「大作映画の日本の限界か」燃えよ剣 パンナコッタさんの映画レビュー(感想・評価)
大作映画の日本の限界か
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役者はいい!
岡田准一は言うに及ばす、鈴木亮平、山田涼介、柴咲コウ、脇の、ウーマン村本、市川右近、山田裕貴、柄本明etc.皆んな良かった!
映像も素晴らしい!
シーン毎にワクワクするし面白いし魅せる!
原田監督の真骨頂だと思う。
けど、残念ながら映画としてのドラマは感じられなかった。
肝心の新撰組の形が漠然として見えて来ない。
『燃えよ剣』の土方歳三は、新撰組の誕生から滅び去るまでを自分に重ねて生きている。その人間ドラマがこの作品だと思う。
映画もそれを描こうとしたのは分かる、分かるが、原作全部を描こうとして返って中途半端になってしまっている。
映画の芯になる新撰組が置き去りになってる。その成り立ち、形成された姿、滅び去る様、それが手に取るように描かれてないと、いくら土方の動向や歴史を追い掛けても彼が、新撰組が美しく見えて来ない。
小説のダイジェストをスペクタクルに見せられているだけ。
勿体ない、非常に勿体ないと思った。
新撰組の形成に、清河八郎、芹沢鴨、伊藤甲子太郎らと土方はどう対峙したか、近藤勇や沖田総司、藤堂平助、山南啓介、斎藤一etc.彼らとのコミュニケーションとその葛藤や思いがもっとちゃんと描かれてないと、土方と新撰組の生き様が見えて来ない。バランスが悪く中途半端。
そう言う所が沢山ある。雪山を行進する画など土方と新撰組の行く末にほとんど関係ない。そう言う事実があったと言うだけだ。それをお金を沢山かけて、勿体ないよ。そう言う無駄なシーンが点々とある…勿体ない、とても勿体ない。
そう言う映画だと思った。
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