ロマンスドールのレビュー・感想・評価
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妻への愛情をラブドールに込めた
ラブドール職人の哲雄(高橋一生)は園子(蒼井優)と出会い、そして結婚した。ラブドール作りへの愛情と妻への愛情が交錯した。
言葉が足りなかった二人が夫婦を取り戻す瞬間が嬉しくもあり、悲しくもあり。園子1号の完成が素直に嬉しかった。
ラブドール工場の社長(ピエール瀧)の言葉に二度落涙。二人を、そして従業員たちをしっかり包み込んだ。ピエールってホントいい役者だと思う。
ラブドールだからってディープに捉えないで
もっとドロドロの愛情が交差するドラマかと思ってたけど、軽快でポップな物語だった。
それゆえ訪れる結末も重く受け止めすぎず、ときに微笑ましくじんわりと味わえたのは良かった。
恋愛から愛情、そしてただの情への変化、馴れ合いや忙しさによるすれ違いはつきもので、そのズレていく過程の変化をもうちょっと繊細に描いてほしかった感はある。
それと子を持つ親としては、夫婦ふたりの時間はまだまだ自由で、子どもを産んでからが真価が問われるので少し現実より浅いかなと感じてしまった。
高橋一生と蒼井優の自然体の演技は相変わらず素晴らしい。
百万円と苦虫女からファンで
タナダユキさんの百万円と苦虫女のファンで、
今回ドキドキしながら一人で観に行きました。
あらすじも予習してから、大丈夫かなぁと不安でしたが、リアルだし、ほっこりする場面も沢山あり、よかったです。
あの台詞。
今こうして感想を書いている傍から涙目になっていく、、、
そのくらい、自分の感情を鷲掴みにされてしまった今作。
冒頭の光景から、最後の台詞まで、この夫婦の10年間が
ぎっしりと、濃密に、静かな慟哭と、幸せな涙で彩られる。
ラブドールといえば、近年にも何本か面白い作品があった
が、今作はそのどれとも違う。職人映画であり、恋愛映画
でもあり、後半ではベッドシーンがほとんどの展開となる。
できれば、いわゆるセックスレスの夫婦に観てもらいたいと
心から思った。夫婦は語り合わなければ、触れ合わなければ
まだまだ分からないことだらけの生き物。それを埋めるには、
手探りの状態で、ままごとのような生活内で互いを曝け出し、
みっともない姿を見せ合いながら今どうしたいかを言い合う。
思い遣ることで「嘘」をつき、「秘密」を抱え、疑心暗鬼の
夫婦が、「離婚」を踏み台に向き合い、その先へ進んでいく。
きたろうのコメディ、逮捕されたピエールのまさかの逮捕劇、
渡辺えりのおかみさん役も面白く、ラブドール製作現場での
喜怒哀楽がめっぽうリアルに楽しめる。あまり精巧に作ると
捕まってしまうなんて、、、そうなんだ~と大笑いしながら、
完成したドールを見てボロ泣きしてしまう。妻を想いながら
試す夫の目から涙がポツポツ落ちていくシーンなど号泣必至。
古くは南極一号とか、ダッチワイフ、なんて言われていた頃を
懐かしく思い出しながら、これは歴史的にも長く重宝されてきた
逸物なのだと悟る。どんな破格値になっても精巧品は飛ぶように
売れていくのらしい。彼女と称して連れ歩く男性もいるのだから、
生身の女性と違って文句や愚痴をこぼさず性欲消化に長けている
ところが最高!なんてところだろうか。男性型ドールもあるって。
おそらく自分がここまで感情移入した理由は、自分自身にある。
それがよく分かった。セックスという行為に対する男女の感覚を
女性監督が男性目線でスルリと描いて見せた。それが胸に沁みる。
なによりも最後の、あの台詞。
あの気持ちを心から受け止めて誉め言葉と思えたら、一端の女だ。
ごくごく普通の映画。でも少し変わったラブストーリー。
映画としてはとても普通なもの。
ただラブドールという題材からのラブストーリーなので、愛の形が濃くで描かれている映画でした。
最後に誰も知らない奥さんのこと、これがちょっとスケベなことと感じたのは違うかなと思う。
奥さんはとても愛していて、死ぬことが寂しいのと、自分を造形として残して欲しい気持ちの中に、彼に残り少ない自分を感じて、そして思っていて欲しいという願望がそうさせたのかと私は感じた。
切ない愛の形。でも後味は悪くなく、結婚ていいなあと思わせたそんな作品でした。
愛するが故の執着心
観る前の予想は、夫の隠してた事と、妻の秘密が作品の最後まで続くのかと思ってた。でも、観終わった感想としては予想を裏切られた。
妻の秘密(癌を患っている)はすぐに察しが付いた。
前半は現実的。後半は非現実的な印象。
ラブドールに対する執着心は、時間を追うごとに強くなっていく。それは、消えゆく妻の命に対する思いでもあったのだろう。
最後の夫の言葉は、なぜか胸に沁みた。
美しい夫婦愛の物語を期待すると・・・
美大を卒業した後フリーターをしていた哲雄(高橋一生)は、大学時代の先輩からで働き口を紹介される。
そこは、アダルト用品としてのラブドールを制作する下町の工場(こうば)。
試作品をつくった哲雄に対して、社長はダメだと一喝。
より本物らしく・・・を目指した哲雄と先輩造形師・相川(きたろう)は、医療用の再生乳房の型取りと偽ってモデルを募集する。
やって来たのは若い美術モデルの園子(蒼井優)。
一目惚れした哲雄は、思い切って告白し、ふたりは結婚するのだが・・・
といった物語だが、巻頭、ふたりのラブシーンが描かれ、これが10年間の物語であることが哲雄のモノローグで語られることから、すぐに展開は察しが付く。
語る側は残り、語られる側は消える・・・というのが定石。
どう消えるか・・・というのも、観ていく途中で「あ、そうなんだ」となるぐらいの定石のパターンの、不治の病。
で、映画として、難病ものかというと、そんなことはなく、なんだかヘンテコリンというか妙ちくりんとでもいうような感覚に囚われる。
ラブドール職人として、人間に近い(というか同じくらいのレベルの)ラブドールをつくりたいが故に、愛するひとをモデルにする。
江戸川乱歩のような、ある種の変態性が感じられる。
そこへ行きつくまでの終盤、文字で書くとすさまじい。
愛して、愛して、愛し抜く・・・
ここでの「愛して」は、「心底」というよりも、「体の底」から愛し抜く。
病身の妻をひたすら抱き続けるハナシなわけで、これを女性監督が撮っているのだから、体の底から愛してほしい、という夢・憧憬なのだろうか・・・とも思う。
ただし、「男と女の間にはアレしかないんよ」というロマンポルノの名台詞を思い出したが、演じているのが高橋一生と蒼井優なので、ねっとり感に乏しく、綺麗になりすぎたきらいがあって残念。
美しい夫婦愛の物語を期待すると、ちょっと透かされる感じがいい映画でした。
追記>
中盤、園子が哲雄に「隠していることがあるでしょう」と問い詰め、結局、ふたりが浮気の告白をするシーンは、微妙な間合いがあって面白い。
しかし、園子の浮気相手、誰なのかしらん?
3日間の外泊の後、べろべろに酔っぱらった園子を送って来た相手ではないだろうからね。
愛の形って、いろいろですから…
高橋一生なので観に行きました。凄く寝不足だったので、所々、寝落ちしてしまい、ストーリーが繋がらないところもありました。でも、概ね、理解できてるつもりです。
終わってすぐの感想は、大人のラブストーリーだな…ってことだったんです。こんな風に、人を愛する姿に感動したんです。でも、時間が経つにつれ、うん?おかしくないかい?っていう疑問がでてきました。何が、どう疑問なのか、自分でも分からないんです。なんか、腑に落ちない感じなんです。でも、愛の形は、いろいろなので、私には理解できない形なんだと思うことにしました。
ラストのセリフをどう受け入れるか
ラブドール職人の男性とその妻の物語。
夫の対応に「違うよ!違うよ!」、妻の対応に「なんでそういう結論?」と心の中で大声出しながら観てしまった。よくあるよね、こういう男女のすれ違い。なかなか心をえぐってくるけど、意外と普通の恋愛ものだなと思ってた。
妻の告白を聞くまでは。
後半はラブドールが絡んだ執念というか深い愛情みたいなものを感じる展開。それでいて、ほのぼのした雰囲気があって、クスッとさせる笑いも忘れない。なかなか好きですよ。
そして夫の最後のセリフに、なんかメッチャ共感してしまった。この感覚わかる!これも深い愛情が生み出す言葉だよね。このセリフを受け入れるかどうかでこの映画の評価は変わる気がする。しかも原作・脚本・監督は女性なんだから面白い。泣けたわけじゃないんだけど、印象に残る映画だった。
蛇足だけど、宮本から君への蒼井優と本作の蒼井優の露出度合いの違いについて少し考えてしまった。監督の演出?本人の意向?撮影時期(結婚前か後か)の問題?答えはわからないけど気になる。
大人のピュアラブストーリー
概して良い映画だったと思う。
真剣に人を愛したこと(又は愛そうと試みたこと)がある人なら、きっと何かしら感じるところがあるんじゃないかな。
もちろんラブシーンもあるけど、別にPG指定をつける必要すら感じないようなピュアで真面目な恋愛映画だった。
エンドロールの優しい歌が、世界観にとてもマッチしている。良い余韻に浸れます。
なんだか凄い映画だった
昭和の世代には南極1号と言えば、ある種の気恥ずかしさをともなった記憶があると思う。実物は見たことがないが、南極観測隊が持っていったとか、それは比喩であって実際に持っていった訳ではないとか、ダッチはオランダだからオランダ人の奥さんの意味かなどと、実にどうでもいいことを真面目に話したりもした。
ダッチワイフの時代は、それがあまりにも実際の女体とかけ離れていたため、こんなものを使う男が本当にいるのかなどと思っていたが、供給があったということはそれなりの需要もあったのだろう。ビニール風船みたいな外観にはとてもではないが萎えてしまいそうだが、昭和の男たちの想像力と意思はよほど逞しかったのだろうと思われる。
南極1号から幾星霜。オリエント工業がラブドールを発表したときは、日本男児と風俗業界に衝撃が走った。その出来栄えとリアリティは勿論のこと、給料の手取り額の数カ月分というその価格にも衝撃を受けた。
今では更に進化して、AIを組み込んで会話もできるし、喘ぎ声も出せるらしい。しかし価格は1000万円くらいするとのことだ。5万円のソープに200回行ける価格だが、どちらが得なのかと、こういうことで真剣に悩むのが男の愚かさであるが、もしかしたらそれは愚かさではなく長所かもしれない。
ある短編小説を思い出した。筒井康隆の「20000トンの精液」である。ヒルダという絶世の美女が立体テレビで実体化され、世界中の10億人以上の男たちがヒルダを抱くという話である。ラブドールよりもずっと進んでいる驚くべきアイデアである。当然ながらヒルダは世の女性たちから憎まれる。しかし当のヒルダはカメラの前で振りをしているだけで実際のセックスをしている訳ではないので、それなりに欲求不満が溜まっている。結末がどうだったかは忘れてしまったが、この小説が発表されたのは1970年である。今から半世紀前だ。まったくもって筒井康隆は天才である。
ヒルダについても賛否の議論があったと思うが、圧倒的な需要の前には議論は意味をなさない。ラブドールについても同様だろう。男性用だけでなく女性用も既に発売されているらしいから、男女を問わず需要があるはずだ。ではどうして需要があるのか。
世界最古の職業は売春婦と言われている。その真偽はともかく、人間は他の動物と違って一年中発情していて、生身の女性は必ずしも思い通りにはならないから、需要と供給の経済原則から必然的に売春という商売が誕生したのは納得できる話である。ラブドールも同じようにその誕生は必然的であったと思われる。テクノロジーの進化とともに生身の女体と見紛うばかりになっただけだ。
性欲は食欲と同じで抑制しがたいものである。不味いものよりも美味しいものを食べたいのと同じで、セックスの相手はスタイルと感度がいい美人か、またはハイテクな二枚目に越したことはない。望みが叶わない人の代替用としてのラブドールは今後も需要が増していくだろう。セックスと生殖が別になってしまったら人類はいなくなってしまうかもしれないという議論はある。しかしそもそも人類が存続しなければならないと決まっているわけではない。ブッダは末法を説いたし、イエスは天国は近づいたと言った。それでなくとも、今だけ、自分だけ、金だけの世の中だ。生殖と無関係のセックスに人類が熱狂したとしても、それはブッダやイエスの予言が成就されるためかもしれない。
さて映画の話だが、結論から言えばとてもいい作品だと思う。単に若い夫婦の顛末を描いているだけでない。ラブドールという、人間の本能と羞恥心と、それに社会的なタブーにも繋がる商品を作る職人が夫ということで、テーマは地理的にも歴史的にも広がっていく。
「ままごとみたい」と、高橋一生演じる夫はみずからの結婚生活を振り返る。料理上手で控え目で美しく、そしてセックスに積極的な妻。昭和の時代には、結婚式の挨拶で「昼は淑女のように、夜は娼婦のように」という決まり文句があった。今なら炎上しそうな言葉だが、夫婦円満の秘訣について言い得て妙である。蒼井優演じた園子は、まさに理想の妻であった。それはつまり、理想のラブドールということでもある。ラブドール職人である哲雄がそれを意識しない筈はない。そして園子にもそれは解っていた。
高橋一生の演技はとても上手である。普通の男ならそう振る舞うだろうと思う、その通りの演技をする。もはや職人の哲雄にしか見えない。そして蒼井優は更にその上を行く。哲雄の人生を優しく包み込み、ありったけの愛情を注ぎ込む園子の姿に、女の情というものを見せてくれる。
蒼井優は映画では「百万円と苦虫女」「彼女がその名を知らない鳥たち」「斬、」「宮本から君へ」「長いお別れ」など、舞台では新国立劇場での「アンチゴーヌ」を鑑賞した。演じたそれぞれの役柄は強気や弱気、感情的や理性的など性格の差はあるが、いずれも女の優しさと女の情を存分に表現していた。「アンチゴーヌ」では十字の形の舞台の下を歩く演出で、目の前を通り過ぎる蒼井優はエネルギーとパワーに満ち満ちて、生身の人間が演じる迫力が衝撃波のように押し寄せてきたのを憶えている。あれを受け止めるのだから、高橋一生は大変だ。
宝くじが当たったらラブドールと専用の部屋を買おうかな、などとは夢にも考えていないが、完成したドールのイメージは強烈過ぎて記憶から消しようがない。なんだか凄い映画だった。
俳優さん達は良い芝居しているんだけど・・・
蒼井優って童顔だし、声も可愛らしいのに問い詰めたり、自棄になったりするシーンでは凄味や迫力を感じさせるから不思議。特に目による心象表現はピカイチ。
きたろうや渡辺えりや大倉孝二もハマり役でいい味出してる。
ただ、前半部分の展開が雑過ぎる。後半のきたろうの回想シーン以降の流れが良いだけに尚更残念。
それと、せっかくラブドール製作という普段まず取り上げられることのない職業を題材に選んだのなら、例えば素材の発注や調合といった細かい作業の描写まで盛り込んでみても良かったのではと思う。
ラブロマンスとしても、性的表現にばかり注力していて心理描写が薄いかな、という印象。
この作品に限らず、角川映画は性的表現や暴力シーンの過激さが売りといったイメージが強い。
(この作品はまだソフトなほう?)
余談。エンドロールで気付いたのだが、この作品の当初の公開予定は昨年だったのね。お蔵入りしなくて良かったと思う。
嘘と秘密
夫婦ってズレたりハマったりして日々を重ね信頼を築いていくんだと思う。
映像が夢のように美しく心がぎゅっとなる切ないシーンは甘く切なくたまらなかった。ドライアイが治ってしまうくらい泣いたと思う、笑。
確実に何かが足りない
蒼井優と高橋一生を楽しむ映画だろう。序盤のディテールは良かった。これは惚れる、と。ただそこから一向にふたりの、ふたりだけの時間というか人間関係が描かれないので不倫も病気のことも、その後の展開がまったく染みて来ず。このふたりでなかったら何を見てればいいのかわからないものになったろう。そこを敢えて描かない理由があまり見つからない。
人生のセカンドステージを如実に描写!
あらすじやレビューを一切観ないまま、ただただ蒼井優ちゃん観たさに選んだ映画。
それが良かった。
あとから読んだあらすじではこの映画の良さが全く伝わってなかったから、先に読んでいたら観てなかったかもε-(´∀`*)ホッ
日常、愛情、愛のかたち、過ち、夫婦の形、人生、生と死、愛、愛、愛…
そんな感じの壮大なテーマ達について人間がとっかかり易く表現してる。
「あたしを造って」は理解出来ない感覚だったけど、最後のてっちゃんの「スケベでいい奥さんだったなー」でなんかスッキリ消化されたー✨✨✨
考えさせられる、というよりは恋がしたくなる映画だった (*´∀`*) ノ
◆追記◆
これから観る方に!
映画は大体ずっと静かに進みます!
お腹空いててお腹の鳴る音とかシアター内で飲み食いする音とかシンとした中で響くので注意が必要です!!
苦くて甘い大人の純愛、人を好きになるって素敵なことだ
まず、高橋一生さんと蒼井優さん、主演二人の演技が素晴らしい。二人が醸し出す空気や間から、この二人の夫婦の関係が説明不要で伝わってきます。自然体で儚くて、情熱的で優しくて、強くて脆い。二人が辿る結末はハッピーエンドではないかもしれないけど、それでも私は、この二人がとても羨ましい。ラストの高橋一生さんの一言から、never young beachの主題歌(この作品にピッタリ!)への素晴らしい流れも相まって、観賞後、様々な想いを巡らせしばらく余韻が残りました。
二人を軸にして、周囲の人との関わりや仕事にかける想いもしっかりと描かれ、登場シーンは少ないのに、どの人たちもとても愛しく印象に残っています。特にきたろうさんには笑って、癒されて、泣かされました。
人を好きになって、その人と人生を一緒に過ごすって、とても素敵で幸せなことだなと、改めて思いました。恋人同士や夫婦で観てほしいです。
ボディランゲージ
愛を注ぐ人達の話だった。
導入は結構ポップな感じで、ラブドールなんてコアな題材を扱うからこそかと思う。
案外そちら側の世界や概念も紹介してくれていて結構楽しい。人形の胸を揉みしだいた後にピエール瀧氏が「俺が欲しいのは巨乳じゃない美乳なんだ」という台詞が自然に頭に入ってくる。
ネタ的に地上波で放送される事はないだろうけど、内容的にはNHKがガッツリ流してもいい程、崇高な愛の話であった。
とても仲睦まじいい夫婦の話だ。
ただ、旦那様は大人のおもちゃを作る人で、奥様はガンを患う。
予想通りに奥様のラブドールを旦那さんは作るってなる。
ただ、本作に胸元をガッと掴まれたのは、その死に至るまでだ。
SEXしまくる。
その愛しそうな指先に「あなたが必要だ」が溢れ出してる。
本来そおいうものなのだと思うのだ。
離したくないとか、離れたくないとか、もっと近くにとか…愛しいという気持ちを表現し共有する行為。そんなものがビシビシ伝わってくる。体を通して発する言葉を共有する。
旦那が作る人形、それに私を落とし込んで欲しいと奥様は告げる。
それは1つの理由であって、それが何ら不自然ではないような伏線は前半からガッツリ盛り込まれてる。
でも、きっと本心は違うよねと思う。
後、何回彼女を抱けるのだろう?
後、何回、彼を抱きしめられるのだろう?
行為の最中にはそのカウントダウンを忘れられるのかもしれない。だけど、愛しいと感じる度にそれと同等の哀しみが押し寄せるんじゃないだろうか?
女性の方が積極的にも見えた。
自分がガンで、彼の子供が産めないからと離婚を切り出すくらいの奥様だ。私を忘れないでなんて事ではなく、いっぱいSEXして、いずれ多くの夫婦がそうなるように、私の体に飽きてと…そんくらいの切迫感を感じてた。
浮気したってのも実は嘘なんじゃなかろうかと思う。
だが、1つ腑に落ちんのは彼女が死ぬ直前のSEXで…いくら何でもあんな話の後じゃ勃たんて!俺は泣いちゃう。いくら奥さんが頑張ってくれても泣き崩れちゃうような気がする。
彼女の最期は腹上死だった。
かなりハードな、かなり壮絶な死に方だ。一生忘れる事はないだろうと思う。
そんな事を思うと、彼女がSEXしたかった理由は、いずれ訪れる別れに抗いたかったように思うし、残された時間の全てで彼を感じでいたかったのかとも思う。
ラストの台詞は
「ドスケベでいい奥さんだったなぁ」だ。とても染みる台詞だった。勿論、その前フリがあるからこそなのだけど、まるでピンク映画のような〆の台詞だった。
そして高橋氏には、なぜか馴染んでた。
ピエール氏はやはり名バイプレヤーだなあと、この作品を観ても思う。
蒼井優さんに惚れる。
高橋氏に向ける眼差しがとても優しくて…儚げでいじらしく可愛いかった。
是非とも幸せな夫婦生活を送って欲しいと、山里氏の顔を浮かべながら劇場を後にした。
きたろうに一票!
ラストシーンの砂浜でのしぼんだドールのやりとりが面白かったです!
「すけべで…」ってとこもなんかほっこりしました😊
蒼井優さすがです。
高橋一生は目線の演技が上手いです。
ピエール瀧の社長もぴったりだったし大倉孝二の警察さんもなんか見慣れた感じで良かったです。
そしてなによりきたろう!
もうあの娘の話のとこが切なくて切なくて…
ほんと、名俳優きたろうに一票です!
ただ、そのこドールはいかがなものでしょうか?(笑)
私はそこがちょっと解せなかったです😂
以前、芸大の大学院修了制作で、ラブドールのマタニティーヌードを大型...
以前、芸大の大学院修了制作で、ラブドールのマタニティーヌードを大型写真パネル作品として提出した方(女性)の記事があり、印象深く記憶していた。この映画の底流とも重なるところがあると感じた。その妊娠ラブドールはオリエント工業のもので、この映画でも同社の協力を得ているとのこと。実際こんな感じの工場でこんな風に職人達が制作しているのか。。。一点、最後の海辺の生徒との会話シーンは必要だったのだろうか。ちょっと興ざめ感あり。無理に男目線に合わせる必要もなかったのでは。ここで-0.5、蒼井優さんが素敵だったので+0.5。
参照検索:【もしラブドールが「妊娠」したら…芸大院生が本当に伝えたかったこと】
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