ジョーカーのレビュー・感想・評価
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救いようがない
期待通りの作品でした。が、見終わった後はそこまで絶賛されるほどか?という気もしましたが、楽しめました。
自分はとにかくホアキンフェニックスの演技と、徐々に変わっていきジョーカーらしい歩き方や踊りになっていくとこが良かった。
全編通して希望からの絶望、正気からの狂気へと変わっていくアーサーがよく描かれているなと思います。
あの時、拳銃を貰っていなかったら…。
あの時、母親の手紙を見ていなかった…。
あの時、番組に自分のスタンドアップショーを取り上げられていなかったら…。
そう考えずにはいられない。
ジョーカーはそこにいる
ピカレスクというものが苦手だ。
ぬくぬくとした人生を送っているので、理不尽な悪意というものが苦手だし、善人が止むに止まれず堕ちていくのをみるのは、胸が詰まってしまう。
でも『ジョーカー』は違った。
抑圧され鬱屈したアーサーがジョーカーとして花開くとき、アーサーの魂の解放を感じ、むしろほっとしたような気持ちになった。背徳的な快感があった。異様な高揚感があった。ジョーカーという好きなヴィランの物語であるのも大きいと思う。
暴力に賛成するわけではない。
でも、満員電車に乗って潰されそうなとき、つまらない仕事を淡々とこなすとき、大きな声に自分の意見をかき消されると思うとき、自分の中にジョーカーが燻っているのを感じる。
精神的に"ジョーカー病"に感染させるウイルス
トッド・フィリップス監督作品は「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」 のみ観賞済。
DC作品は、バットマン~バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲、ダークナイト三部作、ウォッチメン、DCEUの各作品、レゴバットマン、ニンジャバットマン観賞済。
バットマンアーカムシリーズ4作品プレイ済。
公開前から各地でスタンディングオベーションを受け、名作と言われているのを聞き、ハードルが上がりに上がった中での日本公開に、どんなストーリーなのかと早速観に行ってみた。
観る前に"気持ちが落ち込んでいる時は観るべきではない"との書き込みを見ていたので構えていたはずなのに、上映後は素晴らしい出来であるにも関わらずスタッフロールが終わるまで、終わってからも心にもやもやとした霧が立ち込めているような気分のまま劇場を出た。
それはこの作品はヴィランが主役の作品でありつつヴィランのジョーカーは基本虐げられる側で、"実際のヴィラン"が上流階級である政府(市長)やトーマス・ウェイン、上級国民であるって構図が今の日本と重なるところがあったからだと思う。
映画はその時に作られる理由がある、その時の政治状況を描き出す作品が多く本編に含めそういう見方もしてしまうので、アメリカ本国では公開初日に厳重警備が敷かれたらしいけど、日本で同じ処置をしない事がアメリカよりも問題を問題とも思わない、より重大な段階にいるように感じる。
前半の鬱屈とした日常の中で昇っていく階段は、背景の黒さも相まってまるで死刑台に昇っていく囚人に見えたけれど、ジョーカーになって階段を降りていく様は背景も明るく、最悪な状況とは打って変わって人生最良の日に見える良い比較のシーンだったと思う。
ジョーカーの造形としては、DCオリジンとは境遇が違うにも関わらず、シーンによってジャック・ニコルソンや故ヒース・レジャー、ジェレッド・レトなど各ジョーカーとダブって見えてしまう程の見事なジョーカーで、且つ地下鉄の殺人後のトイレでのダンスはホアキン・フェニックスのジョーカーと言えばでこれから例えられていくんだろうなと思わせる鳥肌の立つ素晴らしい演技だった。
ジョーカーのオリジンに関してはMARVELがマルチバースを扱ってるのと同じくDCもマルチバースなので、これが正史ってよりもある世界軸のゴッサムシティではこんなジョーカーもいたのかも知れない…位の認識だった。
アーサー(ジョーカー)がブルース(バットマン)と兄弟+αって設定は今までの作品内では光と影の様な存在としての描かれ方はあったもののこの設定は新鮮で、且つこの設定なら後々の二人の関係性が強固になる、今まで見たDCの映像化作品の中で「ダークナイト」や「レゴバットマン」と一二を争うほど素晴らしい設定だった。
劇中でチャーリー・チャップリンの「モダン・タイムス」や、その中で使用されている「Smile」を引用しているのを見て調べてみると、80年近くも経っているのに関わらずテーマ性は重なる部分が多く「Smile」の歌詞もまるでジョーカーの為に作られたんじゃないかと思うほどピッタリなことが、人類が同じ過ちを今この瞬間も繰り返していると感じさせる。
観終わって一週間経った今も、ふとした瞬間に「Smile」が頭の中で流れ、ふとした瞬間にアーサーの特徴的なダンスの様な動きをしそうになる自分に気付くと自分がジョーカー的思想に頭の中を侵食されていく様に感じる。
この危機感を持てている今はまだ大丈夫だと思う反面、この危機感の無いままにジョーカー的思想に染まってしまう事が恐ろしいのと、その光景をジョーカーが"HAHAHA!!"と遠くから見ているような幻想に襲われそうになる。
誰の中にも「ジョーカー」はいるのかも知れない
悪のカリスマは、どのように生まれたのか。
バットマンシリーズの人気ヴィラン、ジョーカーにスポットを当て、
彼が「ジョーカー」そのものになるまでを描いた作品。
近年の映画では珍しく、吹替版の公開が無い。
その理由としては、やはり本作の印象を決定付ける「ジョーカーの笑い声」の為だろう。
吹替にした時のズレは、きっと作品そのもののズレに繋がる恐れがある。
それ程に、主演のホアキンの演技は凄まじい。配給側の英断とも言えるだろう。拍手。
本作の大きなテーマの一つとして、
純粋な悪意は、本人にとっての真実。と言ったメッセージがあるように思う。
主人公のアーサーは、一つずつ、自身の手にしているものを奪われていく。
タイトルロゴの出方、オープニングシーンは、正に「奪われるもの」を象徴するカット。
あまりにも格好良いロゴの出し方だ。
生活の中で、自身の「突発的に笑ってしまう」障害と闘い過ごしながらも蔑まれ、
信じていたものや、信じたいと思ったものが崩れていき、
彼自身のみが残った時、心のままに生きた時、どのような思考になるのか。
どのような行動を取るのだろうか。
最初から壊れていたのか。
それとも、奪われて、失った事で、己のみの正しい姿を見つけたのか。
人は、もしかしたら最初から壊れていて、
それでも社会や周りとの繋がりによって、
世界の価値観による「正しさ」の上を歩こうとしているのかも知れない。
彼自身が元々障害を抱えている為、真実と虚構が混じる為、
本当に奪われているのかも分からない。
しかし彼は奪われる。全てを失う。最後には自ら手放して、そして「笑う」。
その繋がりを失った時、本当の人間と言えるものが現れるのだとしたら。
そんな事を考えさせられる作品でした。
何より、ラストシーンの暴動のカットは、
アーサーの主観を通してみた世界では、
あんなにも暗く汚いゴッサムとは比べ物にならないくらい美しい。
その感情の動きが純粋と呼ばれるのなら、
きっと誰の中にも、やはり「ジョーカー」は存在するのかも知れない。
余談だが、
本作を観るに辺り、やはりダークナイトは避けて通れない。
明らかにダークナイトのヒース版ジョーカーへのリスペクトを感じるシーンがあり、
ジョーカーと言う「悪意」への制作側の熱を感じる。
何よりも、バットマンシリーズを触り程度でも知っているだけで、本作の世界観にかなりの奥行が生まれる。
逆を言えば、界隈の常識を使ったネタが多い為、バットマンをまるで知らない人は、若干なりとも世界感の観点で飲み込みが遅れてしまう。
ただ、ダークナイトは面白いが……ビギンズがツマラナイから……。
ラスト前で、バットマンでフィギュア化もされている某有名シーンもきっちり入れるあたりも、ファンサービス色が強い。
本当の意味で楽しむために、最低でもビギンズ・ダークナイトの5時間視聴をお勧めする(内2時間半は苦行だろうが……)
見た後は疲れる(いい意味で)
ダークナイトのジョーカーとは別物かな。。
狂った世間では狂うしかない
何かとヒース・レジャーと比較されがちなジョーカーという役でしたが、今回は"後にジョーカーになる男"の物語だったので、あえてそこを狙ったのは上手いなーと思いました。嬉しかったのは、しっかりバットマンの世界観の中の出来事なんだなって随所に溢れる感じが良かったです。
ただただ哀しく、そしてなぜか共感してしまうストーリー。現代のストレス社会を生きる私達には通づるものがあるかもしれません。
決して最初から悪ではなく、なんなら一般人より良い人間だったんじゃないかと思う主人公アーサー。それ故、自ら悪人になったのではなく、悪人にならざる得ない世間が悪く見えてしまう。アーサーの純粋な人を笑わせたいという感情は汚い世間では通用せず、結局皆が歓迎したのは"ジョーカー"だった。なんとも皮肉なラストでした。
映画単体なら傑作。ジョーカーとしては駄作。
鑑賞後とても悩む
期待していただけに
一言でいうと、合わなかった。
途中で、眠たくなってきたし、ジョーカーのやっているとこと、妄想の区別が分かりにくい。そう作ってるんでしょうけど、、、。
マレーの番組には、出て、マレーを殺したんですよね?
あれも、妄想かなとか思っていて、ジョーカーの変化。妄想から現実への転換もいまいちでした。
さらに、民衆が支持した理由もよくわかりませんでした。
電車で殺した嫌な社員もウェイン産業と関連させる必要もないかなとか。少し落ち着いて、年齢考え考えたら、子供違うとわかるやんとか、完全に病んでるだけと感じました。
今後、バットマンと戦う相手として、楽しみに思えなかったのも、残念でした。
俳優さんの演技は素晴らしいけど、脚本は好きになれなかった。そういう映画なんですね。
善悪とは何かを問う、危険な問題作
善とみるか悪とみるかのバランス
映像★★★★★引きと寄り、ピンとボケなどメリハリ効いてる。色彩・明暗、良い。そしてなんと言ってもジョーカー。えんじのスーツ、ガリガリの体、ダンス、決まってるー。
音楽★★★★★7.80年代のアメリカとアーサーの鬱な感じ、悲劇と喜劇のメリハリが効いてる。歌詞の読み込みも推奨。
内容★★★★★ジョーカーと社会、善悪のバランスが絶妙。観る人それぞれの価値観を突きつける。いま、現代に生まれたことでさらに価値ある作品。この映画によって本物のジョーカーを産み出してしまうかもという不安はそれだけ社会の状態が不安定である(と自分がみてる)証拠。香港の射撃事件とダブるのも見事。
全体的に高水準でバランス良い!隙のない感じ。
めちゃくちゃカッコいい。
このピエロというかクラウンというか、白塗りに目元口元のメイク🤡考えた人天才。
すごく元気になった。ジョーカーからパワーを貰った。
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クラウンに涙のマークを足すとピエロになるんだって。馬鹿にされながら笑わせているが、そこには悲しみの意味を持つということを表現している。とな。まさに涙だったねー。
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#映画#観賞記録#joker#smile#WeAreAllClowns
誰にでもある妄想の世界
ただただ暗く、意外性の無い凡作
期待した程の内容ではなかった
公開前にハードル上げ過ぎ。傑作ではあると思う。
この映画には不寛容や無関心、無責任というテーマがあるように思う。責任が求められるべき立場、地位にある人達が責任を全うするべき人々へ無関心で責任を全うしようとしないもしくは全うできるだけの能力が無いから社会が不寛容になり悪くなるんだよと言われているようで。
自分達が無自覚の内に生み出した悪をいくら断罪しようが虚しく聞こえるよね。まるで自分でネグレクトした子供が大きくなり親に仕返しするとそれは良くないと言っているような感じを受けた。
皆、他人からの責任放棄に苦しんでいる。現実だってそうだもんね、責任あるべき立場の人が誰も責任を取らずその責任を下位の者に押し付ける。無責任社会だよ。この映画よろしくいつか破綻するね。
ジョーカーはジョーカー自身が体現できる無責任を表現しただけ。皆の真似をしただけ。
その真似をするのに精神を壊す必要があった。これは強烈な皮肉だよ。普通が壊れているって事。
メッセージ性が強く、美しい。
全てが美しかったです。とにかく美しかった。
あとジョーカーの思想には深く共感しました。
「善か悪か、決めるのは個人の勝手だ」という発言は、この世界の確信をついていると思いました。
悪評をしている人の中に、人殺しには共感できない、という人もいますが、それ自体を悪と定めているのも、貴方の勝手なのです。本質的に善のモノも悪のモノもこの世には存在しません。社会倫理的にどうたら、といわれても、社会の倫理なんて個人が集まって共感者多数から作り上げられた常識と言う名のテリトリーです。枠の外に住まう人ももちろんいます。そいつらを人は悪と罵るのです。
ちなみに、ここまでの感想も僕個人の勝手なのです。感想なのだから当たり前っちゃ当たり前なんですけどね。
この映画で改めて気付かされたこと、それは人は皆常に自分勝手だと言うことです。
誰かを助けるのも殺すのも自分の意思、自分勝手。全てはそこに収縮します。大多数が良かれと思うことは正義の名のもとに擁護されます。
この世は多数決です。最も合理的だがどうしようもならない問題点ももちろん存在する。この世は欠陥だらけだ。
この世界の闇の本質をスーパーの袋詰めセールの強欲な主婦並に詰め込んだ作品だと思います。
色々と考えさせられます。是非。
感化されてもやむなしという感じの映画
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