「子どもたちの逆襲」ドクター・スリープ バスト・ラーさんの映画レビュー(感想・評価)
子どもたちの逆襲
恥ずかしながらスティーブン・キングの作品はほとんど読んだことがない完全門外漢、
なのでいくつかの映画からの印象だけですがスティーブン・キングといえば、書けない作家が出てくる、“とにかく子供がひどい目にあう”だったりします
基本的に、年上や大人からの暴力には勝てないし、“シャイニング”のような特別な能力を持っていてもそれを利用されるか食い物にされている
しかし本作は子どもが強い、アブラはローズに深傷を負わせるし、吸血鬼(?)側のアンディもギアス能力でロリコン男性を罰する
特にアンディはこれまで只々大人たちに食い物にされてきたキング世界の子供たちの怨念を集めて作られたような怒りがある、彼女が「男なんて」と言うときは“大人の”男なんてという趣がある、思春期と言えばそれまでよ、彼女は“怒れる15歳”なのだ
決して食い物にされない二人の子供がある意味ではこの映画の主役にも思える
二人の運命を別つのは互いの師であるダニーとローズ、二組の師弟関係の対比も分かりやすくていい
ローズについていってしまったアンディは子供らしい我が儘さや傲慢さを肥大させて、結局はローズの子分として、利用される側になってしまう、
一方両親に愛されて育ったローズは大人への怨みもなく、子供らしい純粋さで才能だけでめちゃ強、という一見ちょっと狡い感じだけれど、ローズに罠を仕掛けたときや雪の迷路では残忍さをみせ、ローズに「こちら側になる要素がある」と言われてしまう、
肝心のダニーはというと過去がトラウマになり人生もどん底、怪しげなヤツらとは関わりたくないご様子、大人になりきれない“第三の子供”だ、
さんざん子供たちのことを書いてきたけれど、ダニーが自分の能力と向き合い、周りの人との交流によって過去と対決する過程は文句無しに立派な主人公、オーバールックで決戦だ!
ダニーは死んだのではない、人間のランクを一つあがったのです、
頑張れマスターダニー、アブラがベーダー卿にならないかはお前にかかっている!