劇場公開日 2019年10月4日

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ジョーカーのレビュー・感想・評価

3.91486
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42%
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採点

全1486件中、1~20件目を表示

4.0ジョーカーを名乗った空虚な男の妄想劇

2020年5月26日
PCから投稿

悲しい

知的

どこまでが(劇中における)現実でどこまでが妄想なのか、と追求することはしない。作り手が解釈に委ねて明かす気はないと名言しているというだけでなく、それでは答え合わせに過ぎないから。ただ、はっきりと言えるのは、本作のジョーカーは「ジョーカーを名乗っている」というだけで、別にジョーカーではない、ということ。終盤の展開が本当なのか妄想なのかはともかく、ジョーカーを名乗った空虚な男に、大衆が自分たちの不満や怒りを託そうとする。その社会性がこの映画の肝であり、このひしゃげたご時世に爆発的に受け入れられた理由なんじゃなかろうか。

映画的には撮影、演技ともにみごとだが、気にかかるのはあからさまに『キング・オブ・コメディ』『タクシー・ドライバー』とハッキリ名指しできるスコセッシ映画をモチーフにしていること。アメコミ映画に新しいアングルからアプローチすることで、従来のジャンル映画の壁を破ろうという試みが、限りなく先達の作ったもの(スコセッシ映画)に近づいていく、といのはやはり懐古趣味ではないか。スコセッシ御大が今でも常に攻めているからこそ、目指す天井が見えてしまっている感じが気になった。

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村山章

4.5わかりやすい動機という落とし穴

2019年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ジョーカーという男はこんなにもわかりやすかったのか、と驚いた。バットマンシリーズはそれぞれ独立した世界なので、今回のジョーカーはこういう解釈なのだと言われてしまえばそれまでだが、本作はノーランの『ダークナイト』に近いリアル路線の世界観だったので、ノーラン版の印象をそのまま引きずって観ていたので驚いたのだ。
本作のジョーカーの世間を憎む動機はとてもわかりやすい。ノーラン版では、そのようなわかりやすい動機は示されなかった。ノーラン版は、なんというか、「混沌」そのものを愛してるような印象だった。口が裂けている理由がいつも違うのも、動機なんざどうでもいい、俺は混沌自体が好きなんだという風に見て取れた。その底知れなさに魅力だった。今回のジョーカーは、ある意味底が知れている。共感可能な理由も描かれる。実際共感を覚える人もたくさんいるようだ。
しかし、ちょっと待てと思う。その共感できるストーリーそのものが嘘かもしれない。本作が上手いのはここだ。映画全体を嘘かもしれないと提示することで、観客を混沌に落とし込む。この映画のそんな振る舞い方そのものがジョーカーっぽい。

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杉本穂高

4.5絶望の果てにあるあっけらかんとした心の荒野

2019年10月31日
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鑑賞方法:試写会

レトロな色調で映し出されるゴッサムシティの根底で生きる大道芸人、アーサーの、まるで人の不幸をまとめて請け負ったような日常に、まず惹きつけられる。誰しも、彼ほどではないにしろ、嫌なことが連続して起きることはあるし、そんな時、悲しむよりむしろ笑ってしまうことだってある。ついてない現実から逃避するため、愉快な妄想の中で思いっきり自分を解放してみたくもなる。トッド・フィリップス×ホアキン・フェニックスの「ジョーカー」は、観客の心の足を鷲掴みにして、物凄い力で地獄へと引き込もうとする。かつて、コミックス上のヴィランにこれほどシンパシーを感じたことがあっただろうか?そうして、これまで誰も描かなかった「なぜ」に踏み込んだ本作は、絶望の果てにある妙にあっけらかんとした心の荒野を大都会のど真ん中に設定して、人の世の悲喜劇を新たな形で提示する。今年一番の強烈な映画体験。そろそろ始まるアワードシーズンを間違いなく牽引する1作だ。

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清藤秀人

4.5映画を見ながらこれほど身震いしたのは初めて

2019年10月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映画を見ながらこんなに身震いしたのは初めてだ。これはDCコミックの超有名ヴィランの誕生秘話の域を超えて、現代社会の喉元にナイフを食い込ませるかのような狂気と絶望に満ちた作品だ。ホアキン・フェニックスのあの肉体からしてどうだ。幾度も映し出される半裸の姿は、痩せているのになぜか肩のあたりが異様に隆起し、たったそれだけで彼の精神面での変動が透けて見えてくるかのよう。同じ半裸の男と拳銃の文脈でいうとスコセッシの「タクシードライバー」が脳裏に浮かぶが、もう一つ忘れてはいけないのがその対をなす「キング・オブ・コメディ」の存在だろう。ぶっ飛んだコメディを手がけてきたトッド・フィリップス監督がこれほどスコセッシとデ・ニーロを引き合いに「ジョーカー」を奏でるとは。やはり我々の暮らす今日の現代社会は混沌としたあの頃へ逆戻りしているのか。日常を侵食するこの感覚が僕らを狂わせる。誰しもの心の中にジョーカーはいる。

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牛津厚信

5.0ジョーカーの喜劇的妄想が現実を侵食する恐怖と悲哀

2019年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

興奮

「ハングオーバー」3部作のトッド・フィリップス、喜劇畑の職人監督という認識だったが、アメコミのヴィランを題材に、これほど深い人間洞察と確かな時代性とトリッキーな作劇を融合させた心理サスペンスを完成させるとは!

精神障害を持つ無名コメディアンが、ゴッサム市を恐怖と混乱に陥れるジョーカーになるまでを描く。彼が憧れる喜劇人役にロバート・デ・ニーロ。監督は「タクシードライバー」「キング・オブ・コメディ」の影響を公言しており、2作を鑑賞済みなら気づく点も多い。実在の連続殺人犯ジョン・ゲイシー(幼少から障害に苦しみ、成人後に道化師の装いで大勢を殺害)の影響も。

序盤でアーサーの妄想癖が提示される。最初は明示的だが、次第に妄想と現実が曖昧に。その過程はまるで彼の狂気が映画の現実(と観客)を侵食していくかのよう。終盤の暴動は格差社会で虐げられた人々の下剋上であり、トランプの時代に重なって映る。

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高森 郁哉

5.0怪演

2023年2月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

興奮

ホアキンが怪演すぎてすごい。登場人物が少ないからわかりやすい。
とにかくジョーカーが可哀想。超大作という感じ。
ダークナイトなどの今までのジョーカーとは全然違う。

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ゆい

4.0ドーランの下に涙の喜劇人

2023年2月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

あのロバート・デニーロも出演しているこの映画は、『タクシードライバー』、『キング・オブ・コメディ』に影響を受けて製作されたらしい。
笑いに自分の居場所を見つけ出した主人公が、心ない人々から蔑まれ、罵られ、踏み付けられて、悪の権化ジョーカーに変貌していく。
後半のジョーカーに変貌してからの展開に驚愕した。ああそこまでしてしまうのか、ああそうなってしまうのかという疾風怒濤のストーリーに息を呑む。
主人公は「ドーランの下に涙の喜劇人」という言葉がよく似合う。

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ミカエル

1.0面白いストーリーなのに退屈な映画。

2023年1月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

寝られる

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Λibo.uryyy0

3.5ハーレイクイン

2023年1月6日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

を見て気になって観たが…

最初だからなのか今一迫力にかけ、とてもハーレイクインが惚れる程の大悪党に思えなかった。

バットマンを観なければ駄目なのか?

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REpower

5.0病んだ時代を映す、心優しき《悪のカリスマ》

2023年1月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、映画館

アメリカン・コミック映画の常識を覆す映画でした。
ホアキン・フェニックスの演じるアーサーは社会の片隅でひっそりと
老いた母親を介護しながら暮らす50男です。
超能力どころか、
金なし、
地位なし、
チカラなし

精神を病んで抗うつ剤を多量に飲み、カウンセリングを
受ける男。
仕事はピエロの扮装をした大道芸人で、笑わせる仕事なのに、
“ワーハハハハ“
“ワーハハハハ“と、
笑いだすと止まらない持病を患っている。
深夜の電車で笑いが止まらないアーサーを足蹴りにして
張り倒した証券マン3人を、銃で撃ち殺してしまう。
そうしてアーサーは悪の道に嵌って行くのです。

DCコミック映画で史上初のヴェネチア国際映画祭・金獅子賞と、
アカデミー賞主演男優賞をW受賞。
世界的に人々の共感と支持を集めたのは、自分たちの中に、
ホアキンのジョーカーが棲んでいるからだと思います。

急勾配の階段をピエロの姿で軽々とステップを踏みながら
踊るように下りる。
懐かしい80年代のBGMが鳴り、美しくも哀しい物語に
感動が湧きあがる。

この映画ではバットマンのブルース・ウェインは7歳の子供で、
アーサーの母親ペニーはブルースの父親のトーマス・ウェインの家政婦だった。
だから、ジャック・ニコルソンジョーカーとも、ヒース・レジャーのジョーカーとも
生い立ちが違う。
ゴッサム・シティを狂乱と混乱のるつぼに陥れるカリスマ・ジョーカー。
凶暴の嵐にゴッサム・シティは燃えあがる!!!

この映画は、
アーサーがジョーカーとして誕生するまでの全くのオリジナル・ストーリー。
脚本の素晴らしさとホアキン・フェニックスの繊細で大胆で独創的な怪演に
心底震えた。
本当に圧倒的で衝撃的な映画だった。

差別や貧困による格差社会の、差別された人々に捧げられたと
感じました。

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琥珀糖

5.0映画館で3回視聴

2022年12月27日
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3回も見に行ったのはこの映画が初めて。
私はこの映画を見ると元気になる。
自分の社会的弱者である側面がジョーカーを英雄にした。
英雄が悪を撃ち抜く瞬間は本当にたまらない。

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浅野

4.0バットマンより強烈

2022年12月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

バットマンシリーズを一通り観てから辿り着いたが、
よりダークでより強烈でした。毎回ジョーカーを演じる役者は個性豊かですが、今回はより丁寧に描かれている分、狂気さがさらに伝わってくる一方、人としての悲しさもあり、なんとも切ない話でした。

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Raita Maipen

4.5観てよかった

2022年12月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

評判が良かったので観ました

バットマンシリーズは初見です

自分勝手に殺人を繰り返し
さらに孤独になってっていく感じが
生々しくて怖かった

世界から暴力はなくならないと思った

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そのだ

5.0感完

2022年12月10日
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バットマンシリーズは未読です。

久しぶりに映画でここまでくらいました。
映像、構成、伏線張ってからの回収までの速さ、演者の力どれに置いても完璧だと感じました。
全てが美しく、全てが喜劇まさにJOKERの名にふさわしい映画でなかったでしょうか??
終盤の自血で笑顔の線を描くシーンあれこそこの映画の象徴でした。美しい

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い

5.0最高

2022年11月29日
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最高

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KOUHEI

5.0えらいもんを観てしまった

2022年11月27日
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ホアキン・フェニックスの怪演に戦慄。

悲しみと苦しみを蒸留した結果、悪へと化学変化したかのような男の物語。あまりにも重苦しく痛々しいのでしばらく再見できないけれど、強烈すぎる爪痕を残す映画。

えらいもんを観てしまったとしか言いようがない。。。。

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lll

4.0本当の悪は笑顔の中にある

2022年11月14日
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23

2.0湊かなえの「告白」の読後感に似た不快さが…

2022年11月11日
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ホアキン・フェニックスの兄、
リバー・フェニックスの「旅立ちの時」を
直前に観た経緯がある中で、
ベネチア映画祭金獅子賞受賞や
キネマ旬報第1位の作品と言うこともあり
期待して観たが、何とも不快な印象だった。

出だしは、デフォルメの無いゴッサムシティ
が背景だったことに好感も覚え、
アーサーがどうジョーカーに変貌していくか
に期待を抱きつつ鑑賞し始めた。
ストーリー的には、
かつてのバットマンシリーズの前日譚
のような内容で、
バットマンの両親が射殺されるまでという
シリーズ冒頭につなげ、
なんとバットマンとジョーカーは母親違いの
兄弟かも、との興味深い展開を見せた。

しかし、アーサーがジョーカーになるまでの
人間性の変遷を描く視点は面白い着想では
あるが、そんな範疇を超えて、
犯罪の動機付けを与えるかのような
アーサーの変貌設定には嫌悪感を覚えた。

ジョーカーメイクで凶暴になる点は、
ドライバーがハンドルを握ることで
運転が荒くなることと似ていて、
この作品の製作陣が、
格差社会への啓発と共に
触れたい制作意図のひとつなのだろうが、
しかし、これらの点だけが大きなウエイトを
占めているとしたら
底浅いメッセージとしか感じ取れない。
何か、
湊かなえの「告白」の読後感に似た感覚で、
両者とも、ある意味、人間不信に陥っている
のではないかと勘ぐってしまった。

兄リバーは「旅立ちの時」で、我々に希望を
与えてくれる役柄に出会えたが、
弟ホアキンにとってのこの役柄は果たして。

タランティーノ、スコセッシ、
イーストウッド、ケン・ローチらの大御所の
作品が揃った選出年ではあるものの、
いずれも代表作とは言い難いレベルの作品
だったと感じている。
このことが左右したのか、
私にとっては映画鑑賞の際の
大切な指針としているキネマ旬報ベストテン
ではあるが、
結果的にベストワン作品には相応しくないと
感じる作品が選定された
数少ない年のひとつと思えた。

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KENZO一級建築士事務所

5.0とても良かった

2022年9月24日
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1番好きな映画の一つです。
バットマンの両親や、幼い頃の出来事を知っておくと感じるものが多くなると思います。

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井唯

3.0物凄い話題作だったけど…

2022年9月1日
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鑑賞方法:VOD
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ほらぁ