「後半に魅せる狂気のダンス」ジョーカー TOKIESさんの映画レビュー(感想・評価)
後半に魅せる狂気のダンス
なぜ悪人になったかを描く映画は、大抵肩透かしを喰らうが、これはおったまげた。
ジョーカーの心情の変化を見事に描いている。陳腐さがなく、悪のヒーローの誕生に心が鷲掴みにされた。
あらゆる不幸を味わった末にたどり着いた彼の幸福観に、ある種のカタルシスを感じる。
悪にはあらゆるものを破壊する力があり、カオスを生むと同時に、旧態依然な社会に希望をもたらす存在でもありうる。ジョーカーの存在は単に共産主義を肯定するものではない。この腐った世界に一石を投じる気狂いピエロなのだ。
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