ジョーカー : 特集
音楽フェスは中止…でも今年は「ジョーカー」フェス!
WOWOWで一挙放送 この夏だけの特別な3日間を
新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年の夏は多くのイベントが中止・延期を余儀なくされています。東京五輪、甲子園、音楽フェスetc…「楽しみにしていたのに」と、がっかりしている方も多いでしょう。
そんななかWOWOWが<WOWOWシネマ>にて、7月23日(木・祝)~25日(土)に、自宅で楽しめる“映画祭”を開催します。その名も「ジョーカー」放送記念大特集。まるで「『ジョーカー』フェス」!
「せっかくの夏なのに、家で退屈に過ごしている」……みたいな悩みを抱える映画ファンには、ぜひ参加してもらいたいと思います。放送される作品を思う存分楽しんで、“この夏だけの特別なひととき”を過ごしてください!
また記事後半では、アメコミに造詣の深い杉山すぴ豊氏がナビゲーターを務め、[「バットマン」4部作編]と[「ダークナイト」トリロジー編]をもう一度見たくなるトリビアをご紹介していますので、ぜひご覧くださいませ!
今年は自宅で「ジョーカー」フェス!
忘れられない夏になる…“おうち映画祭”を楽しもう!
● WOWOWで[「バットマン」4部作編][「ダークナイト」トリロジー編]&「ジョーカー」を放送!
日本全国に選りすぐりのエンタテインメントを届けるWOWOW。第92回アカデミー賞では2部門に輝き、日本でも社会現象的ヒットを記録した「ジョーカー」を、7月25日(土)午後10時から放送します。
これを記念し、同23日(木・祝)から“ホアキン・フェニックス関連作品”を特集放送。さらに24日(金・祝)午前9時15分から25日(土)午後10時にかけて、[「バットマン」4部作編]と[「ダークナイト」トリロジー編]7作を一挙に放送します!
この3日間は、自宅のテレビ/モニターの前に釘付け。外出を控え、退屈に過ごすはずが、めくるめく“映画の海”にどっぷりと浸かることができます。
ちなみに、2020年の7月23~26日は4連休となっています。今年は自宅で「ジョーカー」フェスを楽しみましょう!
● ティム・バートン版からノーラン版も…各作品が一挙に放送される“超貴重”な日程!
どの作品がいつ放送されるのかをご紹介。ざっくり言うと、7月23日に“前夜祭”が行われ、24日に「バットマン」4作、25日に「ダークナイト」トリロジー3作+「ジョーカー」が放送、という日程です。
24日のトップバッターを務めるのは、ティム・バートンが監督した1989年版「バットマン」(24日午前9時15分~午前11時30分)。さらに、バートン監督らが続投した「バットマン リターンズ」(24日午前11時30分~午後1時45分)、先日逝去したジョエル・シュマッカー監督が手掛けた「バットマン・フォーエヴァー」(午後1時45分~午後4時)、「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」(午後4時~午後6時15分)が続きます。
25日は昼からスタート。クリストファー・ノーラン監督により創出された「バットマン ビギンズ」(午後1時45分~午後4時15分)に始まり、ヒース・レジャーが強烈な存在感を放つ「ダークナイト」(午後4時15分~午後7時)、トリロジー完結編「ダークナイト ライジング」(午後7時~午後10時)が放送。
そしてフェスのトリを飾るのは、ホアキン・フェニックスが主演した「ジョーカー」(午後10時~深夜0時15分)。ベネチア映画祭金獅子賞に輝いた衝撃の物語が、WOWOWに初登場です。
特にお伝えしたいのは、上記の作品が一挙に放送されるのは“超貴重な出来事”だということ。「各作品を1度は見たことがある人」は多いでしょうが、「全作を通して見たことがある人」は果たしてどれだけいるでしょうか。
コアなファンにとっても、非常に重要なひとときになるかもしれません。
● 全作見てから「ジョーカー」を見ると、また別の感動が…!
[「バットマン」4部作編]と[「ダークナイト」トリロジー編]をおさらいしてから、「ジョーカー」を鑑賞する。劇場やDVD/Blu-rayなどで見たときとは、全く異なる感慨が胸に流れ込んでくるでしょう。それは、このフェスに最初から最後まで参加した人でないと、味わうことができない未知の感動を呼ぶはず。
また、前日の23日から当日の24日早朝にかけて、“ホアキン・フェニックス関連作”も放送。さらに25日の「ジョーカー」終了直後から、同作に大きな影響を与えたとされる「タクシードライバー」が放送されます(すべてWOWOWシネマで放送)。
前夜祭および後夜祭的な楽しみ方もできるので、こちらもぜひ!
知ってた?「バットマン」「ダークナイト」トリビア
杉山すぴ豊が語る、映画がまた見たくなる意外な事実
杉山すぴ豊:「ジョーカー」フェス(「ジョーカー」放送記念大特集)にご参加の皆さんの中には、今回放送される作品をすでに見ているという方も少なくないと思います。そこで改めて見直す時に、「こういうことを知っているともっと楽しめる」というトリビアをいくつか集めてみました!(※念のため、ネタバレ注意!)
「バットマン」 映画化にファンは反対…流れが変わったきっかけは?
バットマンのコミック・デビュー50周年の年に公開。この映画の製作が発表された時、(主演の)マイケル・キートンもティム・バートン監督もコメディ畑の印象が強く、多くのファンが「お笑い映画になってしまう」と大反対だったそうです。
映画会社は早めに予告編を作り、本作がとてもクールな作品であることをアピール。この予告編が好評で、流れが変わったそうです。日本公開時は「ゴジラVSビオランテ」とぶつかったので、同作の劇中にバットマンをいじったセリフが登場します。
「バットマン・リターンズ」 ティム・バートンが強く入れ込んだ一作
ペンギンの実の父を演じるポール・ルーベンスはバートン監督の長編デビュー作「ピーウィーの大冒険」の主役。ルーベンスはTVドラマ「GOTHAM ゴッサム」でもペンギンの父親役で登場し話題に。
バートン監督は、1作目よりも本作に思い入れがあったようです。その証拠に六本木で開催された彼の展覧会では、本作のためのスケッチの方が1作目より多く、監督のこだわりがうかがえます(特にキャットウーマンの絵が多かった)。マイケル・キートンとミシェル・ファイファーは、エズラ・ミラー主演「フラッシュ」の新作にバットマン&キャットウーマン役で再出演との噂もあり、改めて注目。
「バットマン・フォーエヴァー」 ロビン役は“あの人”だったかも!?
ティム・バートン版が暗すぎるということで、ジョエル・シュマッカー監督×バル・キルマー出演でリブート。シュマッカー監督は本作を担当する前に吸血鬼映画「ロストボーイ」でバットマンのコミックのネタを盛り込んでいます。
ニコール・キッドマン演じるチェイス博士は、この映画のために作られたオリジナル・キャラ。彼女は後に「アクアマン」のアトランナ役でDC映画復活です。クリス・オドネルがバットマンの相棒ロビン役を演じますが、この役のオーディションをクリスチャン・ベールが受けていたことも有名。
「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」 日本だけの副題…なぜ?
60年代に人気だった、ポップなドラマ版「バットマン」のテイストを再現した作品。「Mr.フリーズの逆襲」とは日本だけの副題で、日本ではアーノルド・シュワルツェネッガー映画として売りたかったようです。
シュワ自身も来日し、飛行機を使って1日で主要都市を回る日本縦断キャンペーンを展開しました。劇中スーパーマンの存在を示唆するシーンがあります。
「バットマン ビギンズ」 原作から変更された設定とは?
1940年にコミックで描かれたバットマンのオリジン(誕生秘話)はわずか2ページ見開きで描かれますが、その内容を2時間かけてじっくり映画化。
コミック等では少年時代のブルースと両親は「ゾロ」というヒーロー映画を見た帰りに悲劇にあいますが、クリストファー・ノーラン監督は「自分の描くバットマンの世界にはヒーローはいない」と、歌劇鑑賞の日の事件と設定を変更しています。
なおこの「ゾロ」映画設定は、後の「ジョーカー」で活かされます。渡辺謙さんのアメコミ映画デビューということでも注目。
「ダークナイト」 “社長”がぶつかりあった年
ヒース・レジャーがジョーカー役でオスカーをとったことでも有名。アーロン・エッカートがハービー・デント役ですが、このキャラは「バットマン」でビリー・ディー・ウィリアムズ、「フォーエヴァー」でトミー・リー・ジョーンズが演じており実写化は3度目です。
劇中ブルースが乗る車はランボルギーニのムルシエラゴで、“コウモリ”という意味もあります。なお2008年は「アイアンマン」の公開年でもあり、2大社長ヒーローがスクリーン・デビューです。
「ダークナイト ライジング」 ノーランの粋な計らい
劇中、セリーナ(アン・ハサウェイ)がキャットウーマンと呼ばれるシーンはなく、彼女がゴーグルをあげた時、猫の耳にみえるようだから、マスコミがCATと呼んでいる設定になっています。最後にジョセフ・ゴードン=レビット演じるキャラの本名がロビンだということがわかり、これはバットマンの相棒ロビンにちなむ。
バットマンの彫像がお披露目になるシーンを上から撮っているのですが、この時、いすやテーブル、彫像の配置で全体的に“誰かが笑っている”ように見える瞬間があり、ファンの間ではノーラン監督がさりげなくジョーカーの顔を仕込んだ、と言われています。
「ジョーカー」 “絵画”と“ライト”に注目!
ホアキン・フェニックスがヒース・レジャーに続き、ジョーカー役でオスカーをとりました(フェニックスは主演男優賞、レジャーは助演男優賞)。この映画で主人公の部屋に飾られている絵と「バットマン」でジョーカーが襲った美術館に飾られていた絵は同じで、「青衣の少年」という作品です。
またTVショーに出る時に、主人公は赤いジャケットを着ています。そこへ青いライトがあたるので、一瞬彼がジョーカーのトレード・カラーである紫のジャケット姿になります。
いかがだったでしょうか? とにかく、見れば見るほど発見があります。
なおジョエル・シュマッカー監督の2作は、とても楽しいバットマン映画ですので、その魅力を再発見してください。この場を借りて、シュマッカー監督のご冥福をお祈りいたします。