざ苦手とする中野量太監督の映画を観ていることについては、弁解の余地なく言行不一致です。ごめんなさい)
批判的である根拠を端的に言えば、「自己の演出技巧を発揮することを優先してしまうために、死者や病人、被介護者への寄り添いが二の次になっているのではないか」というようなことなのですが、
率直に言って今回もまた、『策士、策に溺れる』…技巧派が技巧に走り過ぎて、大事なものを見落としている、という印象が強く残ることになりました。
たぶん、前ニ作をご覧になられ、ある程度予備知識のある方にとっては、冒頭とラストの葬式シーンの落ち、少女の身に付けた不似合いな腕時計の強調(2〜3回アップしていた)の回収振りはほぼ予想通りだったと思います。
•子どもが風邪を引きそうな状況であそこまでやる?
とか、
•震災の記憶が生々しく思い出される方にとって、津波で打ち上げられたかのように見えるボートを背景にしたあの場所はどう映るのだろう?
・あの場所の選択に果たしてどんな意味があったのか?
などという見方は、先入観による過度な反応なのかもしれませんが、私は大変違和感を覚えました。
浅田家以外の家族写真やその背景にあるドラマ、あるいは
写真再生のボランティアの中でそこに関わってくる現実の家族の身の上に起きた人間ドラマなどはたくさんあると思います。
そして、消防車や鈴鹿サーキットの話も、お兄ちゃんの誠意や地元の人たちの大らかさだけでは説明不足だと思います。
結果的に浅田家の願いを引き受けてくれた組織の人たちにも、上司から許可を得るための一苦労やちょっとしたドラマがあったはずで、その辺の〝いい話〟も前半に織り込むことができたと思います。政志を支えた家族、浅田家を支えた地元の人たちへの感謝とか寄り添いの気持ちがリアルに描き込まれていたら(そもそもそこまで取材してないのかもしれませんが)、もっと厚みのある素敵な映画になったのではないでしょうか。
実在する浅田家の方たち、関わりのあった地元の方やボランティアの方々、そして、演じられた役者の皆さん、ありがとうございました。
黒木華と菅田将暉が良かった
前半は面白く、東日本大震災以降はしんみりとした作品。
実話に基づく話のようで、家族でコスプレした写真集が有名な賞を取ってしまう。
そんな事があるんだね、って思った。
刺青入れたりパチンコ三昧だったり、やりたい事やって、最後は幼なじみの彼女に面白いプロポーズされ、恵まれてる主人公だった。
出演者は二宮も良かったが、菅田将暉と黒木華が助演で良かった。
【”一枚の写真が家族の絆を思い出させてくれる・・” 序盤はクスリと笑えて、後半は心に沁み入るシーン満載の作品。特に、"大切な人の写真"を一生懸命に撮った記憶のある人には・・・沁みます。】
ー 中野量太監督作品は、人間を優しく、愛おしむ視点で描く不変のスタイルが好きである。
そこには、中野監督自身の人間性肯定の思想が影響しているのかな・・、と思う。ー
■今作の魅力
1.序盤、カメラ好きの父(平田満)に育てられた”主に年賀状の被写体だった”兄弟”(兄:妻夫木聡、弟、政志:二宮和也)。
カメラ学校から久しぶりに帰郷した”カラフルになった”将志は、専業主夫の父親(母親(風吹ジュン)のやりたい仕事、看護婦を支えるために専業主夫に・・)に“何になりたかったの?”と聞くと、”消防士かなあ・・” という事で、交渉担当の兄の努力で”消防士としての家族”を写真に撮る。
ー ここから、次々に政志の面白き写真の被写体に、浅田家の家族はなっていく。
”ヤクザの親分の出陣シーン”であったり、”選挙運動の姿”であったり・・、実に面白い。
ほぼ、実話と言うから更に驚く・・。-
2.浅田家の面々が何だかんだと言いながら、政志の”家族写真”を取ることに協力する姿。寛容な父親、肝っ玉母さんである母親の存在が大きいのであろう。兄もブツブツ言いながらも、サーキットに出かけて交渉する・・。
ー 二人の兄弟が両親から、キチンと育てられている事が良く分かるし、何より皆がお互いの生き方を尊重している所が良い。ー
3.幼き頃から、政志と両想いで、彼の活動を支える若奈(黒木華)の姿も良い。
ー こんな素敵な、異性の幼馴染ってナカナカいないのではないか・・。-
4.政志は写真での芥川賞と言われる木村伊兵衛写真賞を見事に受賞。そして、徐々に政志の撮る家族写真は対象を広げていく・・。
それは、
”満開の桜の花びらが散る中での笑顔溢れる家族写真”であったり、
”難病にかかっている男の子の願いを叶えた家族で表現した虹の家族写真”であったり・・。
ー 授賞式でも、ちゃっかり家族写真を撮る浅田家の面々・・。
”虹の家族写真”を撮影する時の、レンズを通して虹のTシャツを着た家族を見る二宮さんの表情、目が凄い・・。-
5.だが、ある日、あの悲しき天災が起き・・。
ボランティアで被災地の写真を洗う大学院生の小野(菅田将暉)の姿を見た政志は、写真を撮ることから只管、泥にまみれた写真を洗う作業に没頭する。
肝っ玉姉さん(渡辺真起子)も参加し、次々に写真は洗われ、被災した方々が嬉しそうに持ち帰っていく・・。
時に罵られることもあるが、その男(北村有起哉)も娘を亡くしていたのだった・・。だが、写真が見つからない・・。
ー 後半から、涙がじんわりと出てくる・・。小野たちの崇高な作業だけではなく、自衛隊の方々が”写真だけは・・”と言って道にアルバムを積んでいた事実・・。ー
6.父親がどうしても見つからない女の子が、政志が家族写真を撮る写真家であると知って、彼にお願いした事。
悩んで一度は断るが、実家に戻った際に兄弟で久しぶりに懐かしき年賀状の写真の撮り方を話しているうちにヒントが浮かび・・。
ー 父が倒れたにもかかわらず、東北に戻る政志に母が見舞った”想いを込めた”ビンタ。ー
<家族写真とは、全員が映っていなくても、良いのだ。
そこには、ファインダーを通して、愛しい人や子供たちを愛おし気に見つめ、一生懸命に構図を決め、焦点を合わせ、写真を撮る人の想いが込められているのだから・・。
(その多くは父親であるのかもしれない・・)
そして、その大切な家族写真はずっと家族の心の中に残るのだ・・。>
■蛇足
エンドロールでも、更に面白き家族写真が沢山、観れます。
どれも、クスリと笑えて、少し沁みます・・。
主役は浅田家
今回の作品、いい意味で主役の二宮さんの影が薄かったと感じる。主人公の浅田政志を支える周りの人々がとても素敵でした。まずはなんといっても浅田家。奔放な次男を温かく見守り、必要な時には家族みんなで全力で協力し、喜ばしいことがあれば家族みんなで喜ぶ。家族の頼みだからって何度もコスプレして一緒に写真撮ってくれる家族ってなかなかいないよね。そんなユーモアと愛情溢れる家族だからこそ、写真家の浅田政志が誕生したのだろう。
浅田政志が撮る色んな家族の写真もとても面白い。どの家族にも、それぞれの家族のカラーやテーマ、思い出がある。それを見事に1枚の写真で表現できてて本当にすごい。
予告で震災の場面もあったから、ガッツリ震災テーマのものかと思ったけど、それは違ったかな。震災テーマというより、浅田政志が撮った家族写真の1枚が震災にあった家族だった。みたいな。
写真を洗うボランティアを始めた大学院生がとても印象的だった。地元に戻ってきたけど、この現状の中何をすればいいのか分からない状態だっただろう。そんな中で地元の人たちの汚れてしまった写真を丁寧に一枚ずつ洗って返していくという行動を、1人でもおこすことができたのは尊敬しかない。写真が見つかって喜ぶ人たちがいる中で、写真が見つからずに落ち込む人たちもいただろうし、時には罵声を浴びせられた時もあっただろう。それでも写真を返し続けた。本当にすごいと思う。
前半はクスッと笑え、後半はグッと涙する。
そして見終わった後には、よし、家族写真を撮ろう。という思いがうまれる。
自分の家族しか撮れない、私たちらしい写真を、今の私たちを撮ろう。
〇〇使って金儲け
この監督の前作がとても苦手だったので、怖かったけど。聞いた事ない写真家の実話…というところで気になり鑑賞。
震災について検証されたのか?すごく腹正しいし、泣かせるための小道具みたいな扱いに憤りを感じた。
肝心の浅田家ストーリーだけど、なに一つ芯となるもんがない。ふるーい映画見てる感覚になった。演出がキモい。告白する場面キモすぎて、よく泣けるな…黒木華がこんな酷く見えたのは初めてだった
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