閉鎖病棟 それぞれの朝のレビュー・感想・評価
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丁寧
人を支え、そして支えられ…
まず、最初からどうにか、この人達みんなを助けてあげたいという気持ちになった。
そして、人を2度も殺めてしまった秀丸さんとそして義父に性的虐待をうけ、レイプもされてしまったゆきちゃんのこの、どうしようもない苦しさと悲しみと憎しみをどうしたらいいのかって、ただ叫びをあげることしか表現方法が本当にないよなって。
秀丸さんも人を殺してしまう事はいけないことだけど、1度目も2度目ももうその方法しかなかったんじゃないかって思わずにはいられない。
性的虐待やレイプ、性犯罪で死刑になることはあり得ない。日本は性犯罪に対しての罪が軽すぎる。被害者の心と体の傷はどんなに計り知れないか。
そして、私達は生きる希望を見失った時、誰かの支えや言葉、行動によって救われたり、救ったりしてることがあるんだということに気付かされた。
チュウさんに向けて、面会に来た妹は「狂ってる」って言葉を発したけど、現実問題としてその閉鎖病棟の人達が狂っているのか、健常者だと思って生きている一般の人達が狂っているのか、結局紙一重だろうなと思った。
小松菜奈の演技がいい
【人の善性を見事な切り口で描き出した作品】
夜明け
「ここには事情を抱えてない人なんていないんだよ」
チュウさんの言葉が心に残ります。
舞台となる精神病院は決して閉鎖的ではなく、外泊許可も可能な開かれた病院です。
チュウさんの台詞にある「ここ」とは我々が普段生活し生きている世界です。
どんな人であっても、夜も来れば夜明けも来るのです。
そして本当に立ち上がる時は自身の力で!
生きる大切さを
冷えても美味しい和食の様な作品
小松菜奈吹っ切れた演技だと思う。
可愛くて良い子ってイメージからの脱却。
病院と言う閉鎖空間で『若い』一輪の華として良いアクセントだと思いました。(個人的には紙ちゃんが好き)
精神的にやられてる病院にそれぞれのドラマが上手く絡まりあった日本映画らしい作品。
ちょっとATG作品ぽいって思っちゃったw
綾野剛相変わらず良い演技なんだけど本作は鶴瓶を活かす為にももう少し線の細い人の方が良かった。
どうしても綾野剛だと暗くても『いい男』としか見れない個人的補正がかかってしまうので。
ラスト 地面に這いつくばって欲しかった。
その方が前に進もう!って気が強くみて取れるんじゃ⁈って。
ぶっちゃければ最初の3人殺した時点で『死刑』判決は出ないと思うんだけどね。
あの状況で完全敗訴って余程弁護士が無能!だとしか…
生きてきたこと、生きていくこと
この映画は、生きてきたこと、生きていくことにフォーカスした物語なのだと思う。
再生とはちょっと違う、生きてきたからこそ、踏み出して、これからも生きていくのだというストーリーだ。
たとえ抑圧されていようが、
孤独だろうが、
閉鎖された場所であろうが、
心を閉ざしていた時期があろうが、
死を隣に感じながらであろうが、
確実にずっと「生きてきた」し、これからも「生きていく」ということ。
ただ、僕は原作を読んでいたので、期待していた分、やはり原作には追いつかなかったという感じが否めなくて、正直残念なところがありました。
もし、可能なら原作をトライしてみて欲しいです。
興味を持ってもらえるように、少し、紹介します。
クライマックスは、映画と同じ、事件から裁判。
でも、クライマックスは、最後のほんの少しで、登場人物のそれぞれの物語が大切に綴られます。
これは、精神科医でもある作者の、患者との向き合い方が、色濃く出ているところで、物語全体に重みも与えています。
そして、裁判の前段で、秀丸とチューさんの手紙のやり取りがあります。
チューさんの秀丸に宛てた返信に、「僕は元気です。昔と同じように生きています」という一文があって、ここからエンディングまで、僕は涙が止まらなくなりました。
スタバで辛うじて咽ぶのは止めていましたが、本を読み終わるまで涙は止まりませんでした。
なぜか。
チューさんは、もはや<昔と同じように>生きているのでないこと、そして、これから踏み出すのだと感じ、さらに踏み出すまでにも必死に生きてきたからこそ、これからも生きていくのだと強く感じたからでした。
由紀も同じ。
看護師になれたら、あの病院で働きたいという想いも告げます。
そして、二人で秀丸が自死などせぬよう説得しようと誓い合います。
映画に戻ります。
支えられ、支える。
決して孤独ではないこと。
生きるとは何もよりも大切であること。
生きてきたからこそ、生きていけるのだということ。
知的障害者の施設を襲撃した事件もありました。
しかし、皆、生きていたのです。
良作だったのにむせび泣けず
精神科病棟
坂の上のコミュニティ
長野県の精神科病院を舞台に、死刑が執行されるも生き残った下半身不随の男、母親に連れて来られた口をきかない18歳の少女、一見すると普通だが闇を抱えた青年を中心に巻き起こる出来事。
現代の絞首刑ではあり得ない生き残りとかご都合主義的展開は目を瞑るとして、その後の処遇とか病院の体制とか、いくらフィクションとはいえあまりにも何でも有り過ぎる設定の酷さで、物語がイマイチ受け止めきれない。
タイトルの閉鎖病棟とか、序盤看護師がしっかり鍵かけてたのは何?全員任意入院ですかね?
裁判にしても何を争点にした何の証人ですか?
主要人物3人の抱える悲しみや哀しみは悪くないし、由紀の痛みとかそれを知る梶木とか、物語そのものは面白かったし言いたいことはわかるけど、あまりにもファンタジー過ぎて浸れなかった。
死刑と犯罪について一人一人に問いかける作品
心が健康な時でないと引きずられそうな重苦しい空気感があります。
冒頭の絞首刑のシーンや、それぞれの心が壊れた時の回想シーン、精神を病んでいる人たちの病院内での振る舞い、不倫現場を観ての逆上殺人、裁判のシーンなどはホラーよりよほど怖い…
また俳優さんの演技は見事で、見応えはありますのでこれらの点は☆5つです。
何度挫折しても立ち上がろうとする姿は涙ものです。
しかし果たして妻の不倫現場を観て逆上して妻、不倫相手、認知症の母を殺めた事で終身刑ではなく絞首刑という物語の根幹に腹落ちしない点で☆1点マイナス。
☆2点マイナスは作品全体に漂う暗さと胸糞の悪さ、チュウさん(綾野剛)が精神を病んだ理由が描かれない点です。
主要人物の本来の家族がク◯すぎて、家族がテーマの一つなのだと見受けられたが、救いがないと感じだから。
絞首刑の生々しいシーンを観て、日本は欧州や先進国で進む死刑廃止に逆行している事にも考えさせられました。
冤罪も度々ある中で第三者が他人の命を裁くという事について世に投げかける意味でこの作品は大きな楔だと思いました。
という点から☆0.5点プラスで3.5点としました。
前向きに話は終わったが・・・
人の痛みがわかる人間に
わかってる事ではあるんだけど、やっぱりこういう映画を見ると改めて人の痛みを理解し、優しくなろうと思えるそんな作品だった。
ストーリーは院内での話だから、チュウさん、由紀ちゃんが退院して自立しかけるところまでしか作中内では見届ける事はできない。果たしてそれが彼らの幸せに繋がるのかはたまたまた外の生活にまだ適応できずに苦しむのかそこはわからない。
由紀ちゃんに関しては看護見習いとして頑張りかけてるらしいがその描写がないため少し感情移入がしにくい。
この作品はどちらかというと事情を抱えるものでも一生懸命生きて、その痛みを理解し受け入れる事を改めて理解させてくれるような作品なのかなと個人的には解釈して楽しませてもらった。
だから秀丸さんの判決含めストーリーの結末としてはこれからみんな頑張っていくのかな程度で終わってしまうため少し物足りなさは感じた。
一昔前はハンディを持った人は弱者として認識され、軽蔑されてきたがこういう映画を見ると理解し合う大切さを感じるね。また一見健康そうに見える人だって、どんなバンディを抱えてるか分からないし、その抱えてるハンディを自分自身が否定するのではなく向き合っていく事の大切さを改めて感じさせてくれた。
出演者の演技が素晴らしい
原作は読んでいたので
登場人物の身上や背景を判って鑑賞
時代背景が少し違うこともあり
2時間の映画で表現するには限界の感は否めないです。
原作は精神的な病とはいえ
死刑囚に値する惨殺犯ですが・・・
小松菜奈ちゃんは本当に素晴らしい
彼女に襲いくる不幸に対する
感情(苦痛・虚無)の表現力は見事です
特に泣きのシーンは圧巻でした
綾野剛君も心にキズ(過去)を持ち
ナイーブでどこか頼り無さげで優しい演技は素晴らしいです。
昭八ちゃんの生い立ちが描かれてなかったので完全な脇役になってましたが坂東君の存在感、難しい役をこなしこれからが楽しみな俳優さんです。
原作に比べ、この物語(映画)が事情があって起こしてしまった殺人事件、悪人なら・・・敵討なら・・・を強調し人殺しを美化(肯定)してしまってる感じに少し違和感が残りました。
心がゆさぶられる
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