アド・アストラのレビュー・感想・評価
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ブラピの現状と被る、非常に静謐で内省的な物語
SFは最もマクロな領域の話であると同時に、非常にミクロな領域の話になりやすい。 タルコフスキーがSF作品を多くとったのも、そういう意味で彼の作家性との相性が非常に良かったからではないか。 結局、静寂で孤独で果てしない闇に包まれた宇宙空間というのは、どうしても人の心理の投影になってしまうからである。 だからゼログラビティしかり、ソラリスしかり、自己の過去との対峙というテーマに行き着く。 宇宙空間は心の鏡なのだ。 今回の主人公は別れた妻のことで未だにウジウジしいる男で、父子の因果の宿命で「地獄の黙示録」的な機密事項を一人抱えた宇宙探査の旅に出る。 これはアンジーとの過去や父という象徴から解放されたい彼が映画という旅でそれを昇華しようとする行為に見えて仕方がない。 というか、絶対にそこらへんで共鳴したろ、ブラピ。 だからかめちゃくちゃ彼の個人的な映画に感じた。
宇宙への旅と見せかけて、自分探しの旅
哀愁やで...。 「アド・アストラ」は前評判通り痛快SF冒険活劇ではなく、ひたすら平静を装いながら孤独と闘うブラッド・ピットが救いを求めて海王星を目指す話であった。...と書くとざっくりし過ぎではあるが、もうそうとしか...。 執拗に登場する「心理検査」を難なくパスするブラッド・ピットだがその内面は矛盾に満ちており、生きているらしい父を追うことで徐々に感情が表出する。 宇宙SFモノとしては「月にあんな軽い感じで行けちゃうのかー」とか月の現状に対するブラッド・ピットの不快とか、まさに西部劇なカーチェイスとかは中々面白い。 前半はそう、随所にハラハラエンタメを仕込んであるのだが、後半はもう完全に自分との闘いというか、葛藤である。その果てに再会した父(トミー・リー・ジョーンズが大変よい)は主人公の「あり得た可能性の姿」である。父親を追って生きてきたのだから当然なのだが、その「成れの果て」はブラッド・ピットを孤独から引き戻すには十分なインパクトである。 ひたすら苦悩のブラッド・ピットは見応えがあった。あの孤独に対する思いはおそらく万人に共通するので、舞台が宇宙でも刺さるのだろう。そしてトミー・リー・ジョーンズの「成れの果て」の説得力。明らかに嘘っぽくなりそうな役が、彼だからこそ締まる。 全体的には内面ばかりのストーリーなので退屈感をもたらすかもしれないが、それを宇宙規模でやれてしまうというのは凄いとしかいいようがない。私は割とブラッド・ピットに共感して観ていた。普遍的な葛藤を描いていると思う。 SF的には帰還はあんなやり方でいけるのかよ?! とかお父さんどうやって生きてたの?! とかまあ、色々あるわけですが、まあ内面がメインなので...。しかし月が近未来にあんなんなってたらやだな...。
"SF"としてではなく
SF作品としてではなく、Tommy Lee Jonesとの親子愛の作品としてでもなく、Brad Pittの離婚後の内省映画として観た。すごく良い。インターステラーとかアポロ13とかと比べる類の映画ではなく、Terrence Malick監督の作品に近い。To the Wonderとか。 監督のJames Gray作品でいうと、Marion Cotillard(出演作のベストだと個人的に思ってる)のThe Immigrantはもう少し具体的でわかりやすいかもしれない。アド・アストラと同じように「人の心」の割り切れず、豊かな部分を描いている。 あと、あれだけのストーリーを2時間に収めて、諸々回収できているのは少しびっくりした。
暗い映像と重たい音楽 無の宇宙を舞台にした精神世界の話 家族をおい...
暗い映像と重たい音楽 無の宇宙を舞台にした精神世界の話 家族をおいて知的生命体を追い求める父 行方不明の父の姿を追ってモヤモヤした空虚な精神状態の日々を過ごす息子 やがて父と出会い知的生命体より大事なものが身近にあることに気づく主人公 犠牲者が多く展開にやや難ありも深イイ映画
抒情詩風親子の絆物語
父親に対するトラウマを克服しに、太陽系の彼方まで消えた父を追いかける話。物語自体は目新しい展開で面白いストーリーだ。 映像もすごく美しくリアルだったけど、少し冗長に過ぎたかな。音楽も相まって、淡々と進む話は時差ボケの頭には少し辛かった。「インターステラー」を彷彿とさせる宇宙の映像であったが、ハンス・ジマーの音楽には程遠い抑えた音楽や沈黙が、映画のテンポを深く深くスローにしてしまった。心理劇として、狙ってやっているのだろうし、音楽自体も悪くないとは思うけど、盛り上げどころも無くシーンをのっぺりと仕上げていたことが、果たして良かったのだろうか。 ブラッド・ピットの画面映えでなんとか持った感じかな。
海王星にはあまり行きたくない。
一般的には受け入れられにくい作品ではないでしょうか。月や火星の基地に行ったり、宇宙船で海王星に行ったりするリアルな体験は楽しめても、話の内容があまり頭に入ってこない。最初から最後までブラッドピットの一人芝居みたいになっているのも、好き嫌いが別れる所だ。製作者の意図を推測するに、ブラッドピット演じる宇宙飛行士の少佐が、死んだと思っていた父に会うことによって、止まっていた時間が動き出し、宇宙飛行士としても人間としても新たなスタートを切るみたいな感じか。 人間が宇宙に出ていくことの意味を問うているようにも思える。地球で暮らすのが一番幸せのはずなのになぜ危険な宇宙に行くのか。「リマ計画」のように地球外生命体を見つけて、交流や移住を図るのが最終目標になるのではないか。しかし見つけたのは絶対的な孤独だけだった。そんな虚しさも感じさせる作品でした。
映像を楽しむ作品です
前評判で「重苦しくて眠くなる『2001年宇宙の旅』みたいな作品」と聞いていましたが、まったくそのとおりでした(寝不足だったせいか、うとうとしてしまった瞬間が二回ほど)。 ストーリーはそんな感じなので、見どころは映像でしょう。近未来の宇宙開発の光景をリアルに視覚化しています。『2001年』ほどの衝撃はありませんが、充分にわくわくさせてくれました。フィルム撮影にこだわったという映像美は、是非とも映画館の大スクリーンで鑑賞してほしいところ。 余談。冒頭の宇宙アンテナって、メガストラクチャですよね? 最初、宇宙ステーション的なものかと思って見ていたので、作業員や構造物が「落下」を始めて困惑してしまいました。
ブラピ出来過ぎ
壮大な宇宙ドラマにしては何故かこじんまりした感じが付きまとう 地球の未来を背負っている感が全くないのがさびしい ブラピは何でもできるスーパーマンでした しかし、あの父の過ごした時間は偉大だったと思わざるを得ない
ブレラン+ゼログラ+オデッセイ+インステ
主人公:ブレードランナーの感情の起伏ない刑事 最初のハプニング:ゼログラビティのロシア衛星爆発からの危機 地球がヤバい:インターステラーの状況 もう帰って来れなくない?:オデッセイの状況 地球に帰って来れた!:ゼログラビティとオデッセイ という、すべての要素が散りばめられた、なんというか過去にはないけど、過去のいろんな要素の組み合わせがメインのような感じでした! まぁ、ブレードランナーのとこは、ファーストマンの主人公に代えても成り立つかな。 でも、とても楽しめましたし良かったです。
寝落ちした
途中で寝てしまった。 冒頭、衛星軌道上にあるものが重力降下するのが意味不明。それなら衛星ごと落ちるんじゃないの? 話の展開として、地獄の黙示録のような雰囲気だったような・・・ 途中から寝てしまい、内容把握できず。 もう一回見ようとも思わない。
孤独という名の宇宙人
SFは、娯楽系と人間心理を描く系の2つがあると思う。 アドアストラは後者だ そしてアドアストラは立派本格ハードSFだ! 好き嫌いがある作品だと思うが自分的には好き派だった。 ブラピは最高だし映像も最高だし余韻もいい。 なによりも音がいい。音については観ればわかるが本当にすごい。 以下ネタバレ含みます。 勝手な解釈だがロイの父は知的生命体を探していた。 そしてその地球外知的生命体はロイの父を表しているのではないか。 孤独で行動も少し変。しかも不気味に演出されている。 地球外知的生命体を探ために海王星まですべてを捨てていったが実は自分自信が地球外知的生命体になっていうしまったという皮肉も込められていると感じた。
困難だからこそ挑むのが人なのですね
今 父と話すとしたら何を話したいだろうか とうぜん母との馴れ初め、青春時代のこと 大きな地震の時はどうしたのか 商売を始めたきっかけ そしてどんな思いで店を閉めたのか もっともっと深いところまで話してみたい 子供の頃は怖くて何も聞けなかったし一緒にいたくもなかった いつも厳しいかををして仕事ばかりで夜は酒を飲んでいた それでも年に何度かはドライブしたり旅行にも連れて行ってくれたな そんな時は穏やかな顔で車のハンドルを握ってたっけ ONとOFFがハッキリしているけどOFFの時間が短すぎるんだ 今は一日中テレビばかりを見ているらしい、何もしない日の方が多い妹が言ってたな 子はいつまでも子なのだし親は親なのだから真剣に言われれば従うしかない そうするしかない時がきっと来るはず どれだけ離れていてもやはり会いたいものです 近すぎる方がそんな気持ちが薄れるのがしれませんね
これは宇宙人ジョーンズの物語である
観賞前はインターステラーを超える作品を期待していたのですが... とりあえず2時間の尺を持たせる為か、プチパニックばかり、科学的な考察も無し。 最後に缶コーヒーを飲むシーンが無かったのが残念です。
2019-84
地学の知識なんてセーラームーン程度にしかない私でも、ツッコミがやまない。 始まってすぐ寝てしまった私も悪いのですが、気付いたらブラピが月にいた。 そこから、カーレースやら、絶対シガニー・ウィーバーさん潜んでるやろバトルやら(これ、要る?)を挟みながら、山場へと行くのですが、、、なんかそこでもいまいち琴線に触れるものがない。 何年越しかに会えた親子の再会をかなりドラマティックに描いてほしかったわけではありません。案外そういうのってあっさりしているのかもしれないし。 でもなんかなぁ、なんでこんな腑に落ちないんだろう。もうちょっと感情がぶつかりあったりしないのかなぁと思ってしまう。 あと、そんな移動できる?とか、 そんな早く着く?とか、 お父さんどうやって生きながらえたの?とか、 そもそもお父さん日本で長いこと色んな仕事してカタコトの日本語喋って、缶コーヒー飲んでなかったけ(は、違います)とか、 ちょっと色々気になってしょーがないたちなんです。 宇宙の迫力を感じる映画なら他にもあるから、とりわけ光って見えませんでした。 一番気になるところは別の、もっと心理的なところにあるのですが、語彙力が乏しいため表現できません。 なんだかなぁー、、ともやもやしております。 とりあえず私にはまだ地球旅行で十分やわ。79日のフライトなんて無理すぎ。
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