「こんなに待ってたのにいざ公開されることになると見るのが本当に気が重かった」テリー・ギリアムのドン・キホーテ mikyoさんの映画レビュー(感想・評価)
こんなに待ってたのにいざ公開されることになると見るのが本当に気が重かった
ドン・キホーテの映画作成の話は、テリー・ギリアムの作品を公開されたら見にいく程度のファンでもかなり長い間知ってたと思う。
いざそれが実際出来上がって公開されるとなった少し前に、監督からMeToo運動に関する暴言ともとれる発言が飛び出してきた。曰く、権力を持つ者は乱用するし、MeToo運動は魔女狩りだし、世の中の全ての悪が白人男性によるものだといわれることにウンザリなんだそうだ。(他のもっとショッキングな発言は多分検索すれば探せる。)
テリー・ギリアムの作品には多くの権力を持ち乱用する者と、多くの不幸な白人男性(主人公)が登場するし、救いはない。そういったストーリーを語り続けてきた監督から、そのような発言が出るのは実際そんなに違和感があるわけではない。でもファンだった私はそれらを肯定していると思って見ていたわけではないのでやはりかなりショックだった。
そんなわけで公開されたドン・キホーテを殺した男だが、なぜ今ドン・キホーテそのものを作るのか正直よくわからない。今までもあの映画のあの人とかあの人とかほぼドン・キホーテだ。(正気を失い騎士道にはまって馬にのって槍を持って巨人と戦って幻想の姫を守る)
感じたのはテリー・ギリアムが40年くらい前から更新できていないこと。(特に笑いの感性に関しては顕著で本当に笑えない。「それモンティ・パイソン時代すでに見たが、まだ好きなの?」が頻繁に起こる。) 現状は変化しない、改善はない思っており、同じ結末を繰り返す映画を作り続けていること。もし次作があっても結論は一緒だろう。だから見ないと思う。
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