ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たちのレビュー・感想・評価
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1,600キロの光ケーブル
通信速度の遅延を利用した詐欺は結構古典的で、大昔はラジオ中継局のリレー速度と電信スピードの差を悪用した競馬詐欺のアメリカドラマがありました。今回はずっと現代的で光ケーブルを使ったミリ秒単位の株取引という実話。
この実話を映画として成立させているのは主人公ヴィンセントとアーミッシュとの出逢いかと。
通信速度の速さなど自分達には何の意味もない、自分達の土地の下に速いモノを通して欲しくないと拒絶するアーミッシュ。
ラストシーンでヴィンセントと従兄弟のアントンが、納屋に座って静かに眺める雪がスローモーションだったのが象徴的。とてもゆっくり降る雪がこの映画の伝えたい思いだったのかなと、ふと思いました。
今日のダビデは、明日のゴリアテ
本当に、ニュートリノ・メッセージングが出来たら凄いんだろうなとは思う。
ただ、そこに至るまでも多くのブレイクスルーがあって、今日のダビデは、明日のゴリアテだ。
ヴィンセントを演じたジェシー・アイゼンバーグはソーシャル・ネットワークでザッカーバーグを演じ、この作品のミリ秒をきざむスピードを追求する社会システムを描くという観点からすると、物凄く適役だと思った。早口でいけ好かない感じは抜群だ。
ひとつ、理解してほしい。
株の取引は、皆さんは景気だの業績だので動くのだと単純に感じているかもしれないが、こうした人より先にとか、詳しいことは避けるが違法スレスレというか、おそらく違法じゃないかと思われるようなフロントランニング的なトレードでも動いていることを理解してほしい。
ただ、同時に、長期的には企業価値やクオリティは最も重要で、適切な株価に至るまで、利益確定だ持高調整だとか、お客の新規投資や解約だとか、そういう事を見越して、悪く言えば悪さ的な事をする奴がいて、こんなことがあるのだ。
世の中では認知症にならないように手作業や指先を使いましょうとか言うわりに、hey Siriとか、OK Googleとか、Alexaとか溢れてる。
今は、企業業績なんて、PCを叩けばすぐ入手可能だ。便利になった。だから、こうした高速トレードに介在して、人の上前を「ほんのちょっぴり」はねようとする輩も多く出てくるのだ。
便利は良いが、便利の使い所が、人を怠惰にしたり、人の勉強意欲を削いだり、人をインチキっぽい行動に駆り立てるのであれば、僕はどうかと思う。
物語を通じて語られるスピードを求めることと対比するように、おそらくアーミッシュのような生活をする人達が出てくる。
その納屋で、ヴィンセントとアントンは何を考えたのだろうか。
ニュートリノ・メッセージングのことだろうか。
羽ばたき
高頻度株取引の通信速度を上げるべくニューヨークとカンザスを直線で結ぶケーブルを設置すると共に通信コードの開発に当たった従兄弟の話。
実際の出来事は知らないし、通信の方法や速度の変遷等の知識も皆無で鑑賞。
金も時間も相当掛かるだろうに見切り発進するプロジェクトとか。恐さや無謀さも感じるけれど、出遅れたら先を越される一攫千金スピード勝負というヤツね。
トラブルとか妨害とか、全然事業の凄さが理解出来なくてもわかりやすくみせているし、キャラクターも良いしなかなか面白い。
ありがちだけど…何て思っていたら終盤の変動が結構意外で持って行かれた感じ。
面白い!
思ったよりビターな展開でしたが、主役2人の複雑そうな人種的背景がしっかりのちの展開にも生きたり。真っ直ぐなケーブルを通すという文字通り直球の話に、多様性や当時の最先端金融工学を上手いこと混ぜてて感動しました。ジェシーアイゼンバーグがソーシャルネットワーク演技そのままなのも最高です。
タイトルの意味が良い
観賞中。本作のタイトルの意味を把握。
良いタイトルですね。
ストーリーは地中1600キロを光ファイバーで直線で繋ぐと言う実話を元にした作品。無謀です(笑)
その工期中に起こる様々な困難や妨害。
派手さはありませんが良くできた作品の印象。
株の取引はあまり良く解りませんが秒単位で行っているのには驚きです( ´∀`)
ちょっと中途半端な映画❗
星🌟🌟🌟ちょっと期待していたのですが…最初は真面目な作品だと思っていたのですが元上司がしゃしゃり出てくるあたりから娯楽性が高くなり主人公の病気が分かるあたりからちょっと解らなくなりました❗普通に回線を通すための苦労話を主体にすれば面白いのにいろいろ盛り込む過ぎて中途半端な作品になっている気がします❗題材は良いのでちょっと残念です❗
ゴリアテを倒せ。
多額の損失を残しただけのプロジェクトと言えばコンコルド。採算割れが分かっていたのに止められなかったけれど、あれはゴリアテ。米電気自動車大手のテスラの2018年3月末の累積赤字は54億ドル。おそらく、まだ膨らむが、彼らもゴリアテだと思う。
ヴィンセントは自ら計画し、出資者を見つけ、従兄弟のアントンを巻き込んで、カンザスからNYまで、一直線のケーブルを通す為のトンネルを掘るプロジェクトを立ち上げる。ゴリアテに戦いを挑むダビデだと、自らを鼓舞しながら。
花崗岩の壁に行く手を阻まれ手間取ったり、土地買収に応じないナチュラリスト団体と揉めたり、目標速度を出せるコードが出来なかったり、元会社の妨害と嫌がらせでアントンが逮捕されたり。結局、2年の月日を掛けているうちに、元会社が電磁通信によりヴィンセント達を越える速度を実現し、ハミングバードはコンコルドと同じ運命を辿る事になりますが、ヴィンセントはダビデ。全てを失う事になりますが、プロジェクトの仲間は残る。完成したケーブルで目標を越える速度を実現しますが、金を産み出せない虚しさ。
人生がハミングバードの羽根の一羽ばたき、16msecだったとしたら。それでも、その世界で見るものを見て、感じる事を感じ、生きて死ぬだろう。
時間に掛けたヴィンセントの野望は叶わなかった。そこに人生を掛ける価値はあったのかの問いへの答を求めた二人に、少なくとも、後悔は無かった。
ジェシー・アイゼンバーグ、快演でした。良かった。物凄く良かった!もうね、ゾンビランドへの期待、膨らみまくりですからw
期待以上に楽しめました
いろんな展開がテンポ良く進み画面の映し方も観やすく飽きさせない映画です。
一応実話を元に作られてるみたいですが、忠実ではないっぽいです。
なので、実話を知ってる人や株取引について詳しく分かってる方は「装飾しすぎ」など思うかもしれませんが、
オリジナル映画として観れば充分楽しめます。
私は、何も調べずに観たのでおもしろかったです。
また、出てくる重要な男性2人の演技が最高に良いです。特にアントン役の方の演技素晴らしくておもしろいです。
堅苦しくなく、頑張る2人を応援したくなるし、いろんな問題が出てきてハラハラするし時には笑い時には感動したりします。
あまり期待せずに観に行ったので、
観終わった後、めっちゃいいじゃん!って思いました。笑
もっと宣伝されても良いと思うほどでした。
笑って泣きます。(涙腺ゆるゆるすぎる人だけかもしれませんが)
観て良かったです。
【超高速通信開発競争の果て、男たちが辿り着いた境地をほろ苦く描いた作品。】
ー ナノ秒単位でアルゴリズムがトレードを繰り返す”高頻度取引”が題材。-
・ネットワークを引くために奮闘するヴィンセント(ジェシー・アイゼンバーグ 高速セリフを喋らせたら当代随一である事を再確認。)
と従兄弟の天才肌だが、精神的に脆いアントン(頭剃ってるし、猫背だし、最初アレクサンダー・スカルスガルドと分からず・・。この役で一皮剥けたか?父を超えていくか?)。
・ネットワーク敷設に立ち塞がる数々の壁(元上司で競争相手(サルマ・ハエック)の様々な妨害工作やアーミッシュ(男女の服装から類推、違っていたらごめんなさい。私はアーミッシュと捉え鑑賞)の自分たちの土地の地下を掘ることに対する反発などに懸命に対抗するヴィンセントとアントンの姿にまずはぐいっと引き寄せられる。
ストーリー展開のテンポもヴィンセントのセリフのスピードと相まって、良い。
・超高速通信開発競争の決着が着いた後、ヴィンセントが向かった所はどこであったか。
<人間味、温かみのある生活、本当に大切なモノは何かを考えさせられる作品>
□最後半、ヴィンセントの憑き物が落ちたような表情が印象的であった。
矢張り、ジェシー・アイゼンバーグは素晴らしい演者である。
案外楽しめた
お金に目が眩んだ人達の話かと思ったが(実際そうかもしれないが)、案外ハラハラしたり、笑ったりして楽しめた。
これが実話に基づいているというのだから、すごい。
病気にならなかったら…また展開が違ったのだろうか?
アントンがいい味出していたなぁ。中継器を減らすことを思いついたシーンがツボだった。
2位じゃだめなんです。
長距離通勤をして、長時間労働をして、お役所仕事をして、人に
気をつかい、根回し、空気を読み、忖度することで満足している
日本人には理解できない映画です。
「私をナメないで」という上司に対して、「俺たちを支配している
と思っているのか?クソ野郎!」と思っていて、「時は金なり」
という言葉を理解できる人だけが楽しめる映画です。
最新の証券取引の知識がない人にも理解できない映画です。
ニューヨーク証券取引所で1株100円で1,000株購入する場合、
「1株100円で1,000株購入」という情報は、カンザスにある
データーセンターに送られ、記録され、カンザスにあるデーター
センターからニューヨーク証券取引所に戻ってきて、公開され、
最初に「1株99円で1,000株売却」する人を見つけ、取引を成立
させた人が1,000円の利益を得られるということです。
「購入」に対して「売却」を見つけるのは、人ではなく、
コンピューターが瞬時に行います。
2番目以下の人々は、1円の利益を得ることはできません。
1日に、この取引を20万件成立させると2億円の利益が得られる
ことになります。
この取引を年間250日にの間行うと、500億円の利益が得られる
ということです。
ニューヨーク証券取引所とカンザスにあるデーターセンターの間を
「0.017」秒でしていた通信を「0.016」秒でするために「0.001」秒
短くすることで莫大な利益を確実に手にすることができるということ
です。
最初に取引を成立させられる人だけが、ニューヨーク証券取引所の
利益を総取りし、ニューヨーク証券取引所という市場を支配できる
ということです。
この事実に、熱狂できない人にも理解できない映画です。
ハミングバード(はち鳥)が羽ばたきするのに要する時間が「0.016」
なので、映画のタイトルが「ハミングバード・プロジェクト」という
題名になっています。
「ダビデとゴリアテ」は、ユダヤ教徒の聖書である旧約聖書の
「サムエル記」に登場する羊飼いの少年「ダビデ」が、旧約聖書に
唯一神であるヤハウェをの嘲笑った武装した巨人「ゴリアテ」を
投石機で放った石で倒し、剣で首を刎ねて殺したというお話です。
弱い人が強い人を倒すこともあるという例えで、日本でいうなら
「柔よく剛を制す」という意味です。
主人公は、ユダヤ教のロシア系移民第2世代です。
移民してきた第1世代は、移民であるという差別を受け入れます。
移民第2世代は、移民ではない人々と同じように米国で生まれ、
教育を受けますが、社会に出ると移民であるという差別を受け入れる
ことができません。
これが世界中で起きている移民問題です。
移民第2世代について理解できない人は、宇宙移民第2世代である
ジオン・ズム・ダイクンが「宇宙に進出したスペースコロニーの
居住者達であるスペースノイドと呼ばれる人類は進化して、
地球に住むアースノイドを凌駕する能力を獲得している」と唱えて、
地球連邦政府に自治独立を宣言しようとしたことを思い出してみる
と理解できるかもしれません。
パンフレットは、よくできているので、映画を理解したい人には
お勧めできます。
1sec ÷ 60 wings ≒ The Hummingbird Project?
映画を見る前に思ったことは、人よりも頭のいい人間が、小ずるい事を考えた計画を実行する映画と思っていた。しかし、この計画をよく考えたら、カンザス州からニューヨーク証券取引所までは、優に1600キロの距離を山越え・谷越え・川を超え、光ファイバーを通すパイプ敷設工事をするっていう事は、日本で言えば下関から青森まで、すなわち本州縦断?え~ッ! そして個人的に”小ずるい”という考えを改めなければならない彼らの輝いた台詞が.....。 すみませんでした。そしたら書くなってか?
You know, I have to say you guys might be crazy,
but I am very excited. It's a really interesting project.
-Yeah, just think of it
-as David walking onto the floor the stock exchange,
-taking out the biggest slingshot ever,
-and bringing Goliath down to his fucking knees.
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We're David?
光ファイバーを通すパイプ敷設工事。そんな距離的や地形における自然に対する物理的や時間的難しさだけでなく、むしろこちらのほうが大変と思われる、物欲や金銭欲や支配欲の塊の人間の壁や表現しがたい神の壁、また長いものには巻かれろ式な労働者の壁、人を陥れ、しかも人を脅すことで快感を持つのではないかと思える悪魔的人間の壁、その何重にもそびえ立つ壁にビンセントとアントンは、事業を始めてからその存在の大変さを悟ることとなる。そして自分自身の弱さの壁も.......!
このような事で挑戦者の最後の結末は、見る前から半分は予想できるが、その難しいイベントをどのように主人公たちが乗り越え、克服するのかを見ることのほうが、計画の成功不成功よりも映画の質を問われるていると個人的には思っている。
X-MANに登場するストームのような髪型で、悪魔的しつこさのある前職の超高頻度業者のボス、エバァの台詞
Someone can make your life hell if they decide to,
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I cared for you, and you betrayed me.
Now you have to pay,
and I'm gonna make it painful.
人間には、必ず”不公平”が存在する。ロシアからの移民のビンセントの両親。株式を知る者知らない者。高速で大容量の処理機を有する者有さない者。それをビンセントの言葉が象徴をしているかもしれない。
My parents moved here in the '60s,
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He always told me the same thing.
He said: "Whatever you do, make sure you own your freedom."
-Own your freedom?
-Doesn't that kind of defeat the purpose of freedom?
最初、計画を進めるために意気揚々としていたビンセント。その彼が過酷とも言えるシナリオが進んでいくうちに彼の早口で話す姿が、ただの神経質な者が話し、空回りしかしていないものになり、彼自身が並走するように段々とやつれていく。その反面、最初、システムの構築に関しては天才であるけれども飛行機のシーンでは何かにこだわりの強い、神経質な人間のステレオタイプに見え、少し精神的に問題がありそうな従兄弟のアントン。しかし、金なんか最初から問題としてはいない彼は、この計画の達成感と、ただ単にビンセントの為に参加した人柄がとてもいい感じの人。そんなこんなで、この映画、端からフィクションと考えれば、とても見やすくなる代表的映画。
ウエイトレスが映画を見ている側の、株式なんか知らない、どうでもよいと考えている自分を含め、それを象徴するような典型的な蒙昧で無知な人間の代表として登場する。しかし?
In about 17milliseconds. Soon it'll be 16.
-But what's 16 milliseconds?
It's one single flap of a hummingbird's wing.
-OK, but then what happens?
Well, that's it. That's the whole thing.
ドイツ語を話していたのでアーミッシュと思われる人の台詞。
We live simple lives, Mr. Zaleski,
"at the service of God."
High speed is not our priority, and money can be a source of conflict.
.............................
We don't believe that making things faster
making things better.
現代の神は、法律には勝てないのか?
英国の英語の保守系高級紙タイムズの日曜版であるTimes (UK)の電子版(有料)
The Hummingbird Project review — they’re buying a superhighway
to heaven より
「 カナダの映画製作者で、この映画の脚本と監督を務めたキム・グエン(ベトナム出身)が手掛けた作品の中で代表的な映画であり、一貫してより多くのものを探っていた過程で、この映画が、すべての中で適切な分野に響くものに当たっている。」
シカゴのニューススタンドで発行部数の多い新聞紙、Chicago Sun-Timesの
電子版(今回は無料)
Financial thriller ‘The Hummingbird Project’ delivers hokum
at high frequency より
「アイゼンバーグが作家兼監督のキム・グエンが描く、洗練された野心的で一貫性のない不均一な金融テクノロジーのスリラー”ザハミングバードプロジェクト”での、アイゼンバーグが、やりすぎない範囲に戻ると、力強い仕事をすることは驚くことではないが、それだけでは十分に役者としての勝ちを収めるものではない。」
この映画の製作者が意図しているのか? それとも、映画.comのいつもの映画配給会社の受け売りをそのまま載せているせいか? この映画のことを実話をもとにしたと言わしめるものは何か? 訳が分からなくなる。個人的に言わせてもらうなら、正当で公平な証券取引業者に対して、毛沢東が生んだ言葉とされる”反面教師”の誇張版であり、個人的には、フェイク映画の何物でもない。言い過ぎですか........?
古代ギリシャの哲学者ディオゲネス。自分でも誤認があり、樽の中で一生?住み”樽のディオゲネス”または、”犬のディオゲネス”と呼ばれた古代ギリシャの哲学者で文明を全否定した哲学者として捉えていたがそうでもない。彼のことを考えると、この映画は、携帯をできるなら24時間肌身離さず、ハイテク=絶対神と無意識に考える人たちへのメタファーとして人の価値観の違いでどちらが正しくて、どちらが間違っていると決めつけることができないというテーマがあるのではないかと個人的には思っている。最後のビンセントの姿で.......。
余談として、アントン役のアレクサンダー・スカルスガルドには、先日観た映画「IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019)」で体の一部を変形できる特技を持っている14才年下のビル・スカルスガルドがいる。
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