「We are lonely, but not alone.」アド・アストラ ヘルスポーンさんの映画レビュー(感想・評価)
We are lonely, but not alone.
宇宙兄弟のエディの名言を思い出した。
SF作品と言われてますが、テーマとしては"人間"がテーマなのかな。なんとなく、"人は1人では孤独という恐怖に打ち勝つことは出来ない"といったことかな、と思いました。
1人じゃない時点で孤独じゃないだろって感じですが、1人じゃなくても孤独を感じてしまう人はいるのです。本作ではトミー・リー・ジョーンズ演じる父がそうだった。家族もいた、仲間もいた、それでも孤独だった。そして孤独という恐怖、無という恐怖に飲み込まれた。
ブラピも同じだったが、そんな父を見て自分の行き着く先を見たのだろう。父とは別の選択をする。
孤独という恐怖に打ち勝つものは、すぐ自分の側にあったと。
こんな感じなのかなー。
映像は「ダンケルク」の撮影監督ホイテ・ヴァン・ホイテマさんで超本格的!本格的過ぎて冒頭のシーンは高所恐怖症の私にとっては地獄だった笑 映画館の座席にしがみつきました。
音楽は傑作SF映画「メッセージ」(OPとEDのみ)やドラマ「The Leftovers」の現代音楽家マックス・リヒターで、本作も素晴らしかった。
しかし、退屈だった。
絶賛評ばかりの記事が怪しすぎる。
「2001年宇宙の旅」や「地獄の黙示録」やジョゼフ・コンラッドの小説「闇の奥」などが引き合いに出されていて(どれも人間の本質を突くような作風)、確かにそういう作品と比較して楽しむのもあると思う。ただしそれは映画自体の面白さとは関係がないと本作を観て感じた。
リアリティを追求し、近未来ということもあり実現されそうなデバイスが出て来たり、そういう細かいところまで徹底していました。海王星までの道中も色々あり、意味深な描写も色々ある。
映像・音楽・役者・全て一流が揃っていて、全てが揃っている。しかし肝心のテーマがありきたりで弱すぎる。SF小説でいう10数ページの短編のような話。
本作とは全く関係ないけど「彼方のアストラ」の方が好きだなぁ笑 ハイライン風味のエンタメSF路線。素晴らしい作品だっ。
あちら宇宙の彼方へ。
こっちは地球へ。
リブ・テイラーのジャンピングハグを期待しましたが、さすがにアルマゲドンの時からは大人になっていますね。