劇場公開日 2019年10月4日

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「もう一度観たい!」ジョーカー 猫柴さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5もう一度観たい!

2019年10月21日
iPhoneアプリから投稿

主役のアーサーはガリガリで皺だらけの顔。
みすぼらしく、突然笑い出す様は薄気味悪くも感じる。

白く、汚いブリーフで髪を緑に染め、上機嫌に踊るシーンは不気味だ。

しかし嫌いな奴を殺したあとに
ピエロのメイクで派手なスーツを着こなし長い階段を踊りながら降りていく姿はゾッとしながらもカッコ良いのだ。
まさにそれがアーサーがジョーカーになった瞬間であり
ホアキンフェニックスの演技が鳥肌ものだ。

繊細で悲しい悪のヒーロー。
映し方も真正面からのカットが多く
所々にずっと前にみた『タクシードライバー』を思い出した。
デニーロが出ているのも影響あるのかな?

重く暗い映画だけど演出や音楽にもセンスを感じる。

あの子、泣かないのよ
と母親に言われたアーサーだが
映画の中では何度か片目から涙を一粒流す。

思うように泣けず、笑いたくなくても笑ってしまうアーサーは涙メイクのピエロそのものだ。

救いはどこにもなく、
あるとしたらジョーカーとして生きることだけなのだろう。

もう一度、細部までじっくりとみてみたい。

猫柴