ジョーカーのレビュー・感想・評価
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ジョーカーの脳内を追体験する122分
稀代の悪役「ジョーカー」が誕生するまでを、本人の“完全一人称”で描いた作品。
それはつまり、ジョーカーの脳内を約2時間にわたって追体験するということで、なのでジョーカーが完全に覚醒する中盤~後半にかけては、彼の反社会的な行動にも喝采を送りたくなるほどのカタルシスを感じてしまう。
「バットマン」のジョーカーが悪逆非道の限りを尽くすぶっ飛んだアクション映画を期待して観に行くと肩透かしを食らってしまうかもしれないけど、この映画は観客が2時間かけてジワジワとジョーカーという毒に侵食されていくヤバイ映画なのだと思う。
笑っているのか、それとも、泣いているのか
悪から生まれたわけじゃない
気候は狂い、台風は暴れ大企業は汚職ばかり
国のトップはSNSやミサイル遊び
今の世も混沌としていて正しいことがわかりづらくなってきてしまってる
そんな時に現れるのかこのジョーカーではなかろうか
悲しみや辛さを笑いで覆い一筋の光となって人々を導く事は容易くはない
ただ、このジョーカーは自分のことだけ見てくれる優しさに飢えていただけなのかも
そりゃさ、誰だってそんな時があるだろうさ
弱気になってる時なんかとくにさ
だから踏ん張って頑張って我慢もして時には自分さえもなくなりそうになっても生きていかなきゃダメな時があるでしょ
辛いことと楽しいことが半分づつとは言わない、むしろ辛いことばっかりかもしれない
人に生まれたのだから仕方がないと諦めることもあるし
その逆もある
人だからこそ心から「幸せ」を実感することも出来る
そんな時はこの上なく暖かい気持ちで覆われて天にも登るような時だってあるよ
あー 生きてて良かったな〜〜と思える時が人生で数回あるだけで儲け物
そんな時がまた来るように踏ん張って頑張って生きていきたいものですね
やっちまえ
圧倒的カリスマ、共感力の鬼
まず最初に、話題作だからとおもってライトに観に行くとしっぺ返しをくらいます。ご注意を。特にデートなどではお互いが予備知識あって興味ある人じゃないと時間が台無しになると思われます。
本題です。
PV観て、名作確定と思っていた更に上をいく作品でした。ホアキンジョーカーの演技力もハードル上げて観たのに更に超えてきて息するのを忘れるってことことかと感じたレベルでした。ビューティフルデイのホアキンからは想像できない体をしていて、そこにも驚愕でしたね。そこにカメラアングル、音楽が良すぎてもう鳥肌ものでした。
ジョーカーの笑い、悲しみ、怒り、すべてを表現し切ったホアキンに、最後は涙しかありませんでした。(まわりはあまり泣いてなかったようですが)
とにかくしっかりと構えて観てほしい。動作、音、全てもれなく全身で感じて観ないと良さが伝わってこない映画でした。これ、Blu-rayとかで観るとイマイチなやつです。興味ある人は必ず映画館で!
ホアキン・フェニックスを見る映画=ジョーカーを見る映画
リアリティある設定
周りの人々が、世界の不満がジョーカーを表舞台へ押し上げる。
バットマンの悪役として有名なジョーカー誕生までの秘話を描く。(バットマン側もあるよ。)
内容は予告編にて想像出来る内容ですので、ドンデン返しを期待する方はご注意を。
今回、ホアキン・フェニックスは過去ジョーカー役を演じたジャック・ニコルソン、ヒース・レジャーに劣らないほどジョーカーを演じ切ったと言えるでしょう。
あのカラフル(赤、橙、緑)なスーツが断然カッコいい。
ジョーカーになる前のアーサーだが、今回描かれた人生が哀しすぎる。痩せ過ぎたあの身体と甲高い笑い声は見事。
彼の人生何もかもを全否定される様な描写は心打たれる。
しかし、その妬みや僻みを肥やしにしてアーサーは自己的にジョーカー化している訳では無い。
同じ様に考える周りの人々が、世界への不満が、ジョーカーを表舞台へ押し上げている。そうこの映画では感じるのです。
周りが共感が出来る。だからこそ、ジョーカーがヴィランなのに愛されるのでは?とこの映画で再認識させられました。
ロバート・デ・ニーロ扮するマレーとのクライマックスシーンは特に良かったです。TVならではセンスも有り。
イジリを勘違いしてイジメを行っている奴らはゾッとするでしょうw
褒める事ばかり書きましたが、私星評価はまずまずです。
アーサーの不幸話に面白みや深みが足りないし、もっと周り(隣人のシングルマザーなど)が絡んでも良かった気がします。
また、ラストシーンは右側の窓を爆破でぶっ壊して頂きたかったから。(ああいう妄想ラストだっただけに。)
ジョーカー&バットマンシリーズ好きは楽しめると思います。
評価高すぎ
その硬貨な喜劇を、受け入れろ。
一人の人間がジョーカーという男になるまでの過程を、とにかく、重く、ゆっくりと濃厚に描いていく。
下手なホラー映画より数倍強烈です。
ホアキン・フェニックスの演技がとにかく、とにかく、とにかく秀逸。(大事な事なので三回言いました)
狂気じみたそのカタチにただただ圧倒される。
鑑賞後は他の人が声をあげて爆笑しているのを周りで聴くだけで、少し背筋が寒くなる感じを受けます。
展開はとても先が分かりやすいストーリーになっていて、途中(先の展開が分かっているだけに)立ちたくなる場面が何度かありましたが、頑張ってこらえました。
音楽もとてもいい。コントラバスかな?低音のテーマが良く響き、ストーリー展開にとてもマッチします。
-0.5としたのは、とにかく日本では流行らない作品だろうと個人的に思ったこと。
まずひとつに、後半になるにつれ、凄惨描写増えていきます(私はそれで立ちたくなりました)。耐えられるかな、という感じ。
また、人と同じを好み人に合わせやすく、人と異なるを特に嫌う国民性的に、ジョーカーというヴィランに登り詰めるアーサーの人間性はとても異質に感じられると思います。共感できれば最後まで見続けることは可能かと思いますが、そもそも共感ができるところからがスタートラインになりそう。
あとは、1日の終わりに観たほうがいいってことかな。
少なくとも、1日の初めに観るものではないです。頭の思考と元気指数がモリモリ持っていかれます。
馴染めなかった
ようするに全て「ジョーク」だと
僕の理解が足りてないのかも知れないがタイトルの通りに理解した。正体不明の突如として存在していた人々を魅了し世間の価値観を揺さぶる悪のカリスマ……そんなJOKERなんてものは無い(居ない)んだと。笑い話、お伽噺なんだと。
……うるせー!わかっとるわい!犯罪にカッコいいもクソもない、人を殺すということなんて尚更そう。「作品」になんてなりゃしない、ドロドロとした感情が渦巻くドス黒いもの。他に比べようもない重たい行為。そんなこと十分わかってるよ!わかってるけどよ、JOKERに生きる力を貰ったやつ、そう俺も笑い話なのか?俺だけが特別じゃねーだろ、俺だけじゃなく他にもそんなヤツはたくさんいるはずだ。そんな俺からするとこの作品は「おまえら作り手側からメタ的にそんな説明、否定はいらねんだよ!」
あっ、主演のホアキン・フェニックスは最高でした😊
暴力に酔いしれろ
精神を患う心優しい青年アーサーが、あの有名な悪役ジョーカーになるまでを描いた話。
考えうる最悪の状況が次から次にアーサーを襲い、観客の心もズタズタになっていく。
怒りと悲しみが頂点に達したとき、アーサーはジョーカーに生まれ変わる。
これだけを聞くと、そんな暗い映画は見ていても楽しくないのでは?と思うかもしれない。
でもご安心を。すべての鬱憤は、悪のベクトル方向へすべて発散される。
途中までは想像つかないが、我々が知っているあのジョーカーが登場し、どんなヒーローも圧倒するほどのカッコ良さで、あのムカつくやつらを徹底的に叩きのめしていく。
どんなに頑張っても金持ちになれない我々日本人も同じだ。品行方正に社会のルールに従うのが正義か?そのルールを作ったやつらを妬んだことはないか?
アーサーは、やりたいように生きればいいと最後に気づき、それがジョーカーを生んだ。そこに強い憧れを抱いた自分は、この社会のピエロなのかもしれない。
完璧な前日譚
JOKERのメイキング動画が初めて流れた時、
正直面白くなさそう、ホアキンフェニックスだし
意味のわからない映画になってそう、
と思ったけど、
こんなに自分の中に入って来るとは思わなかった。
とにかくホアキン・フェニックスに
魅了され支配されて圧倒される。
キャラクター物の映画って、
例えばヒーローがいて、相手役の悪役がいる事で
その中で誰が好きというのはあったけど、
ただ一人のキャラクターに心奪われるなんて
事は初めての体験かもしれない。
暴走して行く主人公に「行け!」「やってしまえ!」
と思う自分がいた。
演出は控え目のように思えたけど、
かえってそれが主人公を立たせ、
不気味で主人公を取り巻く物事が派手に思えた。
音楽もめちゃくちゃ良かった。
音も印象的だった。
完璧な前日譚、完璧なジョーカーだったけど、
今後、ホアキン・フェニックスは
我が道を行きそうだけど、
DC、バットマンはどこへ向かって行くのだろう…
見る目も完全に変わっちゃって、
これからどうやって見れば良いか困ってしまう。
アーサーの世界、僕達の世界、そして、ジョーカーの世界
時に自分の言葉や表現が耐えられないほど不足していると感じることがある。
この物語を言い表そうとしている今もそうだ。
この作品を観る前に、気になって海外の映画評を検索して、すごく印象に残るものがあった。
そして、観た後に、これほど、アーサー/ジョーカーを端的に上手く表現したものないと感じたので、ここに紹介させてもらいたい。仮に、これを事前に読んだとしても、決して邪魔にはならないと思う。
(映画チケットサービス関連サイトFandangoの、Erik Davis氏のツイッターから)
アーサー/ジョーカーは「内面(心)が死んで初めて生き始めた、虐げられた男だ(an abused man who doesn't start living until he's dead inside)」
アーサーの心は、映像のバックで奏でられる、スローで頭にギーギー響く音楽や音のように、ゆっくりゆっくり、そして、何かにギューっと押さえつけられるように、深みに落ちていくように死んでゆく。
アーサーの世界は、僕達の世界だ。
弱者や異端者を痛めつけ、暴力に溢れ、欺瞞や偽善が世の中を覆い、愛する人や信頼する人、尊敬する人でさえ裏切りをする。
母親も、そして、自分自身も、自分を偽っていたじゃないか。
ジョーカーが言う。
これは悲劇じゃない、喜劇なんだ。
悲しいのに、おかしくもないのに笑ってしまうアーサー。
道化師(クラウン/ピエロ)のメイクは笑っているが、一筋の涙を一緒に描くではないか。
矛盾だらけの世界は、僕達の世界と同じだ。
僕達の世界の良心は、もう既に死んでしまったのかもしれない。
もしそうであるならば、僕達の世界はジョーカーが俯瞰して見た世界と同じだ。
作り笑いでもして、達観できないと生きてゆくのは難しいのだ。
遠巻きに眺めている程度がおすすめだ。
でも、この世界は向こうから、こちらに迫って来る。
ジョーカーが僕達の耳元でつぶやいている気がする。
努力?
冗談でしょ。
優しさ?
うそでしょ。
平等?
何それ、初めて聞いたよ。
悲劇?
いやいや、これは喜劇だよ。
一緒に演じてみないかい?
血糊の足跡が、このジョークの未来への標だ。
これが、壮大なジョークであることを願わずにはいられなくなる。
※ 丸の内ピカデリーのドルビーシネマのオープン初日の深夜上映で鑑賞しました。
ドルビーシネマはすごいです。システムの宣伝でも流れますが、黒が美しく、他の色も鮮明で、ある意味3Dより、迫って来る感じがします。
機会のある方は是非。
言葉が出ない
完璧です。
狂気に満ちた悪のカリスマ・ジョーカー。彼が何故生まれ、何故笑い、何故ピエロでいるのか。笑顔の仮面の下にあった初めて知るジョーカー誕生の経緯に胸が締め付けられ、孤独な男の苦しみに震え、あらゆる瞬間に涙が溢れましたが、この涙の理由は説明が難しい…。様々なジョーカーの姿、台詞、表情が脳裏に焼き付いて、まだ錯乱状態です。
細部まで練られた巧みな脚本、緊迫感と狂気、そして哀しみを蔓延させる音楽、バットマンの時代とは異なる背景により荒んだゴッサムシティ、そしてホアキン・フェニックスによる圧倒的なパフォーマンス。全てが完璧です。
特にホアキン演じるジョーカーが、物凄い。内に秘めた狂気とエネルギー、神経まで研ぎ澄ませて創り出される表情、あの笑い声、そして一人の孤独な優しい男だったアーサーの僅かな希望が残る目。ガツンとやられました。何も言えません…ただただ、圧倒的でした。
そしてジョーカー誕生の物語は、ジョーカーらしく、フェイクとリアルが入り乱れ、どれを真実と捉えるべきか一筋縄ではいかないのもまた凄い。彼に弄ばれているようで、でもやっぱり真実らしきものが色濃く見えて、なんとも魅力的。
とにかく、とんでもない映画でした。
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