「馴れ合い芝居」嘘八百 京町ロワイヤル odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
馴れ合い芝居
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前作同様、骨董詐欺コメディ、歴とした犯罪なのだが巨悪を小悪が倒すというか毒をもって毒を制す小気味よさで犯罪感を薄めています。「お宝鑑定団」の影響もあり骨董好きにはたまらない映画かもしれません。古物商の中井貴一さんと陶芸作家の佐々木蔵之介さんの腐れ縁が肝ですから一作目からご覧になった方がよいでしょう。
一作目は利休でしたが塚地さん扮する学芸員のモデル、堺市博物館、さかい利晶の杜の矢内一磨さんの協力、監修もありもっともらしい架空の名器「黒織部はたかけ」が登場。
骨董品は不案内ですが織部焼は美形を廃し野趣を尊んだ作風のようですね、織部焼を選んだのは器の独特のゆがみと人のこころにある歪みを掛けているようです。
それにしても詐欺師もののサスペンス感とお笑いを混ぜるのは難しい、どうしても緊迫感が薄くなりますし、いまだに喜劇と言うとオーバーアクションで笑いを取りに行く役者さんが多く興醒めです。文化財保護を隠れ蓑にした贋作工場など大風呂敷を広げたのにうやむや、打ち上げで盛り上がるだけではすっきりしません。騙し討ちの手口も稚拙だし頭を使っているところが見えません。喜劇に寄せるのも結構ですがコンゲームならではのカタルシスも物足りない。
最後に広末親子まで如何わしく描いて終わるのはやりすぎ、これでは息子も将来、詐欺師かと思えて不憫です、嘘八百ならひとつ位は綺麗な嘘のままでも良いでしょう・・。
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