足跡はかき消してのレビュー・感想・評価
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トーマシン・マッケンジーの原点として今後語り継がれるであろう名作
ジェニファー・ローレンスの出世作となった『ウィンターズ・ボーン』のデブラ・グラニック監督の最新作が配信のみというのは残念だが、主人公親子を演じた2人の俳優の、日本での知名度を考えると劇場未公開になったことも仕方ないのかも知れない。と、そう思おうとしてみたが、本作で脚光を浴びたトーマシン・マッケンジーはその後出世街道を駆け上っていて、『ジョジョ・ラビット』のユダヤ人少女役が記憶に刻みつけられた人も多いはず。ただ、彼女の原石の輝きと、新人離れした力量が楽しめるのは間違いなくこの映画だ。 PTSDに苦しむ元軍人の父親と、世間から隔絶されて父親と二人きりで育てられた娘が、強制的に外の社会に連れ出される。喪失感から逃れられない父親と、新しい世界に好奇心を募らせる娘。どう考えても2人の道は離れていくばかりだが、親子は本当にお互いを思い遣っている。なんとも切ない物語だが、感傷に陥ることなく、ただなるように進んでいく様が、なんとも美しい。その危ういバランスを体現しているトーマシンとベン・フォスターの繊細な演技を堪能した。
共感できれば良い作品と感じられると思うが
トーマシン・マッケンジーつながりで鑑賞。 オープニングから、いきなり過ぎるほどの父娘の森の中でのテント生活シーンに目が点になる。 しばらくしてその理由がわかる。その障害がどれほど日常生活に支障をきたすものか正直よくわからないが、父親のこの生活へのあまりの固執具合に、個人的には娘がとても気の毒に思え終始モヤモヤしてしまった。 登場人物が少ないながらも感情的にはとても入り組んだ内容なので、事の善し悪しすら人それぞれになるだろう。 ただ、映像的には緑がとても深く映えていて、とても印象に残った。
トーマシン.マッケンジーは良い役者
戦争でPTSDがあるウイルは娘トムと人目を避けて森林公園で暮らすが、当局に保護されてしまう。 保護によって普通の生活に憧れるトム。 ソサイティから逃れようとするウイル。 最後にはべ別の道を進む父娘。 ベンフォスターもトーマシンマッケンジーも、抑えた演技が魅力的だった。
主役はトーマシン・マッケンジー
本作の主役はベン・フォスターだが、娘役のトーマシン・マッケンジーの演技が圧倒的だと思います。 実にピュアで優しさに溢れた娘を見事に演じきっており、トーマシンがその後活躍するのは当然とも思える 本作での演技でした。 本作は『ノマドランド』とも近しい雰囲気を持っていますが、 父親がPTSDで悩むがゆえの、森での生活という背景があり、 ただ、多感な少女にはどうしても受け入れ難くなっていく様が、実にうまく描かれていると思いました。 トーマシンが出ているからこそ観た作品ではありますが、上質で素晴らしい映画だと思います。
空気読めず、我道を行く米国社会に対する皮肉の所なの?
『家族の木綱』で父親が娘にとって『木の綱』になってしまっている。このオヤジは何年ゆるキャン△やっているのだろう? 単に
『ファザコン』と『子離れできない親』の話。
結果は分かってるし、生活感が全く無く、従って緊張感もない。
とどの詰まり山舐めちゃ駄目だぞ。
バカ親の前にバカ男に見える。
ここまでしたら、立派な幼児虐待。性的ないたずらをしなくとも立派な虐待。これでは少女の自我が芽生えない事は言うまでもないが、社会性大きく損なわれる。空気が読めないで、我道を行くアメリカンソサエティに対するアイロニーのところなのだろうか?
娘と短絡的なおままごとをやっているに過ぎない。
善人に親切にされている内が花。社会保険も無い社会だから、金が稼げないと分かれば、直ぐに見捨てられる。また、黒人だったらどうなるんだ?
ザリガニは何処でも泣ける訳では無い。兎に角、アメリカン、ヨーロピアンにこんな親父はいない。だから、映画になっている。
追記
日本には昔こんな人達はいたが、きちんとした民族性と生活感を持っていた。
娘さんへ こんな所で人生なんか決めずに、まだまだ人生は長い。先ずは学校へ行こう。ミツハチ以上の心引く物があるかもしれないよ♥
泣くような話ではあるまい。このデタラメさに笑える。
「ノマドランド」父娘版?家族なだけにより複雑。同じamazonのド...
「ノマドランド」父娘版?家族なだけにより複雑。同じamazonのドラマ「リトル・ファイアー」も母親の考え(都合)で住所を転々とし、ひたすらついていく娘を描いていたが、その要素もある。
愛し合い信頼し合い助け合って2人きりで生きてきた親子が、どうしても選択せざるを得なかった結論。
またアメリカの大自然とそこで生きる人々の純粋な生きざま。私には不便そうに見える2人の森での生活はみんなの憧れだ、というのが象徴している。
森に住む何年も見ていない人達のために食料を置いておく、だなんて、なんて寛大なポリシーなんだろう、と思ったら、ラスト父と娘を繋ぐ絆になったのかもしれない(が明確には不明)。
父の苦悩
PTSDに苦しむ父とその娘の話なんだけど、二人の背景がイマイチ分かりにくくて感情移入しにくかった。 地味な脚本を森の描写と二人の演技でなんとか最後までもたせた感があるかな… そしてエンディング、え⁉︎そうなるの?脚本ありきだけど、個人的にはダメだった。
いい映画ほどNetflixで観たくない
観て感じたことは、みなさんのレビュー通り。 染みた。 地味で良い映画、万歳。 Netflixは、スタッフロールの余韻を与えず、全く観たくない作品の予告を流すの、本当にやめてほしい、、 (浸っているところを無理して機敏に動いてスタッフロールに戻ろうとしたのに、またもや押し間違えて、ものすごい腹立たしい感じになっちゃった) せめて、作品のテイストが似たものの予告にするとか、 視聴履歴といいね履歴で個人の趣味吸い上げてるそのデータ利用して好きそうなの流して、、 まじで幻滅。 どうでもいいですね、こんな愚痴。 ↓ 調べて、Netflixの設定変えました。
邦題通りに地味ですがお父さん世代にはずっしり重い作品
元軍人のウィルは従軍経験からPTSDを患い、娘のトムとともにオレゴン州の森の中で自給自足の生活をしていた。森の中をジョギングしていた男がトムを目撃し警察に通報したことから二人は保護されることになり普通の生活を始めるが、学校生活や周りの人達とのコミュニケーションに慣れ始めたトムに対してウィルは上手く馴染めず苦悩する。 ものすごく地味なドラマでほぼ全編ウィルとトムの生活を見つめているだけですが、二人三脚で生きてきた二人の距離が少しずつ変わっていくのを眺めるのは胸が痛い。いつまでも娘が自分の傍にいてくれるわけではなく別れは突然やってくる。そんな当たり前のことをまだ認められない自分に鏡を突きつけるような残酷さを併せ持つ美しい作品。トムを演じるトマシン・マッケンジーの透明感が印象的でした。
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