劇場公開日 2019年10月4日

「後半に魅せる狂気のダンス」ジョーカー TOKIESさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5後半に魅せる狂気のダンス

2019年10月18日
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なぜ悪人になったかを描く映画は、大抵肩透かしを喰らうが、これはおったまげた。

ジョーカーの心情の変化を見事に描いている。陳腐さがなく、悪のヒーローの誕生に心が鷲掴みにされた。

あらゆる不幸を味わった末にたどり着いた彼の幸福観に、ある種のカタルシスを感じる。

悪にはあらゆるものを破壊する力があり、カオスを生むと同時に、旧態依然な社会に希望をもたらす存在でもありうる。ジョーカーの存在は単に共産主義を肯定するものではない。この腐った世界に一石を投じる気狂いピエロなのだ。

TOKIES