劇場公開日 2021年7月30日

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「俺の最高の日々イン・ザ・ハイツ!with 色とりどり映像マジック」イン・ザ・ハイツ とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5俺の最高の日々イン・ザ・ハイツ!with 色とりどり映像マジック

2021年7月30日
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《夢》俺の最高の日々 --- この作品の視点から世界を見てみたい。イン・ザ・ハイツ!ワシントン・ハイツ!言ってみて、忘れないから。ワシントン・ハイツ!人生の宝クジ当てたみたいに、パワーレス(=停電/無力)でもパワフルな俺たちのホーム。アツくむせ返るようかエネルギー量、その渦中に巻き込まれる。けど最後は自分で決めないと!小さな夢も大きな夢も、地下鉄から夢へと続く道で俺の最高の日々はまだまだこれから。
監督らしい映像マジックで躍動する新鮮味ある王道ミュージカル♫ アメリカ × ラテン系といったら今度スピルバーグ版も楽しみすぎるミュージカルの名作『ウエスト・サイド物語』でもその相性の良さは証明済み(あくせく働いても報われない移民の苦労)。けど本作ではそこにラップによるミュージカルという面も。ジョン・M・チュウ監督といったら『クレイジー・リッチ』でやっと批評家や映画ファンみたいな筋にも広く認められた感あるけど、やはり夢のように色とりどりなイメージが夏にイタズラされた消火栓から立ち上る水しぶきのように、次々と繰り出される圧巻のビジュアルという持ち味は確固たるものがあって、それは予想通り本作でも満開に花開いている!否定できまい目からウロコに釘付け、素晴らしい!

《忍耐と信仰》暑い暑い燃えるような日にエアコンの効いた部屋で見たい?いや、どれだけ暑くても忍耐と信仰で!夢のことばかり話すのにいつまで経っても行動しないこととか、町から出ていくという文字通りの変化だけでなくても、もしかしたら灯台下暗し的に本当に大切なものはもうあるかもという点なんか、色々と身につまされて刺さった普遍的メッセージ。
消えゆくものに思いを馳せながらも、今この瞬間を謳歌するように全力で生きて、なんなら変わりゆくものも消させない。場所でなくて人とはよく言ったもので、最初求めていた場所と違っても、次の世代へと受け継いでいく。それがどこであろうと人が、仲間が集まった場所がホームになっていく。ラテンのミュージックに体が踊って、地域社会が果たす役割みたいなのも考えられるなんて。これは誰にとっても広く特別な作品になり得ることは間違いないけど、やっぱり同じ境遇に置かれたような中南米からの移民にとってはきっと自分の物語のように思えるだろう。そんな作品と出会える幸せ。まさしく俺たちの町!ピラグア、ピラグア。

U.S. NAVY → USNAVI

P.S. ブロードウェイ版も見たくなった!目眩のするような魅惑のビジュアルとは少し違うかもしれないけど、監督の引き込まれるような映像世界といったら『グランドイリュージョン/見破られたトリック』のカードシーンとか?

今年映画館鑑賞43本目?

とぽとぽ