「邦題通りに地味ですがお父さん世代にはずっしり重い作品」足跡はかき消して よねさんの映画レビュー(感想・評価)
邦題通りに地味ですがお父さん世代にはずっしり重い作品
元軍人のウィルは従軍経験からPTSDを患い、娘のトムとともにオレゴン州の森の中で自給自足の生活をしていた。森の中をジョギングしていた男がトムを目撃し警察に通報したことから二人は保護されることになり普通の生活を始めるが、学校生活や周りの人達とのコミュニケーションに慣れ始めたトムに対してウィルは上手く馴染めず苦悩する。
ものすごく地味なドラマでほぼ全編ウィルとトムの生活を見つめているだけですが、二人三脚で生きてきた二人の距離が少しずつ変わっていくのを眺めるのは胸が痛い。いつまでも娘が自分の傍にいてくれるわけではなく別れは突然やってくる。そんな当たり前のことをまだ認められない自分に鏡を突きつけるような残酷さを併せ持つ美しい作品。トムを演じるトマシン・マッケンジーの透明感が印象的でした。
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