赤い闇 スターリンの冷たい大地でのレビュー・感想・評価
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真実を伝える者と真実を隠蔽する者。
「権力は腐敗する」とはイギリスの歴史家ジョン・アクトンの言葉だ。彼の言葉通り権力が腐敗するのならばその権力を監視するはずのマスメディアも腐敗するのだろう。
マスコミはその報道により時には世論を誘導し国を動かすほどの力を持つことから司法、行政、立法に次ぐ第四の権力と言われる。
この権力が正しい方向に行使されれば世界を救うことにもつながるが、逆に行使されれば世界に悪影響を及ぼす。
本作では対照的な二人のジャーナリストが描かれる。一方は事実を真摯に伝えようとした主人公のガレス・ジョーンズ、もう一方はピューリッア賞を受賞しながらも権力に加担し事実を隠蔽しようとしたウォルター・デュランティである。この二人の構図は時代を超えた今でも普遍的な問題として位置づけられる。
事実を伝えようとするマスコミと権力側の有利に世論誘導するマスコミ、あるいはSNSの時代はさらにこの対立構造は複雑化している。個々の発信者により真実が伝えられたり、デマが流されたりといった具合に。
何が真実で何が虚偽の情報なのか、この無数に情報が飛び交う時代においては受け取る側にその判断能力が要求される。信頼できる情報発信者の存在は重要だが、受け取る側がその情報発信者を信頼し育成することも重要である。
日中戦争初期、戦争に反対する旨を表明していた朝日新聞は当時軍部を支持していた国民からの不買運動に会い、経営のためにその社論の転換を余儀なくされた。その後戦争賛美へとその論調を変え、他の新聞各社も国民を煽り立てて無謀な大戦へと突入していった。
この国民一体となって戦争へと向かわせた世論形成に新聞報道が貢献したのは疑いようがない。報道各社は戦後反省を強いられることとなる。
しかし、当時の反戦を訴えた朝日新聞を国民も信用し支持しなかったのであるから、これは情報発信者だけのせいとは言えないだろう。情報を受け取る側にも責任はあったということである。
本編冒頭、ナチスによる第二次大戦勃発の可能性を訴えるジョーンズの報告を政治家たちは誰一人相手にしない。そして彼がソ連ウクライナで目撃したホロドモールの報告についてもそれを否定するデュランティの発言のみを鵜吞みにして誰も信じようとはしなかった。
確かにナチスの件にしろウクライナの件にしろ、その情報の信用性を何を持って担保すべきかは難しい。ジョーンズの人柄というだけではなく、写真やその他の証拠資料からその信用性を積み上げていくしかないだろう。そうして信用できる情報ならばそれを尊重するべきである。
今の時代、マスコミは信用できない、ネットの中にこそ真実があるなどとよく言われるが、そんな単純なことではない。マスコミにもネットにも噓もあれば真実もある。肝心なのは内容の真実性をいかに担保するかだ。
ネットだから信用できるとしてネット上の陰謀論に翻弄される人々を見ていてよりそう考えさせられる。
本作でもジョーンズの詳細な報告よりもピューリッア賞を受賞したデュランティの言葉を無条件に信じてしまう人々が描かれていることから、これは現代でも十分通じる問題なのである。
情報の出どころだけでなくその情報の真実性をいかに見抜けるか、情報の受け手側は今の時代さらにその能力が要求されるのである。
権力に加担し腐敗してしまったデュランティに対してジョーンズはその命を失うまで事実を伝えることに生涯をささげた。
本作で描かれたウクライナ人たちへの虐殺ともいえるホロドモール。世界中でいまだに繰り広げられる虐殺、中国でのウイグル人の虐殺、ウクライナでのロシアによる無差別殺戮、イスラエルによるパレスチナ人の虐殺等々、これらの実態はジャーナリストたちが現地から報道することによってしか知るすべはない。これら発せられる情報を最大限生かすには我々情報を受け取る側が正しい情報を見極め、それら情報発信者を信用できる目を養う必要がある。
そしてその正しい情報から世論が形成され、虐殺の加害者に対して国際的非難を訴えていくことができるのである。
民主主義の母国といわれるイギリスでは元々このガレス・ジョーンズのように命を失うことも恐れず事実を伝えようとするジャーナリズム精神が強く、報道のための紛争地帯への渡航を国が禁じることはないのだという。日本なら政府が危険だと渡航を禁じた国に行こうものならたちまち批判されるため報道各社は所属する記者を送ることはできないのだという。だからフリーの記者を使うことが多いらしい。
以前、イスラム国に拉致されたフリーのジャーナリスト後藤健二氏に対して日本の政治家が自己責任という言葉を初めて使用したのがこの時である。
イギリスではジャーナリズム精神を尊重するため危険地帯に足を踏み入れて拉致されても非難するような世論は湧きあがらないそうだ。これも国民性の違いなのだろう。
🌀『ウクライナの子供が歌っていた歌詞がホラーすぎた‼️』
赤い闇 スターリンの冷たい大地で
🌀『ウクライナの子供が歌っていた歌詞がホラーすぎた‼️』
1933年。ソビエト連邦支配下のウクライナ
世界恐慌の中ソビエト連邦だけは繁栄している事を疑問に思ったイギリスのフリー記者。
スターリンにインタビューを願い、単独でソ連とウクライナに渡り、やがてソ連の偽りの虚像に行き着く。
実話ベースで進むホロコーストに並ぶ虐殺
ホロドモールと言う史劇ストーリー。
◉65点。
★彡史劇としては勉強になったがスターリン政権などの背景から知識を入れないといまいち響かない内容でした。主人公の実際のジョーンズさんの遺族の方が実際の内容と歪曲していると訴えを起こしている様です。
🟢感想。
1️⃣後半雪の中で歌う子供達の讃美歌?歌詞の内容はまさにホラーでした。
★彡震え上がりますよ。😱
2️⃣自分なら真実は言えなかったと思いました。★彡正義の為に、家族や大事な人の命までかけられない。情けないがこれが本心かも…😢
🗞️㊙️😱📝🤮👧🏻👦🏻🧒✍️🪱🥩❄️🌨️
🈲ネタバレ保管記憶用
スターリンの方針で重工業化を推進で農業は個人から集団計画が進み、農民は土地を奪われる。さらには天候や無理な計画のせいで、農民は不満。国境を越えてはならずや食べ物を規制され、完全に包囲し、情報を隠蔽する様にしていた。
草や虫などを食べる生活で凌いでいたが、自分の子供を殺して食べたりと人間を食べる事で飢えを凌いだり、疫病などで数百万人の農民が餓死や殺された。
イギリスの記者6人の命と目に見た記事を書くなと天秤にかけられ、なんとか帰国する記者。
国に戻り、新聞社に真実を話すが、圧力でねじ伏せられる。
ニューヨータイムズに強行突破で真実を話、新聞🗞️に掲載される!
約3年後、満州で盗賊に捕まり殺される。
記者のガイドがソビエト連邦と繋がっていた事を示唆して終わる。🔚
🌀この事実は1980年代頃までソ連は隠蔽していた様。
📝子供達の歌の歌詞
飢えと寒さが 家の中を満たしている 食べるものはなく 寝る場所はない 私たちの隣人は もう正気を失ってしまった そして、ついに自分の子供を食べた もう〜食べた 。
とかだったかな?曲もクリスマス風で歌詞が際立ちます😱
真実を伝えることの難しさ、歴史の残酷さ
実在のジャーナリスト”ガレス・ジョーンズ”の活躍を描いた作品
繁栄するソ連の謎を探るべく潜入し悲惨な飢饉の現状に遭遇し真実を報道するも政府の関係上、取り消され周りからバッシングされるもめげずに強引に真実を新聞に載せる。
そして次は満州に潜入するもソ連の息のかかった山賊に命を奪われてしまう
劇中ガレスは「記者は崇高な仕事だ。誰の肩も持つことをなく真実のみを伝える」と言っていたけれどまさにその言葉の通りの生涯で、第二次世界大戦の写真を撮りインドシナ戦争で散ってしまったロバートキャパにも通じるモノがあるなと感じた。
地方で大勢の餓死者を出すも中央が栄えたから成功だと吹聴するスターリンの罪深さ
当時はイギリスやアメリカも世界恐慌から立ち直れず、やむ負えずソ連と国交を樹立してしまった。
映画の冒頭に出てきたけれど同じようにイギリスは余力がなかったからチェコスロバキアを併合したナチスドイツと宥和政策を結んでしまった。
歴史的に言うとこれらは間違ったことだと思うけれど当時はそれが平和的解決になる。残酷だけれどトロッコ問題のように少ない犠牲で多くを救うのが正しいと当時の上層部は考えてしまったんだろうか。
ただこの映画を見て感じたのがコレが過去の怖い話では終わらない。
今でもイランや北朝鮮では報道の自由がなく戦争中のロシアでは政府を批判すると投獄されたり命を奪われてしまう。今のロシアの上層部のやり口は映画で描かれるような中央が良ければそれでいい体質に似通っているものがあるなと思う。
その一方で現在ウクライナを世界中が支援し、アルメニアやカザフスタンのようなロシアとの同盟国も関係を見限ってきている。
過去と比べると世界は変わりつつあるなと感じる
3.9映像が美しい
映画的な映像が美しい作品、カメラワークや切り取り方、美術背景からカラコレ、演出までもが映画らしく見ていて飽きない作品で、個人的にハマった。
序盤の荘厳さ、狂ってる感じからの貧困の場面の切り替わりは衝撃的で、目が話せなかった。また主人公の英国紳士っぷりも見ていて演出がハマっていて好きだった。
作品を見ているなかで、実は現実世界もこうした現実が広がっているのではないかと想像すると、少し怖さも感じた。「あの国は栄えている、将来が人口ボーナスで明るくなる、それに比べて日本はオワコン」というニュースばかりを耳にするが、実はそれをリアルに感じ取っている人は少ない。現場がどうなっているのか、それを目にすることは少ない。個人的に少ない海外訪問経験を踏まえると、かなり日本は豊かで教育も届いていると思う。
平等主義は人を搾取するというセリフも印象に残った。平等は格差と搾取を生み出していく。5カ年計画の実験の失敗と損失。ちょうどロシアとウクライナの問題、銀行の破綻が話題になっている2023年。いろいろなニュースを耳にしても、ほとんどの人は毎日の生活でいっぱいいっぱいでツイートするだけで何かを変えられたつもりになって過ごしていき、大きな変動に飲み込まれていくしかないのかも、そんな無力感も同時に想像した。
こういった作品を見ていると、自分がこの時代にいたらどうやったら抜け出せるのかばかり考えてしまう。作品を見ているとこの国から抜け出せたのは英国技術者と記者、つまり当時の上級階級とわかる。一歩一歩地道なスキルを磨くことがヒントになりそうな気がした。
本作の本当のテーマはこのホロドモールではありません本当のテーマは真実を隠すことの罪ですそして赤い闇の本当の意味
ロシア軍のウクライナ侵攻が始まり50日が経ちました
本作は、そのウクライナでちょうど90年前に起きた恐ろしい悲劇が題材です
第二次世界大戦勃発の5年前、1932年から1933年にかけてホロドモールという、当時ソ連だったロシアによって人為的に引き起こされた大飢饉のことです
ロシアにより、ウクライナは食料や種子にいたるまで強制的に収奪されたのです
その結果、大規模な飢饉が発生し、330万人から数百万人ともされる餓死者・犠牲者を出した「飢餓ジェノサイド」のことです
虐殺ジェノサイド
21世紀のウクライナで今同じことが起きています
しかし本作の本当のテーマはこのホロドモールではありません
本当のテーマは真実を隠すことの罪です
ロシアの猛攻の前に2日もすれば首都キーウは陥落してしまうだろうと言われていました
しかしウクライナはこれを撃退したのです
ロシア軍は一旦撤退し、その後には砲火や爆撃で破壊された町々が残されていました
そしてそこには罪もない普通の民間人の人々が多数殺されて道端に放置されている光景でした
本作の劇中で、1933年3月、90年前のウクライナに入りある地方駅で降り立った主人公が目にする光景
駅のホームに誰か倒れているのに、もう誰も気にしていない
町中には道端に行き倒れた人々が点々ところがっている
それは恐ろしいことに、つい数日まえテレビのニュースでみた光景と同じものなのです
しかし、この90年前の虐殺については、本作の三分の一程度の分量でしかありません
では残りは何に割かれているのか?
それは告発です
真実を隠すことの罪の告発です
数百万人もの人々が犠牲になった虐殺が行われたのに、その真実を隠す事の罪です
そしてその真実を隠すことに手を貸す罪です
真実をごまかすことの罪です
その真実から目を背け、なかったことのように振る舞うことの罪です
単にホロドモールを引き起こし、記者を殺してまでそれを隠そうとしたスターリン支配下のソ連への批判
それだけの映画では決して有りません
21世紀の現在進行形の告発なのです
誰を?
本作では西側のモスクワ駐在記者達です
ソ連の秘密警察から狙われる命欲しさ
ソ連との経済的な利権獲得のうまみ
何よりも、人類の明日の理想と信じる共産主義への期待故に、ソ連にどんな問題があっても目をつむるその行為にです
ジャーナリストとしての背信行為です
人間としての腐敗です
しかし、彼らは良心の呵責にさいなまれ、阿片パーティーで憂さを晴らし、退廃の限りを尽くして良心が痛むのを忘れようとしているのです
そして終盤には、ニューヨークタイムズのある女性記者は、主人公が行ったホロドモール告発記事は根も葉もないフェイクニュースであると署名記事を書くように、ピュリツアー賞受賞に輝いたことのある米国人のデスクから強制されるのです
「赤い闇」という秀逸な邦題はそういう意味なのです
劇中、不気味な小説をタイプする男は現代では有名なジョージ・オーウェル
タイプしているのは彼の出世作「動物農場」
彼も社会主義者として、主人公ジョーンズの告発を認めることができずに否定するのです
しかし次第に認め、ホロドモールをヒントにしてこの小説を書いているのです
あの不朽の名作「1984」はこの4年後のことです
そして、そのような恐ろしい真実の報告を受けてもなお、戦争を恐れてそのようなことはないと目を背ける英国の外務大臣
冒頭、主人公はこの外務大臣と居並ぶ外交委員会のお偉方の面々に、台頭著しいヒトラーに面会してきた報告を行っています
彼は、ヒトラーとゲッペルスと直接会話して得た結論として、ヒトラーは第二次大戦を引き押すことは間違い無いと警告します
しかし、お偉方はみんな呆れて笑い飛ばしてしまうのです
そんな事が現代に起きる訳がないと
そしてそのブリーフィングは途中で打ち切らてしまい、彼は外交顧問の職を失うのです
同じことが、21世紀のウクライナ戦争で起きてはいませんか?
米国が最初に声をあげ、ロシアの侵攻があると警告しました
しかしロシアはもちろんただの軍事演習だと否定しました
世界中のマスコミも戦争まではないだろうとか言っていました
戦争が始まり、民間人や病院などに被害が出だし動かぬ証拠の映像が流れた時、それはウクライナ側のフェイクニュースだとロシアは反論しました
驚いたことにSNSでは、そのロシアの主張を信じる論調の意見が多く見られることです
もちろん圧倒的にロシアへの非難です
しかし民間への被害はフェイクニュースだという
記事やネットの書き込みが日増しに増えていっているのです
キーウ近郊の虐殺のあった町々の惨状
恐ろしい虐殺現場の様子
それをウクライナ側がやったことだと否定する声です
ロシアに軍事行動をさせたウクライナの方が悪いという書き込みまであります
果ては、有名でかなりの影響力がある人物がテレビでウクライナは早く降伏すべきだと言い放ったのです
2022年4月14日、ロシア海軍黒海艦隊の旗艦モスクワが撃沈されたという大ニュースが駆け巡りました
するとやはりロシアは火災と嵐で沈んだだけだと主張しました
ネットでは呆れたことに、もともと沈んですらいない、すべてがフェイクニュースだと強弁する書き込みが多数でました
もちろんロシアのネット工作部隊の書き込みもあるのでしょう
しかし、普通の一般人でもそう信じる人が一定数いるようです
ロシアが侵略してくる!
プーチンはウクライナだけでなく、東欧、北欧の国々も狙っている!
そんなこと声高に言えば、たった3ヵ月前なら、
ネットウヨだと言われ罵倒されたでしょう
劇中の主人公は職まで失ってしまいました
21世紀でも、各国のお偉方は本作の冒頭の会議と同じように、都合の悪い真実から目を背けて、見ないようにしたのです
そして戦争を起こるにまかせてしまったのです
今もなお、戦争に巻き込まれたくないから、ウクライナには小型の兵器、ヘルメット、防弾チョッキぐらいしか支援していません
ウクライナがロシア撃退に必要だと切望する戦闘機や戦車は与えないでいるのです
出兵なんか絶対無理!と言っているのです
本作で描かれたのは、真実から目を背けて現実をみようとしないことが、大惨事を生み出し、戦争を引き起こすのだという警告です
本作は2018年の製作
ウクライナ、ポーランド、英国の共同製作です
ウクライナは本作のホロドモールだけでなく、2014年にあったクリミア紛争で散々な目に合わされましたから本作を作りました
その時も、どこの国も結局助けてくれなかったのです
ポーランドは第二次大戦でドイツとソ連(ロシア)に東西から侵略されて国が無くなってしまった歴史があることから製作に参加しました
カティンの森事件という2万2千人以上ものポーランド人がソ連(ロシア)軍に虐殺され森の中に埋められたのは、1940年の4月頃のことでした
その虐殺命令に署名したは当時のソ連(ロシア)の指導者スターリンです
彼は本作のホロドモールを命令した人物でもあるのです
主人公が穀物を収奪され荒廃したウクライナの町で見上げた巨大な看板に描かれたあの人物です
ポーランドが今必死にウクライナから避難してきた人々を支援しているのは明日は我が身だからです
というか戦前のポーランドの領土は、今のウクライナの西側の四分の一程度にまで広がっていたのです
今の国境線は戦後勝手にソ連に決められたものなのです
だからポーランドの人々にとってはウクライナの戦争は自国の戦争なのです
そして英国
ヒトラーの侵略意図に気付いていながら、宥和的な対応と話合いで解決できるとヒトラーをつけあがらせたのは英国です
主人公はジャーナリストではありません
彼はあくまで首になった外交顧問としての責任を果たそうとしたのです
英国がヒトラーとの戦争に苦しむのは見えている
苦境に陥ったとき、スターリンの正体を知る前の自分と同じようにソ連と手を組むべきだと政府首脳は考えるはず
もし英国と米国がスターリンを支援してしまうことになれば、ヒトラー以上の強大な悪魔を生み出してしまう!
それ故に彼は必死にホロドモールを世界に告発しようとしたのです
スターリンとは手を組むな!
奴は悪魔だ!と
それが一度は英国外務大臣の外交顧問になった者の責任を果たすことだからです
それなのに彼の告発を聞かず
ヒトラーとの第二次世界大戦に苦境に立ったとき、英国と米国はスターリンと手を組み彼に巨大な支援を与えさらに巨大にして東ヨーロッパをスターリンに進呈してしまったのです
英国にはその責任があるのです
つまり本作の製作意図は、これ以上プーチンをつけあがらせてはいけない
プーチンを現代のヒトラーにしてしまうぞ!という警告でもあったのです
しかし結果はこの通りです
21世紀の私達は、真実から目を背けて戦争を招き寄せて、21世紀のヒトラーとしてプーチンを育ててしまったのです
「戦争はウクライナだけの問題とみなされていたが、実際には欧州で原油・天然ガス価格が高騰し、イギリスでも食料価格が実に高くなった。私たちの臆病、ためらいをウラジーミル・プーチン露大統領に利用された。」
これは英国のエルウッド下院国防委員長がつい先日あるメディアに語った記事の引用です
日本はウクライナから遠いアジアの国です
関係ないことでしょうか?
先日、北方領土で夜間砲声のような大音響が一晩中なり響き、暗い夜空を閃光が沢山光るのが、根室から見えたそうです
そして日本海からはロシア海軍の潜水艦からミサイル発射の演習をしたとロシアの発表がありました
北朝鮮はいまにも核実験を再開しそうな雲行き
尖閣諸島ではまたも中国による領海侵犯が繰り返されたそうです
ウクライナの次は台湾に中国が攻め込むとも言われています
「ウクライナ戦争は世界の安全保障がいかに急速に悪化するかを示す警鐘である。と同時に、自己満足に浸り、自分たちの価値を守るための投資を怠るとどうなるかという警告でもある」
これも英国のエルウッド国防委員長の言葉です
私達日本人もまた目の前の現実から逃避しているのではないでしょうか?
真実に目を背けてはならないのです
アジアでヒトラーやスターリンを育ててはならないのです
アジアで戦争が起こるならばそれは、私達日本人が真実から目を背けているからです
赤い闇に包まれてはいないでしょうか?
最後に
本作は実話です
主人公は実在の人物です
映画的な誇張や演出があるかも知れません
しかし、あからさまに真実をねじ曲げてはいないと思われます
地元のレンタル店ではずっと貸し出し中でした
世間の関心の高さが伺えます
ウクライナの真実
信念を貫いた若き英国人記者ガレス・ジョーンズをジェームズ・ノートンが熱演。
目を疑う程の厳しい現実に衝撃を受けると共に、何も行動を起こしていない自身は、ロシア国民と何ら変わらないという悲しい事実を思い知らされた。
多くの人に観て頂きたい作品。
映画館での鑑賞
ホロモドール
今ロシアの侵略により大変な思いをしているウクライナ。
過去にはこんなことがあったのか、という事実を知る上で観ておいた方がいいかなと思って観た。
この時も何百万人?もの人達が亡くなっている。
この時はスターリン。
そして今はプーチン。
独裁者達はどこまでも自分の思い通りにしたいらしい。
パンを奪い合う人々。
道端に横たわる死体。
それを集める人。
亡くなったお兄ちゃんの肉を食べて飢えを凌ぐ幼い妹弟達。
事実を伝えることもままならない時代。
一度は諦めかけた記者が、なんとか伝えることが出来たのはたまたまだったのか。
それによってウクライナ国民の命はどれくらい助かったのかはよくわからなかった。
今は新聞よりネットの時代。
伝達の速さは比べものにならないが、操作も安易なのがしれない。
恐ろしい国…
世界恐慌の中、景気が良いソ連を探るべく、単身潜り込む英国人記者ジョーンズ。同様に探った記者仲間は殺された。鍵であるのがウクライナの地と聞くと、政府高官を騙しながらも向かう精神はまさに命懸けのジャーナリズムだが、彼がその地で見たものは人為的飢饉=ホロモドールだった。強制労働で、穀物を次から次へとモスクワ行きのトラックに乗せる人々。列車の中で捨てたみかんの皮に群がる人々、兄の死骸に手を付けてしまう痩せ細った子供たち、彼自身もソ連に追われ、木の皮を食べ、飢えを凌ぐ。死体もその辺に転がっている。やがて、仲間6人と共に捕らえられるが、公言しないことを条件に彼だけ解放される。それは仲間が人質ということでもあった。紆余曲折あり、報じるも権力者によりフェイクニュースとされる。また、ここでも揺るぎない信念のもと、ライバル社に直談判し、遂に国家による虐殺を告発する。ヴァネッサ・カービーとの多少のロマンスなどの脚色はあるが、実話だけに全体的に淡々としていた。本人はその後殺されたとエンドロールではあったが、記者魂とはまさに彼のためにある言葉だ。しかし、あの国は今も昔も怖い国だ。
巨大な力には勝てないのか😣
ヒトラーに取材経験のあるジョーンズは、スターリンにも取材したいとソ連に向かうが頼りにしていたジャーナリストの友人は強盗に襲われて死んでしまう。きっと強盗ではなく殺されたんだろう。ホテルにも2泊しか泊まれなかったりと圧力をかけられる。政府に取り込まれたアメリカの記者はジョーンズに取材を辞めさせようと酒と美女そしてアヘンを(男も)勧めるが、そんな誘惑にはのらず、仕事ひと筋。
なんとかウクライナ行きの汽車に乗り、北へ向かうのだが、、、人々の様子に驚く。汽車を降り、逃げ延びた村での地獄のような生活。道端に死体が転がり、それを片付けるリヤカー、母親の死体の横で泣き続ける赤ちゃんもまるでゴミのようにリヤカーに放る。歌を歌ってくれる子供達をカメラに収めようとすると、その隙をついて子供達はジョーンズの荷物を奪う。わずかながらのスープを分けてくれた兄妹、スープの中身は、、、悲惨な状況が観ていてとてもつらい。
なんとか事実を記事にしたいジョーンズだが、6人の人質となった人達のことを考えて諦める。しばらくして漸く記事を出す事ができたが、最後の解説で30歳を前にして強盗に襲われて死亡したとのこと。消されてしまったんだろう。正義を暴けば命はない。悪には勝てないのか、、、。
歴史の暗部に光を当てた作品
ネットで作品の広告を観て興味を持ち映画館へ。自分は元々ノンフィクション系の作品が好きだが、これはまさにその王道。1917年に革命が起き、翌年にソビエト社会主義連邦が成立して10数年後から物語は始まる。壮大な20世紀の社会実験が失敗に終わったことは前世紀でご存知の通りだが、実は黎明期には西側(日本含む)にもソ連を見倣う声があった。折しもニューヨークのウォール街に端を発する大恐慌が世界経済を破壊している最中、ソ連は鉱工業・農業生産共に大躍進を遂げ、日本や米欧を凌駕する急成長を見せた。その秘密を探る為、英国人ジャーナリスト・ジョーンズが単身ソ連へ向かう。そこで秘密はウクライナにあることを知り、そこへ向かう列車から急遽途中下車し、一面冬の銀世界へ降り立つが、そこで目の当たりにしたものは…
ウクライナのホロドモール(飢餓輸出)に関しては日本ではあまり注目されることはないが、特に西側諸国に関してはソ連による「ジェノサイド」であると認識されている。主に戦争映画ではノルマンディー上陸作戦やスターリングラードの戦い、ミッドウェー海戦などが取り上げられるが、この作品は戦間期に焦点を当てている点においても評価できる。途中、英国作家ジョージ・オーウェルの「動物農場」の節が登場するが、ソ連に対する最大の皮肉になっている。
今も変わらない話
なんか観るもんないかなと上映スケジュール漁ってるとこに
たまたま見つけて観賞
感想としては
結構淡白な内容と途中で監督変わったのか
と思うほどの不安定な描写スタイルに戸惑うも
扱うテーマは今も変わらない事過ぎて思うところは
ある映画でした
第二次大戦前の英国
政権奪取直後のヒトラーを取材した事もある
ウェールズ出身の外交顧問ガレス・ジョーンズは
世界恐慌下でも繁栄を謳うソ連のスターリンの国家運営に
疑いを持ち首相に訴えますが相手にされず
予算削減で外交顧問の任も解かれフリーランスに
なったところでソ連のことを調べはじめます
そこでヒトラーの時に世話になった記者ポールが
ちょうど今モスクワにおり会いに行きますが
その記者に会えと言われたニューヨークタイムズの
ピュリッツァー賞も取ったデュランティから
ポールは強盗に殺されたと聞き愕然とします
ガレスはヒトラーの時のようにスターリンに
取材したいと言います鼻で笑われ
1週間取ったはずのモスクワの豪華ホテルは
勝手に2泊にされているなど歓迎ムードでなく
ディランティに言われ参加した記者のパーティは
麻薬も溢れる堕落した世界でガレスは呆然とします
モスクワは確かに大都会で賑やかにやっていますが
相変わらず理由がわからないガレスはポールの同僚
エイダに委細を訪ねるとポールも同様の取材をして
殺されたのだと真相を打ち明けウクライナに
行こうとしていたと伝えます
実は母がウクライナ出身のガレスは監視をかいくぐり
ウクライナ行きの列車に乗りますがそこには食べ物を
見るだけで目の色を変える飢えた人々しかいませんでした
結局ソ連の繁栄の正体は近隣の軍事的支配地域からの
ウルトラ搾取社会でウクライナの人々は作物を全て
ソ連に奪われ何百万人と餓死者が出ていたのでした
このガレスが結構抜けた男でして
不用意にソ連のことを訪ねてはスパイとされ逃げ回ったり
○○の肉を食べちゃったときにすぐ気が付かなかったり
そもそもスターリンにすぐ取材出来ると思っていたり
コイツ大丈夫かという描写が目立ち移入しづらかったです
真実を知りたいんだろうけどポールよりいつ死んでも
おかしく無さそうです
結局ガレスはウクライナ潜入でソ連側に捕まり
実態を口外しない引換にロンドンに返されますが
「真実を公表する義務と知る権利」を守るために
結局新聞にソ連の真実を公表するのでした
観てて思ったのは
今でもソ連みたいな国はあるし
マスコミが恣意的に内容を操作してる現実は
なんら変わっていない現実に滅入るばかりです
共産主義は人民の平等と共栄を謳いますが
そんなものはどだい無理で外面ばかりよくして
中身は国民の犠牲をなんとも思わない社会です
ですが世界恐慌によって資本主義経済も大して上手く
回っていないところも現代とまるで変わってません
自助公助のバランスを取り持つのは結局
共産主義でも資本主義でも難し現実に人類社会は
未だに直面しているのです
映画としては話の展開とかテンポが不安定で
どこまでやるのかダラダラした感じで進んだり
不満もありましたがキャストは総じて雰囲気があり
ワイスピのスーパーコンボでも印象的だった
ヴァネッサ・カービーも存在感ある演技でした
あまり知られる事のなかったウクライナの悲劇
知る機会になって良いと思います
ウ・ク・ラ・イ・ナ に行っちゃイヤ 💋
ホロドモールはウクライナ語で飢餓による殺害という意味。ジェノサイドということばを考えるきっかけに。
英国首相ロイド・ジョージの元私設秘書(外交顧問)であった若い優秀なジャーナリスト、ガレス・ジョーンズの実話に基づいた映画。第二次世界大戦前の1933年のお話。彼はヒトラーに独占インタビューをした経験ももつ。世界的恐慌のさなかにあって、むしろ羽振りがいい(ルーブル高維持)ソ連。ドイツが再び戦争を仕掛けてくると危惧するイギリスではソ連と同盟を組んだ方が得策であると意見するものも出てくる。急激な近代化を推し進めたスターリンにもインタビューしたいとジョーンズはニューヨークタイムズのモスクワ支局長のピューリッツァー賞受賞経験のある大物記者ウォルター・デュランティーを頼って、単身モスクワに乗り込む。しかし、デュランティーは完全にスターリンに蹂躙されていた。ジョーンズがモスクワに立つ前に電話で連絡を取った友人の記者ポール・グレブは背中に4発もの銃弾を浴びて死んでいた。グレブはジョーンズと同様にソ連繁栄の秘密を取材していた。ジョーンズはデュランティーの部下のエイダ・ブルックス(ヴァネッサ・カービー)に探りを入れる。ソ連当局から日常的に監視されているエイダの口は重かったが、ジョーンズのひたむきさにこころ動かされたエイダはジョーンズに「ウ・ク・ラ・イ・ナ」とつぶやく。ウクライナ行きの汽車に乗り込んだジョーンズは彼の行動を監視する男をうまく巻いて、途中で貨物列車に滑り込む。しかし、貨物列車には異常なほど飢えた人たちがひしめきあっていた。ジョーンズがミカンをリュックから出すと異様な視線を向けてくる。ジョーンズが急いでミカンを食べ、皮を捨てると奪い合って皮を食べた。ジョーンズの母親(元・英語教師)はかつてウクライナのスターリノでウェールズ出身の実業家の孫の家庭教師をして暮らしていた経験をもつ。母との繋がりのあるスターリノ駅で降りたジョーンズはモスクワ行きの穀物を貨車に乗せる現場に出くわす。銃を持った軍人が、痩せて力の出ない民間人に重い穀物の袋を運搬させている。ジョーンズも手伝わされるが、カメラのシャッターを切らずにいられなくなったジョーンズはスパイとみなされ、発砲される。奇跡的に追跡を逃れて、凍てつく雪原をさまよい、ゴーストタウンと化した村にたどり着く。そこは極度の飢えに苦しむ生地獄だった。飢えた子供たちが歌う童謡の歌詞がすごく気持ち悪くて怖い。ジョーンズもそのうち、木の皮を食べる。母のかつて暮らした家の幻覚を見る場面に引き続き、もっともショッキングなシーンが。
主人公のガレス・ジョーンズは英国、米国の新聞にウクライナでの見聞をリリースする。すぐさま、ウォルター・デュランティーによりニューヨークタイムズでジョーンズの記事は否定される。負けていないジョーンズはニューヨークタイムズに辛辣な反論記事を展開する。英国、米国の様々な新聞に飢饉に対する記事を載せ続けるがソ連外務大臣から英国首相のロイド・ジョージに向けてジョーンズがソ連に二度と入国させない旨の通達が送られる。ロイドは「英国の経済が破綻寸前の時に勝手が過ぎる。君は一線を越えた。」と激怒したという。1935年、30歳の誕生日の前日、29歳でジョーンズは3発の銃弾を浴びて何者かによって殺されてしまう。
一刻でも早く飢饉に苦しむ人々を救いたいという彼の信念は打算で動くものたちにとっては脅威なのだ。彼の運命は実に悲しく、絶望的。ジャーナリストにはその正義が強いほど自己犠牲がつきまとう。正義の脆弱さを補うにはジャーナリストたちの結束が必要だ。ピューリッツァー賞受賞記者に騙されてはいけない。消されかけた功績に焦点を当てたこの映画は、いかに平穏な時代に、恐ろしい怪物がいつまた我々の生活、生命を脅かすかも知れないことへの警鐘であり、この、かりそめの平穏は偉人たちの屍の上に築かれたものであることを訴えている。
ジェノサイドもその認定は主権国家ごとに違ってくるという現実。同盟国どうしは認めない。第二次世界大戦以前のジェノサイドは語られないタブー。
ガレス・ジョーンズ役のジェームス・ノートンはストーリーオブマイライフ/わたしの若草物語に出ていたらしいが、印象が弱い。
エイダ役のヴァネッサ・カービーはワイルド・スピード、ミッション・インポシッブルなどのハリウッド大作に出ているので、ちょっとバランスが悪い感じ。ヴァネッサ・カービーのプロフィール写真が隣の気の強い奥さんにちょっと似ていて、個人的には萌えませんでしたけど、監督、撮影監督、音楽監督の意気込みは大変評価します❗
黒が強い画面
ゲームオブスローンズのベンジェンおじさんがいきなり登場してびっくりした。ベンジェンおじさん(違う)が、老境に立った主人公の記者かしら?とか思ってたけど違った。
ベンジェンおじさんは、ジョージオーウェルってゆう有名な作家で、読まれていた作品は「動物農場」ってゆう小説なんですって。全体主義とスターリニズムを皮肉った作品なんだとか。
死んだお兄ちゃんを食べて飢えを凌ぐ幼い弟妹のくだりが一番強烈だった。
そして、主人公はのちにポールのように殺されたってオチがラストにテロップで知らされます。
モスクワでの記者たちの乱痴気騒ぎ、びっくりした。
エイダは一体どこの国の人よ?社会主義のドイツ人?アメリカの外交官の娘?
モスクワで出てくるおじさんたちが見分けつかなかった。杖の人以外。
けしてみやすい作りではなかったです。
でも、知りたくて必死に食らいついたって感じ。
社会主義、共産主義がけして悪い思想だとは思わない。
ロシア革命が起きたこと自体は、そらそうだって思える。
ではそこからソ連が独裁国家みたくなって、腐敗したのかがわたしは知りたい。
ウクライナでやった非道な事をなんでやることになったのかを実感したい。
この作品を見ただけではわからなかったので
(そらそうだ)今後の課題です。
よかった
見た日は35度くらいの暑い日で、極寒のウクライナがちょっとうらやましいほどだった。映画を見る前にお腹が空いてカツサンドを食べて満腹で、この映画を見るには寒い日にお腹を空かせたまま見ると臨場感が味わえたはずだと後悔がある。
画面がずっと薄暗くて、ちょっとウトウトした。自分がもしジャーナリストなら北朝鮮やシリアなどに行くべきではないかと考えてもみるのだが、危険すぎる場所にはやっぱり行かない方がいいに決まっている。現代のロシアではジャーナリストがよく毒を盛られたりするので、日本で本当によかった。
そんな日本でもちょっとした状況次第で飢餓が起こらないとも限らない。常に備えは怠ってはならない。スマホや通信機器が発達してくれてよかった。
主人公がヒロインに、そんなに関係ないのにキスをしようとして拒絶され、そんなにうまくいくはずないだろと思う。でも無理を押してちょっとさせてもらっていたのがリアルだ。
ジョージ・オーウェルこんな人なんだろうなあと
動物農場のジョージ・オーウェルの視点から物語が始まるんです。
つまりこの映画はとある実験の映画なんですよと冒頭から諭されるんです。その実験が人知れず実行されていて、その実験を不可思議に思う人が気づいて、現場を見て、その成果を隠そうとする。。。という一連の流れがあったことを告発する映画なんです。
これ今の日本じゃん!
スターリン is back!!
飢餓状態で映る木の皮と動物の肉片の見た目が同じなのは悲惨すぎる。。。
王様のブランチのグルメリポートで紹介してほしいよ。。。
ジェームズ・ノートンがいい!
1930年代、ヒトラーの台頭を恐れたイギリスは、スターリンのソ連に近づいていた。恐慌後で世界中が不景気の時にソ連だけ国家予算が多く、不可思議に思った青年は、外交顧問をクビになったのを機に、ジャーナリストを装ってモスクワに行き、さらにウクライナに潜りこむ。そこでは飢餓に苦しみ、生きるために人肉でさえ口にする子どもがいた。しかしそれは、ソ連と手を組もうとするイギリス政府にとって握りつぶしたい真実であった。
単にストーリーを追うだけなら本を読めば良いと思う。映画の特長は、演者の魅力にもある。この主演ジェームズ・ノートンも、この映画をより魅力的にしている。
((((;゚Д゚)))))))ウクライナ飢饉報道の実話
世界恐慌下でのソ連繁栄に疑問を持った記者の話。
疑問を持ちソ連へ、、、決死の覚悟でウクライナを取材、、、そこで見たものは!
実際 外貨獲得のためウクライナの農民を軍隊で囲み強制労働まがいなことをやっていたんあだとさ。凶作でも強引に小麦を搾取して餓死者が600万人だと。
スターリンがやった事。世界で人殺しナンバー1は?スターリンか毛沢東ですってよ。
ヒトラーなんて子供みたいなもんで、この2人は凶悪すぎ。
これをジョーンズという若手記者が暴くのですが、、、、。
作中、〝平等主義はていのいい詐欺〟とセリフ。これが全てでしょう。
共産主義は奴隷制度と同じなのです。共産主義という隠れ蓑を被った独裁主義と言った方がいいかもしれません。
皆平等というのですが労働者を管理・監視する存在が現れ次第に主従関係となる。
人の性格とか特性とか失われ、人が機械的な存在なってしまう世の中。
世界にそんな国がまだまだあるのが本当に恐ろしい事です。あの国とあの国は要警戒です。
退廃的な記者達のパーティーシーンや飢餓農村で子供達との食事シーン。
映像的に印象的な撮り方をしていてこの監督の他の映画も見たくなりました。
【”飢えと寒さが家の中を満たし、正気を失い・・”哀しき唄が雪原に響く。「ホロドモール」の事実を暴こうとしたフリーランスジャーナリストが寒き国で見たモノ。背筋が寒くなります・・。】
ー「ホロドモール」1932年~1933年にかけて肥沃な筈のウクライナ地方で起きた”人為的な”大飢饉。-
・イギリスの政治家、ロイド・ジョージの外交顧問を務めその後ヒトラーへのインタビューも行ったガレス・ジョーンズ(ジェームズ・ノートン)はフリーランス記者として、ソビエトの経済繁栄に疑問を持ち、モスクワに乗り込む。
■怖ろしく、印象的なシーン
1.モスクワで出会った、ニューヨーク・タイムズ支局長デュランティ(ピーター・サースガード:怪演である・・)。(デュランティはピューリッツァー賞受賞者でもある。)にパーティに誘われるシーン。
裸女が多数踊り、アヘンの煙漂い、麻薬を打つ女性がソファーでひっくり返っている・・。デュランティは全裸で裸女と戯れている・・。驚くガレス。
ー徐々に明らかになるが、デュランティはスターリンの経済実験の実態を知っていたが、命を守るためなのか、真実を明らかにしていない・・。ソビエトに染まったのか?
きっと、自身の精神バランスを何とか保つための奇行であろうと推測。ー
2.同じく、タイムズ紙の女性記者エイダ(ヴァネッサ・カービー)はガレスと同じ思いでモスクワに来た友人の死の真相や”ウクライナに謎が・・”と執拗に粘るガレスに漏らす・・。
ー彼女なりの、記者魂を示そうとしたのだろう・・。ガレスに対する記者としての熱き思いに折れたのではないか・・。-
3.ソ連当局の目を欺いて漸く乗った列車の中で、エイダから貰った果物を食べるガレス。異様な目付きで見る薄汚れた人々。そして、ガレスが食べ終わった皮を列車の床に捨てると、争って奪い合う人々の姿。驚きを隠しきれないガレスの表情。
4.列車から飛び降り、雪中行軍の後、たどり着いた村で”穀物のたっぷり詰まった袋”を地元民に交じって運ぶ際の”これは、どこに運ばれるのか・・””モスクワだ・・”
雪が降る中、無言で荷物を運ぶ人々。
一人の女性がガレスに囁く・・。”男たちがきて、自然の法則を変えると・・”憲兵らしき男たちに連れて行かれる女性。逃げ出すガレスに向けて、無数の発砲音が響く。
ー真実が明らかになる、ショッキングなシーン。人々の虚ろな表情・・。-
5.漸くある寒村にたどり着いたガレス。幼い男の子と女の子に出会い、家に・・。そこで、振舞われたスープ。少し年上の女の子が無表情でスープを温め、肉片を刃の先に一片だけ突き刺しスープの入った椀に入れ、幼き二人とガレスに差し出す。
無表情で小さな肉片を口にする少女。ガレスが”何の肉?”と聞いても答えない・・。スープをよそってくれた女の子が”兄・・”と口にし、驚愕したガレスが裏口に行って見たもの・・。激しく嘔吐するガレス・・。
-武田泰淳の”ひかりごけ”を思い出す・・。-
6.デュランティがエイダに対して、ある文章をタイプライターで打たせるシーン。
-エイダの抵抗・・。職が無くなるのに、立派である・・。-
7.何とか、イギリスに帰ってからも、ソ連に人質に取られた技師たちを案じて、ロイド・ジョージ含めた政治関係者は彼を責める・・。
無念の涙に暮れる彼を子供たちもからかう・・。
根拠は、デュランティがニューヨーク・タイムズに寄稿した”彼の言っていることは、嘘。スターリンの実験は多少の犠牲を払っているが・・”という記事。
-デュランティ!お前、ピューリッツァー賞受賞者ではないのか! 政治関係者の判断は、当時の政局を考えれば、そうなるか・・。はあ・・。-
8.そして、漸く真実が記事になり・・
◆今作品では、冒頭、中間、ラストでジョージ・オーウェルが彼の代表作の一つである、「動物農場」をタイプし、モノローグで文節が流れる。これが、何を暗喩しているかは一目瞭然であろう・・。
<黒い大地と呼ばれた豊饒な土地を持つ、ウクライナ地方で僅か90年ほど前に起きた出来事を、モノトーンに近い色合いで寒々しく描き出した作品。
ウクライナ紛争の起因になっている「ホロドモール」の実態を明らかにした意義ある作品。
だが、”エンドロールで流れた言葉”に、戦慄と怒りを覚えた作品でもある。>
正にプロのジャーナリスト
事実を基にした作品のためそれなりに見応えはあるのだが、個人的にはあまり合わない作品だった。
まぁあの時代の腐った世の中を作品と言えども見るのはやはり気分が良くないと言うこともあるんだろうが、加えて最初から最後までダーティに、淡々と作品が進んでいくため途中で飽きてきてしまった。
ただガレスのような真実を追求するジャーナリストの姿には心は打たれる。
似たような仕事を人からの視点ではどういう感想を抱くのか気になるものだ。
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