劇場公開日 2019年10月4日

「今回のジョーカーは、悪なのか?解放者では?」ジョーカー ミラーズさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0今回のジョーカーは、悪なのか?解放者では?

2019年10月5日
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鑑賞方法:映画館

全てにおいて悲惨な仕打ちと人生を受けたコメディアン志望の男が、扇動者として悪の道に落ちる。

アーサー(のちのジョーカー)が富裕エリートのやな奴らを、地下鉄内でブッ殺すところは、奇妙な爽快感があり、大富豪のトーマス・ウェイン(バットマンのブルースの父)側もあまり同情出来ないので、貧困層のデモの中でシンボルと化すジョーカーが、悪では無く、今の極端な格差社会に報復を唱える解放者に見える確信犯的な作り。

ホアキン・フェニックスの演技も凄いが、個人的には、舞台となる70年代末風のニューヨークとシカゴを合わせた景観のゴッサムシティを捉えたリアリティーがあり荒廃した雰囲気あるとても美しい撮影が、全編に渡ってともかく素晴らしい。

製作された社会情勢や時代を振り返って語られる傑作誕生だと思う。

もし続編が作られるならブルース・ウェイン役は、製作もしているブラッドリー・クーパーでぜひ。

ミラーズ