劇場公開日 2020年9月11日

「初めて観たBL作品がこれでよかった」窮鼠はチーズの夢を見る ニンフィア好きさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0初めて観たBL作品がこれでよかった

2021年1月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

幸せ

今まで同性愛の映画にはあまり触れてこなかったし、いち早くAmazonプライムビデオで配信されたこともあり、気になって鑑賞してみました。男同士の恋愛の話だし最初はそんなに期待していなかったのですが、とっても面白くて、切なくも儚くて愛おしい。そんな映画でした。
大伴を見る今ヶ瀬の顔がどの場面でも愛情深くて、単なる「Like」ではなく「Love」であることがしみじみと伝わってきました。ただ二人きりでいる時も、言い合いになった時も、行為の時も、二人が一緒に何をしていても男女の恋愛以上の愛おしい愛がそこにあるように感じました。本当の恋人同士の愛が二人を取り巻いているように見えました。ただ、この映画では男女間の恋愛も描かれており、主人公と、昔からの女友達や同じ職場の女の子との関係性もなかなか深いものでした。一度分かれたのに再びよりを戻した大伴と今ヶ瀬の、お互いを思うまっすぐな愛情がとても印象的です。

関ジャニ∞のメンバーである大倉忠義君の出演作を観るのはこれが初めてだったけど、想像以上にいい演技を見せておりジャニーズの中でも風間君や斗真君なんかにも負けない演技力でした。同性との綺麗な恋愛を見事に見せてくれていたと思います。
成田凌くんも、とても演技力のある俳優で、「人間失格 太宰治と3人の女たち」で演じた佐倉潤一の演技が気に入っていたのでこの映画でも期待以上の素晴らしくてきれいな演技を見られました。昔から好きだった人へ向ける愛情を切なく表現しており、同性愛の心を持つ大人の男を見事に演じていました。

この映画は、今までとは違った恋愛を見られる、愛おしいラブストーリーだと思います。男同士の恋愛というコンセプトが非常に観ている人の心を打つのでしょう。
今やSDGsの一つにもなっているLGBTですが、この映画は同性愛への価値観を変えてくれているのだと感じます。異性でも同性でも好きな人を愛し続けることが、人間の最も美しい本能なのではないでしょうか。

ニンフィア好き