テリー・ギリアムのドン・キホーテのレビュー・感想・評価
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アダムドライバー‼️
今、この世界を牛耳っているのは「金のためなら何でもする奴」と、「金の力で自分が偉くなったかのように勘違いしてる奴」。つまりトランプ的人間。
ドン・キホーテが持つような、騎士道精神は狂気の中にしか存在しえない。しかし、それらの利他的な美しい精神が消え去ったわけではない・・・
そんなことを、感じました。アダムドライバーが跡継ぎです。
ロードムービーです。
QUIXOTE VI VE →《夢》や狂気・空想に生きるのも悪くな...
QUIXOTE VI VE →《夢》や狂気・空想に生きるのも悪くない。ノリノリなアダム・ドライバーとジョナサン・プライスの暴走と凸凹化学反応がひたすら楽しいコンビネーション・チームワークを堪能できる冒険コメディ! 頓挫した制作過程を追ったドキュメンタリー映画『ロスト・イン・ラ・マンチャ』を見ていたら分かる/見ていた方が楽しめる小ネタも、とりわけトビーがドン・キホーテと旅を始めるまでの前半にあって"不可抗力"(←ドキュメンタリーの終盤で保険外にされた要因)。その時と全く同じシーンもあれば、当時の製作時の体験を自虐的に(?)盛り込んだり、あるいはもっと最近・今日の要素も積極的に取り込んだりもしていて、しっかりと工夫やアップデート推敲も試みられている。ちなみなアダム・ドライバーはいつもの彼の髪型のトップを上に留めている形だけど、長さとかが丁度当時のジョニー・デップと似た具合で、ヴァネッサ・パラディが演じる予定だった役柄も似ていた。
ドン・キホーテは確かに生きていた、そして今もこれからも --- テリー・ギリアム念願も念願、超待望の企画がこうやって遂に映画館で見られる日が来るとは!!! しかも、もっと見にくい攻めた作品かと思っていたら、思っていたよりずっと見やすかった。一見ハチャメチャなのに一本しっかりと筋が通っていて目覚めに良い。『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』よりしっかり意志を"引き継ぐ"というテーマがきちんと描かれていた。そしてまた、例えば『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でタランティーノが主人公リック・ダルトンに"時代に取り残される自分"を仮託していたように、本作もまたギリアム = ドン・キホーテなのかな?と感じる瞬間があった。最後に歴代ドン・キホーテ役でキャスティングされていたジャン・ロシュフォール&ジョン・ハートに捧ぐと名前が出て改めてここまで辛苦の歳月を実感した。
「仕掛けが満載よ、気にいるわ」
"I will live forever.'
今年映画館鑑賞10本目
素晴らしい劇中劇
寺山修司作品のような劇中劇は夢落ちのようで夢に落ちない現実世界がファンタジックに展開する。
このストーリーは、テリーギリアム監督自身の自伝みたいなものなのかもしれないと思った。
アダムドライバーはスターウォーズよりブラッククランズマンより巧い良い芝居を見せてくれる。
ジョナサンプライスは未来世紀ブラジルから30年を経て、この役に就いてくれてありがとう。
オルガキュレンコは鉄板の美麗さだったが大した仕事はしていないw
ま、これも鉄板か?w
それよりアンジェリカ役のジョアナリベイロが魅力的で気になる。追いかけてみたい。
ケチをつけるなら、翻訳がイマイチ。
駄洒落部分が落とし込めてなかった。
町山さんなんかがよかったかもねぇ。
松浦美奈さんあたりでも
good questionを「良い質問」と訳してしまうのかぁと少し驚き。
とかなんとか並べちゃいましたが
こんな素晴らしい作品の上映館が少ないのが辛い。
めっちゃ見応えのあるイカレタイカした作品。
超絶オススメ!
30年待った
テリーギリアムそのもの
そもそも世界は不可解なもので、人間は不安定や理解不能を本質とするのであって、そこではたえず幻想・喪我・忘我のトランスが起こる。
この老人は確かに狂人だけど、見ているうちに幻想のほうに私たちの軸足が移っていく。
小峠みたいに「なんて日だ!」と叫びたくなるような散々な旅。ところが徐々に現実と幻想が逆転していく。実は幻想こそ真理なのだ。ついに「夢から覚めないでほしい」という感覚に陥る。
キホーテの天敵、妖術師。現代の妖術師は映画製作者かもしれない。人々に虚構を見せて金貨を得る。
10年前のロケの情熱は永遠のものだった。ラウルの店で靴屋がキホーテになった瞬間、回ってないカメラの前で踊るアンジェリカ…
情熱を取り戻し、妖術師に立ち向かうには、自分の中のキホーテにご登場願うしかない。気高さと純情と愛のためならば、痩せたロシナンテにまたがり、サンチョを従えて荒野の果てまで突き進むのだ。
創造性と狂気は紙一重である。目覚めるわけにはいかないのだ。テリーギリアムそのもののような映画だった。30年かけた本作を私は絶賛する。
そして、アダムドライバーは当代きっての名優。テキトーな映画には決して出ない。
完成してしまったリアル。
人は選ぶが良くできたファンタジー
テリー・ギリアムの真骨頂。若干の難解さ、癖の強い悪夢的ビジュアル、際どいギャグセンス。受け手を選び、評価のバックリ分かれる作品だろう。
灰汁の強さも難解さも、この監督にしては比較的マイルドと思えたのだが…。
今映画を見ている現実の我々、映画の中で作られる映画作品、作品中のフィクション世界。幾つもの階層が交錯し侵食し合うような劇中劇の仕掛け。
『ネバーエンディングストーリー』を読んだ事のある人には、理解しやすいかと思う。重なる世界を、奥へ奥へと深く潜っていくような感覚。今自分が見ている光景が、どの階層のものなのか、混乱と曖昧さの内に、やがて物語世界に取り込まれてしまうような。不安定で恐ろしく、でも何処か蠱惑的な、この酩酊感がいい。キャラクターや展開に垣間見られる、神話や心理学的ファクターも、ファンタジー好きには堪らない。
現在と回想が代わる代わる繰り広げられ、現実と幻想が入り交じり、敢えてなのか、時に不親切に唐突に切り替わる。それらを繋ぐ、芝居の役柄を真実と思い込んでしまった老人と、映画制作というまやかしのスペシャリスト達。
社会規律や常識に対し、端迷惑で滑稽なものとして描かれている老人の奇行が、やがて、それを見せ物にして嘲笑う大衆の下劣さと、勇気と自己犠牲をもって弱者を守ろうとする高潔な騎士道精神へと、反転して見えてくる。醜悪な現実が、美しい虚構に喰われていく。
やがて夢は覚めるが、ドン・キホーテは死なない。偽りの武器と鎧で、理想を掲げて、無謀に巨人に立ち向かう結末は、テリー・ギリアム自身の、映画という幻想世界への愛と信念にも思えてくる。
何度もトラブルに見舞われ、キャストも二転三転したというこの作品だが、アダム・ドライバー、ジョナサン・プライスの主演陣が素晴らしかった。終わりよければ全てよし。
B級感があってらしいと言えば言えるが、邦題と予告編は、もうちょっとどうにかできなかったものか。ファン以外全く興味をそそられなくない?これ…。
こんなに待ってたのにいざ公開されることになると見るのが本当に気が重かった
ドン・キホーテの映画作成の話は、テリー・ギリアムの作品を公開されたら見にいく程度のファンでもかなり長い間知ってたと思う。
いざそれが実際出来上がって公開されるとなった少し前に、監督からMeToo運動に関する暴言ともとれる発言が飛び出してきた。曰く、権力を持つ者は乱用するし、MeToo運動は魔女狩りだし、世の中の全ての悪が白人男性によるものだといわれることにウンザリなんだそうだ。(他のもっとショッキングな発言は多分検索すれば探せる。)
テリー・ギリアムの作品には多くの権力を持ち乱用する者と、多くの不幸な白人男性(主人公)が登場するし、救いはない。そういったストーリーを語り続けてきた監督から、そのような発言が出るのは実際そんなに違和感があるわけではない。でもファンだった私はそれらを肯定していると思って見ていたわけではないのでやはりかなりショックだった。
そんなわけで公開されたドン・キホーテを殺した男だが、なぜ今ドン・キホーテそのものを作るのか正直よくわからない。今までもあの映画のあの人とかあの人とかほぼドン・キホーテだ。(正気を失い騎士道にはまって馬にのって槍を持って巨人と戦って幻想の姫を守る)
感じたのはテリー・ギリアムが40年くらい前から更新できていないこと。(特に笑いの感性に関しては顕著で本当に笑えない。「それモンティ・パイソン時代すでに見たが、まだ好きなの?」が頻繁に起こる。) 現状は変化しない、改善はない思っており、同じ結末を繰り返す映画を作り続けていること。もし次作があっても結論は一緒だろう。だから見ないと思う。
いつものテリーギリアム映画
我こそはドン・キホーテ、デ・ラ・マンチャ!
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