殺人鬼を飼う女のレビュー・感想・評価
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今作を映画館で視聴した人は、いろいろ大変だろうなと思った。 一人で...
今作を映画館で視聴した人は、いろいろ大変だろうなと思った。
一人で自宅鑑賞(サブスク配信でも円盤でも録画でも)すると、自分の都合で一時停止したり少し巻き戻したり、ボリュームを上げたり下げたりコントロール出来るというメリットがある。
しかし、それが当たり前になってしまうデメリットとして、必ずとは言い切れないが我儘になってしまい、挙句の果てには人をも操作しようとしてしまうことがある。
プライベートにおいて(授業中や仕事中以外で)本を読むときの主導権は読者にある。次のページをめくろうが前のページを読み返そうが、一旦中止して言葉をじっとかみしめてから読書を再開しようが自由だ。
映画館で観るときの主導権、自分の人生の主導権についても考えさせられた。
自分の中にいるコントロール不可能な別人に主導権を握られたら、きっといろいろ大変だろうなと思った。
エロに重点を置いて暗く悲しい多重人格者の描写が斬新。
特に内容のない映画!!
エロシーンばかりですが、演技臭くガシガシやっているだけで声も煩く、ちっともエロくないです。80年代の2時間ドラマ的な湿っぽさはほんの少し感じましたが、中田秀夫監督だと知っていたら観なかったです。
精力的な巨匠
スクリーンに宿る黒が独特です。屋内でも屋外でも、鬱蒼として禍々しさを秘めた黒が置かれます。それは監督のどの映画にも有り、雰囲気のある好ましい黒ですが、いつもながら演出はいまひとつでした。濡れ場も退屈です。このエロが誰を感興させられるのか、考えると、不安になるほどですが、エロを除けばほんとに短い映画です。何を目論んでクチュクチュ音録ってるのやら・・・。話もセリフも幼稚です。これは誰向けなんだろうか?女優の箔付け以外に、有用性を感じない映画でした。
監督、ここのところ精力的な連作ぶりですが、質にも精力が欲しい気がします。
弁解すると、私は女優霊とリングの空気感がものすごく好きです。女優霊で、撮影現場にやってきた根岸季衣が、突然、雷に撃たれたように戦いて(おののいて)、目を剥いて「あんたたち何撮ってんの!」って言うシーン、映画史に残る名シーンだと思っています。そういう空気を期待して毎度中田秀夫を観ているわけですし、これだって惹かれたのは飛鳥凛でも松山愛里でもなく、まして18のレーティングでもなく、根岸季衣のクレジットだったんですが・・・。
ひぐらしは鳴かなかった
4人の人格がマンションの自室でミーティングするってのが納得いかなかったけれど、4人集まれば麻雀だってできるし、バンドだって出来そうだし、なんとなく楽しそう。などと書くと、本当に解離性同一性障害を持っている人に怒られそう。しかし、それだけミーティングの描写が異常に思えたのでとりあえず書いておきます。
『ひぐらしのなく頃に』(2007)(2008)でも共演している飛鳥凛と松山愛里。あの白川郷での異様なまでに色っぽい中学生姿も忘れることができないのですが、時を超え、体を共有することになろうとは思いもよらなかったことでしょう。しかも体当たり演技でしっかりヌード、濡れ場をも共有してるのです。一方はトラウマを抱えた女性、もう一方はビッチな女性として・・・他にも冷酷な直美とか人形を抱えるハルが存在します。
ビストロの店長は変態だったり、母親(根岸季衣)もロクデナシだったり、そのヒモとなってる男もトンデモおやじだったりします。ホラーというより、変態ビッチの饗宴といったところでしょうか。中田監督もホラー監督を封印して、かつてのロマンポルノ監督に戻ったような印象です。
隣人の小説家にしても性的虐待を理解してるし、徐々に倒錯の世界に入り込んでいく。デビュー作「私の中の私」もキョウコにとって共感しうる部分があったのだし、愛する男を見つければ幸せになるはずだと・・・殺されてもいい!まじか!いやはやハーレムのようなプレイを体験したならマジで死んでもいいのかもしれませんが・・・
R指定が多すぎ
幼い頃に受けたストレスによって多重人格になったキョウコ。
そんな彼女が、田島という男性に出会う。
田島と出会ってから、キョウコの周りで人が死んでしまうことが多くなった。
キョウコは田島も殺してしまうかもしれないと思って距離をおこうとするが田島はすべてを受け入れてキョウコのところに行ったという内容だった。
話の前半が、ほとんどR指定のことが多くてつまらなかったですが、後半になるとキョウコの周りで殺人をしていた人物のことになっていくのでまだ良かったです。
結局、殺人犯の明確な答えがしっくりこなくてモヤモヤしました。
複数の人格の中に潜む凶暴な人格が…
中田秀夫監督作。フォーマットはピンクだが、なかなか良くできた作品で、見応えがあった。
主人公のキョウコは幼い頃の義父の性的虐待により解離性同一症になった。ある日屋上で義父に襲われ突き落として殺した。
ということで、バックボーンに説得力があるのが今作の強みだ。彼女の秘めた狂気も腑に落ちた。
キョウコの中にいる複数の人格を4人の女優が演じた。複数の人格が同時に存在し語り合う時間があり、互いをよく知る存在であった。しかし、凶暴で他を徹底的に排除しようとするもう一つの人格が…
とにかく主演の飛鳥凛が魅力的。中島監督とのタッグをまだまだ観たい。
濡れ場が多くてびっくり
リングの中田秀夫監督の作品ということで、期待して観に行きました。
濡れ場が多く、女性一人ではるばる横浜まで何を観に来たのか、と少し恥ずかしくなりました。
近くの席で老夫婦が仲良く観ていたけれど、観た後に夫婦はどんな会話をするんだろう、などといろいろ想像してしまった。
家族や付き合い始めのカップルとは一緒に観ないほうがいいと思います。気まずくなりそう。
有名な俳優が出ていないのは、激しい濡れ場を引き受けてくれる俳優がいなかったのかも・・・と勘ぐってしまいました。それだけすごかったです。
これだけの激しいベッドシーンの演技は苦労されたと思う。俳優たちの熱演はみごとでした。
怖いというよりは、激しい映画、という感じ。
ダメな人間をよく描けている。
主人公に恋心を抱くしつこいキモイ店長、主人公の母のヒモ男など、ああ、こういう嫌なやつって現実にいるよね、と納得。
甘くない終わり方が良かったです。
メロメロ
男や家族への恨みを密かに持ちつつ孤独に生活するキョウコが初めて他者と関わった時に始まる変化。
ひとえに解離性同一性障害といっても色々あるのか。
主人格と副人格たちが深く人間関係を構築している様子が面白かった。
多重人格というか、心の中で友達を作っていたら彼女たちが独立して友好的に身体を使い合うようになったと思える。
勝手に身体を使われて好き勝手やられるのは困るけど、私の持つ脳内人物も独立して欲しいし、ちょっとキョウコが羨ましくなった。
ストーリー自体の面白さはあまり感じられず。
山場を見失ったまま終了してしまった。
人を殺すにしても愛するにしても、動機が単純すぎて理不尽さや欲望があまり見えない。
心の底にあった嫌悪や怨みを体現化したものなんだろうけど、恐怖感や感情移入が足りない。
田島とのロマンスにもう少し深みが欲しかった。
店長のナチュラルなキモさほんと好き。
殺すならこっちじゃない、何放置してんの。
典型的というか何というか、ケバい母親のあの感じはもはやいっそ哀れ。
ああいう言動ってわざとじゃないと出来ないと思う。どう生きてきたらあんな滅茶苦茶できるんだろう。面白い人。
副人格たちの言動が面白くて飽きない。
直美が一番好き。強気な言動も強引な行為もなんだかかっこいい。
母親の性格をだいぶ引き継いだゆかりとのやり取りが小気味好い。
幼いハルも可愛い。ベランダのシーンは地味に好き。
ロマンポルノリブート作品なのかと思うくらい濡れ場が多い。
わざとらしすぎる声と過剰な効果音は無い方がエロくて不気味で胸に刺さるのに。引き算大事。
最後の濡れ場はエキセントリックで良かった。
見せ方も良いし絡み合う人達のビジュアルも圧巻で好き。それまでのポルノ的な表現ではなく、映画的な表現へ昇華してくれたことが嬉しい。
四人と田島の関係の集大成として良いシーンだった。
キョウコの働くビストロにBGMが一切かかっていないことや、一人暮らしの部屋がわりと高そうなことにチクチクした違和感があった。
私の中の私
10歳の頃に義父に襲われて殺してしまった乖離性同一性障害の女性の話。
4人の人格を持つが人を殺す様な人格は持ち合わせていない主人公にみえてくるもう一つの黒さ。
乖離性同一性障害という体ではあるけれど、妄想の様に脳内会議で一度に複数人が登場するご都合主義もありながら話が展開していき、ダークさの片鱗はありつつもグロさはあまりなくもの足りない。
そういうものを期待していた訳ではない自分には、エロスの描写が長過ぎてピンク映画っぽくなってしまっているのがクドく感じたし、ただ殺したいだけに闇を感じないし、もう一つ乗り越えて不快さを際立たせてくれたらなというところ。
本作品「女の復習」でもタイトルで良かった
「リング」などのJホラーの中田秀夫監督の最新作で、テーマを多重人格者においてサスペンスに仕上げた作品。
まず、本作品「殺人鬼を飼う女」ではなく、「女の復習」でも良かったかな・・・
よくある多重人格者をテーマとした作品とは大きく視点が異なり、ひとりの主人公が何人もの性格の人間を演じるのではなく、それぞれ異なる性格の人間を出し(見方によっては幻)お話を進めて行く、正直、題材もアイデア(実際小説が存在する)悪くはありませんが、出来れば、主人公の生い立ちから現在まで、そして現在のお話と言う構成ならもっと楽しめたかもしれませんが、主人公の女性がどうして多重人格者になったとかの経路が結構あっさりだった為、ちょっと、主人公に同情も出来なし、それぞれの多重人格者のキャラクターにも共感出来なかったな・・・
また、中田秀夫監督が日活ロマンポルノ世代の方なのもあり、ロマンポルノ・リブート・プロジェクトにも参加したせいか、日活ロマンポルノさながらのファックシーンもあり、4人の主人公を演じた女優さん達はそれぞれ凄く頑張ったな・・・
ただ、正直、主演の飛鳥凛さんはもう少し演技の勉強をした方がいいかな、逆に大島正華さんは非常に演技も表情も凄く良かったな・・・
本作品、角川映画さんの「ハイテンション・ムービー・プロジェクト」の第一弾と言う事なのでこの後の作品も期待していましょう。
4つの人格
2019.3.28
中田秀夫監督の最新作
完成披露試写会に行ってきました。
舞台挨拶
監督をはじめ4人の女優さんたち
2018年2月、9日間の撮影だったそうで
女優さんたちは格闘技みたいな撮影だったとの事です。
監督は私の中にいる自分はとの事に・・・
ハイテンションの場合は関西弁になるとの事です。
幼い事の出来事で一人の女性が四つの人格に・・・
四人がそれぞれの人格で演じる事は観る側から分かりやすかったです。
幼い頃の虐待それが・・・
昨年、中田監督の映画『スマホを落としただけなのに』を観て・・・幼い頃の出来事で(全然違う出来事ですが)・・・
本当に幼い頃の出来事で人格・人生がかわる・・・ことを感じた作品でした。
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