「大伴、何なんだ。」窮鼠はチーズの夢を見る まほろばさんの映画レビュー(感想・評価)
大伴、何なんだ。
さっきAmazonプライムで見終わったばかりです。
直後なので感想がとっ散らかってます。
原作はかなり前に途中まで読みました。(たまきちゃんと仲良くなり出す辺り)
映画化してずっと気になっていて、やっと見ました。
ラスト納得いかない。
大伴が最後、今ケ瀬の灰皿を洗って机に置き、今ケ瀬がよく座っていた椅子に座って窓からの柔らかな光を浴びていたけど、あの男、あんな清々しい顔して座ってる場合なのか??
せめて今ケ瀬を迎えに行くとか。
この期に及んで、のうのうと受け身で部屋で寛ぐな、と思ってしまう。
周りの人はあれ程巻き込まれたのに…。
自分は原作の記憶が細かい所とか曖昧になっていて、しかも途中までしか読んでないのですが、他の方のレビューだと、もっと登場人物の心情が理解できる様です。
映画の尺の中で作るに当たって、急ぎ足になったり省略も致し方なしな側面はあろうけど………えぇ〜〜大伴ぉ!!!!何なんだよー!
役者は全員いい芝居してます。
主演の2人は勿論、脇を固める俳優達もかなりいい。
成田凌の縋る子犬のような目の芝居も良い。
メンズノンノモデル出身の俳優の中で、一番芝居好きです。
独特の雰囲気もあるし、役ごとに違った表情を見せてくれるのもいい。
大倉さんの芝居は「ヤスコとケンジ」位しか見た事が無かったのですが、想像以上にいいお芝居されて驚きました。
画の撮り方、構図、風景もとても綺麗です。
でも大伴ぉ〜〜〜お前なんなんだよー。のらりくらりし過ぎ!たまきちゃんも可哀想。
受け身で優柔不断で、人を真剣に愛した事のなかった大伴が、初めて本気で人を愛した、という過程をもっと丹念に描写する必要があったと思う。
この映画に限らず、同性愛の描き方、儚く、美しく、困難でありながら、しかし煌めく、繊細なガラス細工の様な…。そういうの多すぎませんか?
特に見る人が増える映像化の際。
それを美しいと思う感覚は私もありますが、それって同性の恋愛を特別視して、人として描いているのだろうか??という気もします。
この映画の感想として「美しい」というのが上位に上がってくると思いますが、これが異性の恋愛作品だったら美しいと感じただろうか。
何だこいつ!という気持ちが先に来て、美しいと思わなかったんじゃないだろうか……。
原作漫画は、もう少し人間らしい生々しいさがあったと思います。
辛口になってますが、いいと思う部分もありました。
繰り返しますが、俳優陣の芝居はとてもよかったと思います。
映像も美しい。
でも勿体無い。