「タイトル曲がイカしてる、小品だけど、ほっこりする佳作」ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトル曲がイカしてる、小品だけど、ほっこりする佳作
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小品だけど、ほっこりする佳作。タイトル曲がイカしてる音楽映画。
音楽祭としても有名な"サウス・バイ・サウスウエスト"の映画祭部門にも出品されたほか、インディペンデント映画の祭典であるサンダンス映画祭でも話題となった。
ニューヨークのブルックリンでアナログレコード店を営むフランクは、元バンドマン。フランクは早く妻を亡くし、娘のサムを男手ひとつで育て上げた。しかし医大に進学するほど優秀なサムは、ニューヨークを離れようとしていた。また17年も続けてきたレコード店も、時代の変化に抗えず、フランクはついに廃業を決意をしていた。
ある日、フランクは勉強中のサムの邪魔をして、一緒につくった曲を自宅でレコーディングする。その曲をサムに内緒でSpotifyにアップロードすると、瞬く間に大反響となる。
レコードデビューのオファーまで持ち込まれ、元バンドマンの父は、一人はしゃぐ。しかし、サムは進学のことや恋愛の悩みでそれどころではない。自宅を離れるのも、父と距離を置きたいという年頃の思いがあった。
"子離れ"、"親離れ"といったテーマとともに、音楽で結ばれた父娘の絆の強さと、家族としての旅立ちを描く。
しれっとサムの恋愛が同性愛だったりするのは、ニューヨークロケの本作らしい一面。
場末のレコード店を舞台にしたり、Spotifyをきっかけにするなど、音楽流通の変化も織り込んでいる。
(2019/6/11/ヒューマントラストシネマ渋谷/ビスタ/字幕:神田直美)
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