「笑わせる者と笑われる者」ジョーカー かやはさんの映画レビュー(感想・評価)
笑わせる者と笑われる者
「笑いは秩序の破壊」という言葉を思い出した。
規律や常識を破壊が笑いを引き起こす。だからこそ、誰かを傷付ける可能性も孕んだ諸刃の剣である。
笑わせる快感と笑われる屈辱。
前者は観客の感情を支配する喜びを感じ、後者は観客の感情のための奴隷としての苦しみを味わう。
哄笑は、泣き叫んでいるよりももっと悲惨な状況を訴えかけてくるものだということがよくわかった。
自分が幸福になるために人を不幸にする構造は、人を悪に導くための構造でもある。
小石を何個も何個も進む道に置かれているような感覚。
何度も何度もつまずかされボロボロになっているのに省みられることがないのならば、そんな世界を恨んで当然だろう。
小石を取り除くことができる人々は、そのために注力しなければならないのだ。
それは巡り巡って自分が所属する世界を整える結果になる。
だから、人には優しく接しよう。心からそう思った。
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