「グロテスクな孤独」ジョーカー だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
グロテスクな孤独
バットマン見たことないですが、評判の高さにつられて見てきました。
ラストでお面ピエロに両親殺された男の子が、のちのバットマンなんですよね?多分。そこはピンときましたよ。やるね、あたし。ブルースくん?だったかな。
アーサーがジョーカーになった境目はおそらく母(養母)を殺した瞬間かなぁと。
アーサーは愛されたかったんだと思います。母に、父に、誰かに。
愛されたくて、できることは頑張った。少なくとも母には。
なのに、実は養母で、ネグレクトされ虐待されていて、そのせいでアーサーにも重い精神疾患がある(とあたしは解釈した)。必死で愛される未来を夢見て生きてきたのに。事実を知ったときには、絶望しか残ってなかった。こんな悲しい話ある?捻れて捻れて悪のカリスマになっちゃったとして、責められる?
ジョーカーになって、マレーの番組に向かう途中、階段を踊りながら降りるシーンがありますが、最高にカッコ良かったです。ニューヨークにある階段らしいですが、行ってみたいなー。あんなに足上がらんけど、ボーダーの靴下履いてポーズ取りたくなりました。
関連作との繋がりとか、キャラの矛盾点とかは、ぜーんぜんわかりません。独立した1つの映画としてみると、孤独な男の顛末が、グロテスクだけどシャープな印象で描かれていて。見応えがありました。
ホアキンね、ウディアレンの映画とかではなかなかにメタボなボディだったのに、かなり絞ってて、しかも筋肉つけずに痩せてるから、背骨のボコボコとかめちゃ目立っていて、造形だけで悲しげな男を表現してまして、凄いなぁと思いました。
笑いが止まらない病気って、辛すぎるよね…
ミーハー発揮して見に行ってよかったです。