劇場公開日 2019年10月4日

「エリート層の格差是正を目指す努力がなければ、社会秩序は守れない。」ジョーカー にっしんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5エリート層の格差是正を目指す努力がなければ、社会秩序は守れない。

2019年10月21日
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鑑賞方法:映画館

ジューカーの出現には、必然性があると思った。監督ドット・フィリップスは何を伝えたかったのかを僕は考える。描いたのは、ギリギリに生きている障害のあるコメディアンの悲哀じゃない。社会の底辺で努力している人間を凶悪な殺人者に変えたのは誰なのか。真っ当に生きることができなくなった社会は、すべての環境をジョークなのかと自分を騙すしか、明日を迎えられない。似たような社会情勢が今でもあると思う。いつの時代だって、格差の不満から秩序は壊れていく。この映画からそんなことを感じた。笑いたくなくても顔が笑ってしまう悲しさは、最後の精神病棟での追いかけっこに救われた気がする。この映画もう一度観てみようと思った。

にっしん