ボーダー 二つの世界のレビュー・感想・評価
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底知れぬ怖さを感じる
本作品の「ボーダー」という言葉には複数の意味合いがあると思う。ひとつは文字通りの国境という意味で、主人公は税関職員の仕事をしている。もうひとつは隠された意味合いで、主人公は実は二つの世界の狭間に存在している。 人間にとって言語を理解し使うことは、人間としての尊厳を確立するための最重要な条件である。他人の言葉を理解せず、言葉による表現もできない人間は、場合によっては人間扱いされない。逆に見た目が完全に犬であっても、言葉を話し理解すればその人格が認められる場合がある。携帯電話の某キャリアのCMがいい例だ。 本作品の主人公ティーナは怪異な見た目ではあるが特別な能力があることで税官吏になれた訳だが、少なくとも言語を理解するから人間扱いされているのであって、もし言葉ができなかったら警察犬並みの扱いであっただろうと考えられる。 何も説明せずストーリーの上で徐々に真相を明らかにしていく手法は見事で、ミステリーとしては上出来の作品だと思う。ジョン・カーペンター監督の「ゼイリブ」という映画を思い出した。日常的で当たり前に見える光景も、ひとたび仮面を剥がせばその下には異形の存在が隠されているかもしれない。 映画を観ている間はそれほどに感じなかったが、終わっていろいろ思い返すと、この作品には底しれぬ怖さを感じる。大音響と映像で驚かせるハリウッドのホラー映画とはまったく違った、本物の怖さというか、現実にあってもおかしくない怖さである。結末も真相もすべて観たにもかかわらず、思い出すと怖くなる作品は滅多にない。もしかしたら大変な傑作ではないかという気がする。
ファンタジーをあえてダークに?
何を書いてもネタバレになりそうだけれど、「シェイプ オブ ウォーター」を彷彿とさせる?展開。 まさかのファンタジーでしたが、そういう世界観か〜 ある意味、悪と善との闘いのような、良心を問われるところも描かれているけど。 彼女が周囲に排除されてきたわけでもないのが何よりもの救いで、友だちやその夫は彼女を受け入れていたのかな。 同種と会うとホッとするだろうし、でもやり返しでは何も解決しないし。 何より両親の真意を彼女はどう思ったのだろう?すべてを知っていて、受け入れた両親に育てられたから、今の彼女があるのかな。 誰も傷つけたくない… その言葉が重たいな。
なにを観せられているのか
なにを観せられているのか理解不能、共感不能… なかなかない体験でした… 久しぶりに映画の緊張感に負けて眠くなる体験をしましたし、2010年のとある北欧映画を当然のように思い出しました。 たまにはこういうの良いよね。
ミステリーかと思ったら伝奇ものでした。
ネタバレしないように、と情報を絶っていたのが裏目に出て、想像と違うものが… 意外でしたが、人間社会の中での異質なものと、自然界の中での自然な(人間の目にはそれが異質に映る)もの の対比が面白かったです。 パンズ・ラビリンスがお好きであれば。
日常の緊迫
うーん、正直わからない; 意味がわからないのでなく良さがわからなかったです。 衝撃を覚えるでもなく、生命や社会を感じるでもなく…うーん。 ひとつの事実を鑑賞前にネタバレしてしまったのも大きいかもしれません。 明らかにナニかかおかしい空気なのに、意外とそれほどおかしな事が煽らない空気は好きでした。 言うなれば日常の緊迫。 主人公の顔が自然にも都会にもナチュラルに馴染んでたのは面白い。 驚くほど違和感がない映画の世界。 彼女たちがイマ地球のどこかの住んでるような錯覚も覚える。 あとスタッフロールのアンビエント・ドローン気持ちよかった〜。 昇天してまう。
ネトッとした余韻に浸れる稀有な作品かとw
予告編を観て、興味が湧き、なかなかタイミングが合わなかったけど、やっと鑑賞しました。
で、感想はと言うと、…なかなか難しい感じですが、ネトッとした余韻が残る作品でw、パンチもあり、北欧映画特有(個人的に感じます)の閉鎖感が漂い、全体的に同じカテゴリーに入る感じの「シェイプ・オブ・ウォーター」を観た時と同じようなインパクトがあり、ミニシアター系のちょっと変わった作品で、こう言った作品を観賞した満足感はあります。
結構ガツンと来て、面白い・面白くないと言う話では単純に片付けられないし、主人公のティーナの容姿はインパクトがあるし、中盤辺りからの様々な描写が結構エグい。
ファンタジーと言う言葉から連想するイメージからは結構程遠い感じ。
好みは分かれる作品かと思います。
ダークファンタジーミステリーと言うカテゴリーで良いかと思いますが、いろんな物が生々しく、それでいて種としての在り方や存在意義や本能。根本的な物ではマイノリティーの本質も問うてます。
様々な感情を嗅ぎ分ける異形の容姿のティーナが事件を解決しながら、自身の出生や秘密に迫っていく様なストーリーかなぁ〜と思っていたら、あながち間違ってはいないけど、いろんな事件の解決は程々でw、ボーレの登場辺りから、ガッツリと自身の立ち位置や生き方、トロルとしての苦悩、この世界との共存について割りと確りと描かれています。
虫やミミズを食べる描写は割りとエグい感じだし、ティーナとボーレの性交シーンも人間での男女の特徴が入れ替わっていて、生々しくもショッキング。
特にボーレが出産するヒルシットと呼ばれる赤子を出産するシーンはインパクトがあります。
本来のトロルの性別や身体的特徴はそうなのかも知れませんが、ティーナもボーレも容姿がたるんたるんでw、違う意味でインパクトがあり、…美しくないんですよね~w
全裸で森を駆け回るシーンや池での沐浴なんかも動物映画みたいで、そこを気にしだすと、ティーナは気の強いオバちゃんで、ボーレは変り者の変なオジさんに見えだしてしまいますw
そういう作品ではないんですが、いろんな事にインパクトはやっぱりありますw
この辺りがこの作品の好みが分かれる所かと。
難点があるとすると、空港税関員として働くティーナが持ち前の嗅覚で様々な事件を解決していくと言う点が少なく、ティーナのトロルとしての出生や秘密の件が後半は多く占めてた点。
異形の容姿の為、様々な迫害を受けてたティーナですが、空港税関員として働く姿は同僚や近所の住人とも普通に接しられていて、特異な能力で一目置かれる存在で警察の特殊捜査にも依頼がくる程で、犬飼いの同居人にも営みを求められる事もあるし、どちらかと言えば、表面的なだけかも知れませんが、迫害を受けてる感じではなく、むしろ必要とされてる感じです。
勿論、容姿から距離を置かれる事も多々あるかと思いますが、迫害を受けたり、疎外されてるシーンが殆ど無い事で、逆にティーナの苦悩や魂の高貴さを感じさせる共感が薄くなったかと。
あと、性交シーンでティーナの股の間からニョキニョキと出てきたぺニスやヒルシットの造型はちょっとチープな感じでなんか興醒めですw
ティーナはトロルでありながら、人としての心を持っているけど、自身の本能のまま、人間界でトロルとして生きようとしている。
ボーレはトロルとしての本能に従い、人間界で生きる為に手段を選ばない。
トロルと言うファンタジー世界の異種ではなく、いろんな点が少し違う(大きく違う点もありますが)だけで、人としてのカテゴリーに属するのであれば、小民族の民として生きるトロルの民の二人は互いの倫理観の違いだけで、人間界で順応しているティーナは人としての価値観を持っているからこそ、結局ボーレとはそぐわないが、ボーレから送られてきたトロルの赤ん坊を育てる事で人の世界でトロルとして生きようとしている。
このラストは真理かも知れませんが、結構来る物があって、観る側にいろいろと考えさせられます。
トロルと言うと、有名な「ムーミン」を連想しますが、個人的には2012年の怪作「トロール・ハンター」を思い出しましたw
劇中にフィンランドに流浪の民として少数のトロルがいると言う台詞がありましたが、北欧の地にはなんとなくいてもおかしくない様なイメージも雰囲気もあり、そんな事を思わせてくれる稀有な作品でもあります。
興味があって、未観賞の方は機会があれば、如何でしょうか?
変な感じの余韻に浸れますよw
私は異質だった。自分が何者か妄想していた。
自分が周りの人間とは何かが違うことはとっくに気付いていて、それはただの障害なのかなんなのか、だけど他人にはない異能は自分を認めてもらえる才能であるし、現に成果を上げ認めてもらっている。・・・ そんなモヤモヤな気分のティーナの前に現れた、同類の臭気ダダモレのボーレ。 この展開で予想するのは、ホラーしかない。実際、R18指定に相当するグロい表現もある。 しかし、最後に残された感情は何と言っていいのだろう。知らず知らずに自分も関与していたような罪悪感、か。まるで彼ら”トロル”は、人間界に紛れ込み、人間の子として育てられた鬼だ。だけど、けして鬼=悪魔ではない。それは人間側が作り上げた”憎むべき敵”という虚像なのだから。日本においては奈良平安期の蝦夷がそうだ。そして、「桃太郎」における鬼もそう。芥川龍之介「桃太郎」の鬼をみればいい。狡く憎むべきは、鬼ではなく、桃太郎だ。ほんとうは平和に慎ましく暮らしていた鬼の世界に、土足で踏み込み彼らの財宝を奪い去った桃太郎は、彼等にとっては極悪人でしかない。同じ感情をボーレが持ったとして、なんの不思議があろうか。
凄い映画を見た
醜い外見のせいで孤独な生活を送っている税関職員の女性が、共通点を持つ男性と知り合って…、というあらすじから、当初は社会的弱者を描いた話かと思いきや。男性と女性、人間と動物、野性と理性、自然と文明社会、現世と異界など、2つの世界のボーダー=境界線を行ったり来たりする話。
主人公は人と少し違うとは言え、施設に入っている父親と話す時は普通の女性のようだし、職場では自分の優れた能力を発揮して同僚からも認められているが、その男性との出会いによって出生の秘密を知ることとなり、安定した生活が揺らぎ始め、同時に自分の中で何かが目覚める。
ヨーロッパ映画の中には眠たいものもあるが、変わった話の割にはストーリー運びが分かりやすい。むしろ、北欧でなければ作れない映画である。
良い映画の誉め言葉として、好き、面白い、楽しい、感動する、興奮する、など色々あるけれども、この映画の場合は「凄い」。年に1,2本しか映画を観ない人は他の映画を選んだ方が良いのかもしれないが、決して観て損はないはず。
普通の人間とは異なる世界に浸った
醜く生まれ、まわりと一線を画して生きる主人公。動物のような嗅覚を持ち、どう見ても普通の人間ではない。 そう、極めて動物的。生殖器も異なり、男女のモノが入れ替わっている。人間から見たらグロテスクな容姿も、彼らにとっては「完璧」だった。 異様な世界観に圧倒され続ける異色作。重苦しい空気も独特でゾクゾクしながら観た。マイノリティーの孤独と悲劇をデフォルメしたような秀作だ。
R18+にしなくてもねぇ
ムーミン伝説のある北欧の土壌が生んだ映画で、人類が今抱えるそしてこれまでに犯してきた色々な諸問題が暗喩として複雑に含まれる映画かと。 「トロル」の二人の外観は尾っぽがある類人猿といってよいでしょう。体毛は薄いほうです。性器は半陰陽(雌雄両方ともある)。二人が交わる場面で、外見は女性型の主役の股間から、ぶなしめじのようなぺニスがニョキっと出てきます。外見が男性のほうは自ら森でぺニスをナイフで切り落とす場面がその前にあり、港の税関で身体検査した男性職員が、股間はツルツルで非常に気まずかった。と、ティーナに話す場面があります。その後、胎児のような子供を生むので、基本的に外性器は両方あり、内性器には子宮があるものと思われます。時や相手によって、心も体(性器)もトランス可能であるものと思われます。便利!というか、ジェンダーの問題も網羅しています。主役のティーナの方が怒ったときは性格もワイルドで、男っぽい。年老いた育ての父親から秘密を聞いた時も非常にワイルドに反応します。 人間によって囚われて、殺されたり、施設で人体実験や臓器移植に共され、種の絶滅の危機にある動物とヒトの間。 歴史的に繰り返されてきた侵略による民族の滅亡やさまざまな人種差別を思い起こさせます。世界で最初の心臓移植はヒヒからヒトへの移植でした。 特殊メイクも俳優さんの表情がわかる程度で、とくにティーナ役の女優さんの目元には理知的な感じが残っています。眉の盛りと目を小さくすると、ああゆう顔になります。実際、そういうひとはまれに見かけます。中学の数学の先生がそうでした。確かに異形ですが、あまり容姿のことをいうと差別、蔑視が強いヒトと… 先生の奥さんはとても綺麗な美人で、美女と野獣と言われていたのを思い出しました。 トロルはヒトへのリベンジと繁殖による種族の復活を目論みます。悲しい映画です。 R18+にするぼどの暴力と性描写はないと思うのですが。性器も作りものだし。 多感な若い人が見た方がいい映画です。 おじさんが見ても、先がないんだから。
本当に醜いのはどっちなのか。
ティーナの醜い顔、臭いを嗅ぎ分ける時の鼻の動かし方、SEX(交尾)の仕方、正直不気味に感じた。
人間じゃないよね。
俳優陣の演技力が素晴らしい。
「ノートルダムの鐘」に少し似ている気がする。
人間と怪物どちらが怪物か人間か、、、、。
ティーナの心は醜くなかった。
ティーナには幸せになってほしいと願う。
それにしても最後の贈り物、、、あれは誰からなのか?
豊かなメッセージ、オリジナリティ溢れる傑作
観終わったとき、「ええー、こういう話だったのかー!」と思う、観ている間に映画の中の世界が改変される作品。
設定というか、作品が拠って立つ世界観は、いわゆるファンタジーの世界。
「ロード・オブ・ザ・リング」のような異種族が、この世界に生きていたら、という発想だ。
その容姿ゆえ、いや容姿ばかりでなく何かが決定的に異なるために、幼い頃はいじめられ、周囲に馴染めず、疎外感とともに生きてきた女性ティーナ。
それでも彼女は港の税管吏として職を得て、近所の人とも良好な関係を築きながら暮らしていた。
だが、どうあっても「どこか違う」。同居人の犬からは激しく吠えたてられるが、一方で野生のシカやキツネは彼女を慕う、というように。
ある日、税関で出会った“男”ヴォーレ。彼女は彼に惹かれ、関わりを深めていく中で、彼から、「自分たちは人間とは異なる種族のトロルである」ということを教えられる。
自然の一部として生きるトロル。例えば彼らは生きた虫を好んで食べる。
ヴォーレがティーナに虫を勧めるシーン。
初め、ティーナは拒絶する。「やめなさいよ、変よ」。
ヴォーレは言う。「変ってなんだ?」
このシーンは正直、見ていて気持ちのいいものではない。苦手な人には辛いだろう。
だが、例えば肉や魚を焼いて食べるのは「普通」なのか?
好む食べ物が違うことが「気持ち悪い」のならば、人間という種族もまた、他の種族から見れば気持ち悪い存在に違いない。
(虫を食べるシーンを「気持ち悪い」と評する感想が多いが、当然である。「気持ち悪く」描いているからだ。そう感じさせなければ本作のメッセージは伝わらない。その「気持ち悪い」と思う人間の気持ちが、トロルを迫害したのだ)
ティーナもヴォーレも、お世辞にも美男美女とは言えない。だが、その美醜を決めるのは誰なのか?
ティーナの同居人は犬をコンテストに出す。動物にさえも人間は、自分たちのモノサシで勝手に優劣を付ける。だが、当の犬から見たら、人間の付ける順位に意味などないだろう。
この映画は、初めはティーナという変わった女性の奇妙な物語のような印象を与える。
しかし、彼女が自分の正体を知るあたりから、もっと大きなテーマが浮かび上がってくるのが面白い。
例えば、現代社会の抱える民族問題や多様性の尊重、共生などの課題を本作はあぶり出す。
物語の中で、外見が素敵な人間が手を染めている犯罪のおぞましさ、その本性の醜さを、ティーナやヴォーレと対比させる演出は見事である。
加えて描かれる北欧の自然の風景や野生動物の美しさ。
身勝手な欲望を撒き散らし、自然を破壊する。本作は、この地上を支配する人間には果たして、その資格があるのか?という問いを突きつける。
そして、自分が何者かを知ったティーナの変化。
自分の人生を生きることを知った彼女の喜び。
さらに、この世界で自分はたった1人ではないということがわかった。孤独だと思って生きてきた彼女にとって、それはどんなに嬉しかったことか。
しかし、彼女は物語の終盤に決断をする。
ティーナはヴォーレのおこないを許せず、トロルとして彼とともに生きる道を選ばなかったのだ。
それは、もとより人間ではない彼女にとって、再び孤独を選ぶ道である。
だが、いまの彼女は、自分が何者かを知らなかったときとは違う。知らずに疎外されるのではなく、自身の尊厳と良心に従って、自ら孤独を選んだのだ。その選択の強さ、気高さは強い印象を残す。
そしてラストも思いがけない。
孤独を選んだティーナに、ヴォーレはある贈り物をする。
それはトロルの赤ん坊だった。
子育てはたいへんだが、その子はきっとティーナの人生に彩りを与えるだろう。そう思わせるラストだった。
これほど多義的なテーマを扱いながら、映画作品として破綻がない。安易なヒューマニズムに流れず(いや、むしろ観る側はティーナに感情移入しにくいだろう)、しかしメッセージは豊かだ。その上、オリジナリティに溢れている。こんな映画、なかなかない。
傑作である。
R18+なのは異形のセックスシーン。ギレルモ・デル・トロ絶賛!も納得の北欧ダークファンタジー
いいタイトルだと思う。
人間とトロルの間。スウェーデンとデンマークの間。
フェリー港で税関職員として働くティーナ(レーヴァ)
ダブルミーニングという意味では単なるファンタジーというだけでなくマイノリティの社会問題という見方も出来る作品になっている。
考えつきそうでありながら見たことない感じの作品。
雌雄さかさまとか無精卵?とか嗅覚で感情までわかるとか雷呼び寄せるけどこわいとか食性とか。
まずそうなパスタやったな
どんよりした色目やし淡々として見目麗しいものがでてこないので最初の方はウトウトしたけど。
児童ポルノに捜査協力することになったあたりからはもう釘付け。
大型犬3匹
キツネ
大きな角を持つ鹿(トナカイ?)
苔むす森の中と湖のなかで沐浴
黄色で派手な模様の救急車
容姿が人と違う事で悩み、孤独を紛らわせるため他人と同居していた
自らを「出来損ない」と感じていたティーナが、自分が何者かを知り同輩をみつけた喜びようというたら!
虫やミミズを食べても嫌な感じなかった。
ヴォーレの考え方に寄り添ってしまった。
デンマークでは酒が安いのでこっそり持ち込む輩が絶えないとか
スカンジナビア諸国にあってもフィンランドって別格というか別世界の扱いなんやな、ってのが面白いというか意外というか。
『ぼくのエリ 200歳の少女』と同じ原作者。
アカデミー賞®メイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートも納得。ほんまに醜い人かと思った。
スウェーデンの文化人に共通する怒りと憤り
『ミレニアム』はスウェーデンの作家スティーグ・ラーソンによるミステリー。映画ファンにとっては三部作のうちの第一作を映画化した「ドラゴン・タトゥーの女」といえばお分かりだと思います。 リスベットとミカエルの活躍に劣らず、一貫して描かれていたのは、女性への性暴力と児童ポルノへの激しい怒りと憤りでした。 東欧の政治不安や貧困につけ込んだ女性の人身売買(そこには当然のように薬漬けによる人格崩壊や権力と裏社会の繋がりなどが派生的に関連してくる)などについても描かれていました。 この作品もダークファンタジーとしての構成に絡めて、生理的に拒否反応が起きそうなレベルでおぞましく悲惨な、たぶん現実にあるような事件(※)として、怒りに満ちた描かれ方をしています。 ※007やMIシリーズなどの映画でも、ロシアや東欧圏のマフィア絡みの人身売買がよく出てきますが、そりゃお前、映画の見過ぎだよ!ということならいいのですが、実際のところどうなんだろう。 異形の者を主体に描くことで、人間の醜い部分を〝あちら側〟の心情から見せる手法は『シェイプ・オブ・ウォーター』と同じですが、異形の者の〝悲しみ〟よりも〝怒り〟が勝る分、作品のインパクトは強かったと感じました。
ムーミン
北欧にある“トロール”伝説をベースに描かれる、ダークファンタジー&異質な人達からの強烈なメッセージ性が覆う作品。表題は原作のトーベ・ヤンソンは実際の伝説と“ムーミン・トロール”との関連性は無いとアナウンスしているのだが、極東側から観れば、多分『当たらずも遠からじ』的な影響はあるだろうと観てしまう。なにせ、男?側のフォルムは“スノーク”を彷彿とさせる風貌なのでw
幻想的で自然観溢れる、まさに我々アジア人が想像するようなスカンジナビア半島観を醸し出す舞台でストーリーは展開していく。裸足で歩いても心地よい苔むす森の中、港での大型フェリーの様子、自然と調和した都市設計、そのどれもが極東の島国では存在しない澄んだ空気感を醸し出す映像である。そして澄んでいるからこそ、匂いを嗅ぐという仕草が又リアリティを以てシーンに重石を敷いている。人なのか獣なのか、尚且つ、通常のほ乳類ではあり得ない雌雄の逆転、そして鳥のように無精卵と同じような存在の赤子と、いわゆる“特殊エロ漫画”系世界観が散りばめられたアンダーグラウンド的映像に目を奪われる。テーマ自身は多様性の訴求なのだろうけど、それ以上にこの世界観の完成度の高さに親近感さえ抱く。まるでジャパンクールなソリッドステイトの設定において、共存かそれとも静かなテロルか、そんな選択肢を少数派は内在していることを表現している。さりげないネタ振りと回収も冴えていて、舞台も相俟って多分、アジア人達を知的好奇心に誘うような世界観の構築である。続編が容易に企画できそうなので、是非ともお願いしたい、そんな深夜アニメ観を醸し出す良質な作品である。
凄い映画。
凄い映画。映像が凄いし、役者も凄いし、ストーリーも凄い。特にあのラブシーンはなかなかないほどの強烈さ。細かいところでいうと、主人公が近所とうまくやってる感じ、水の中でリラックスしてる感じと後半家が汚くなっていく感じがよい。
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