15ミニッツ・ウォーのレビュー・感想・評価
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単純明快な戦場アクションとしては意外と見応えアリの掘り出し物
フランスの植民地ジプチで実際に起こったバスジャック事件の顛末を描くサスペンス・アクション。奇しくも公開中の「エンテベ空港の7日間」も同じ1976年に勃発したハイジャック事件もので、この時代がいかに危険と不安と隣り合わせだったのかがうかがえる。 ストーリーに登場するピースはごくわずかだ。隣国との境目で立ち往生する形となったバスと生徒たち。そこに飛び込んでいく学校の女教師、さらには犯行グループと、現場に乗り込んで司令部の出撃命令を待ち続ける精鋭部隊・・・。刻一刻と変わる情勢の中でこれらを巧妙に動かしながら、緊張感のあるトーンを作り上げていく。できることなら各々の登場人物のドラマをもっと掘り下げてほしかったが、逆に単純化することで社会派としての側面は薄まり、エンターテインメントとしての明快さへと振り切れている。「ワイルド・バンチ」的な死闘も、カタルシスの面で見応えアリとして評価したいところだ。
うん、
なかなかに見る側も辛抱強く耐えつつ(笑)見ないといけないとこもあった。 でも、これも実話に基づくものらしく、それにしてもこういう時の組織の上層部やらテロの連中やら、なんともむなしいやら「なにをしたいんだか」という感想。
【タイトル×ジャケットからは想像つかなかった面白さ】
・2018年公開のフランス・ベルギーのアクション映画。 ・実話に基づく物語。1976年、まだフランスの植民地だったジブチで行ったバスジャック事件。それを鎮圧するための作戦「奇跡の人質救出」と称された作戦の一部始終のお話。 ・ジブチで子供たちを乗せたスクールバスが、ジブチの独立派武装組織のメンバーにジャックされてしまう。要求は投獄されている仲間の解放とフランスからの独立で、応じない場合は子供たちの喉を切り裂くと通告。これに対してフランス政府は、極秘裏に特殊制圧チームとして主人公ジャルバルをはじめとしたトップクラスのスナイパー5名を編成して現地へ送り込む。ジャルバルたちは複数のバスジャック犯達を同時に狙撃してしとめるように準備するも、フランス政府のOKがなかなかでない。内心、暗殺をするつもりがない政府と、目の前で危険にさらされる子供たちを何もできずに見守るジャルバルたち。そんな状況でいてもたってもいられなくなり自ら人質の一人のなる(子供たちの)学校の教師ジェーン。果たして、どのように事件は執着するのか… という大枠ストーリー。 [お薦めのポイント] ・多数キャラクターなのに個性がはっきり伝わる、わかりやすい演技・演出 ・台詞は少ないのに伝わるキャラクターの心情に共感度アップ ・しっかり戦闘シーンあり(スナイパーものなのにハラハラアクションがすごい) ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ ■多数キャラクターなのに個性がはっきり伝わる、わかりやすい演技・演出 ・主人公たちスナイパーチーム5名、現場を仕切る将軍、バスジャック犯リーダー、学校教師、フランス政府…キャラクターが多数おり、しかも私が見慣れていない演者さんばかり。アメリカ以外の国の戦争映画を観る際に、よくこのような状況になり、誰が誰だか…状態に陥ってしまうのですが。なんとこの映画、それがほぼないんです!キャラ名までは覚えられなくとも、顔や服装で切り分けができるので、誰がなぜその行動をしているのかがよくわかる。これって当たり前のことなのかもしれませんが、鑑賞側(私)が知らない演者さんだらけだと、これが中々ムズカシイ。にもかかわらず、この課題をさらっとクリアしてくれる演技や演出、そのおかげで物語の理解がとてもスムースにできました。 ■台詞は少ないのに伝わるキャラクターの心情に共感度アップ ・キャラクターの切り分けが簡単なのに、彼らの台詞は少な目だった気がします。つまり、台詞で状況を説明するのではなく、行動や振る舞いで彼らの特徴がビビビっと伝わるように表現されているのです。例えば、バスジャック犯の主格の簡単な過去話や表情(アップショット)。例えば、スナイパーチームの台詞のいらない最後の決断。例えば、女性教師が単独でバスに向かう姿やただ煙草を吸う(ギャップ)。例えば、主人公が葛藤する様を常に表情だけで魅せる演出。などなど。小さな事かもしれませんが、これらが積み重なることで、キャラクター一人一人に共感できるようになりました。多角的な視点で共感できたうえで、物語がどう動くか。スナイパーものって、狙い撃ちまでの間はアクションも乏しく、なかなか見応えを覚えづらいと思いきや、その共感度が緊迫感を強めてくれたので、物語に没頭することができた気がします。 ■しっかり戦闘シーンあり(スナイパーものなのにハラハラアクションがすごい) ・まず、どこかまでは言いませんが「スナイパー映画として圧巻!」と、痺れるシーンがありました。カッコいい!そして、単に狙撃戦だけではないアクションもあるところがポイント。きちんと起承転結の「転」で絶頂のハラハラを与えてくれるように構成されていました。 ■監督のフレッド・グリヴォアさん、もしかしてガイリッチー監督が好きですか⁉ ・スナイパーたちが準備するときの映像が、まるでガイリッチー監督の「スナッチ」や「ロックストック」のようなテンポよい感じで演出(編集)されていました。彼らの行動内容や裏で流れるBGMのテンポとは、ややあっておらず違和感を感じました。笑 個人的には好きな演出なのですが、この映画やそのシーンへの必然性を考えると「うーん」となるような演出を目の当たりにして、「あれ、もしかしてフレッドさんはガイリッチーさん系の演出が好きな人?」と思わず勘ぐってしまいました。笑 ■総じて、タイトルとジャケットではそそられなかったのに、実際に鑑賞したら観てよかった映画! ・どうしても「15ミニッツ」という映画とタイトルが似ており、B級作品感を感じていたこと。ジャケットが全くそそられなかった…のですが、実際に鑑賞してみると、個人的にはA級作品!と思いました。 ・「実話を基に作られている」というリアリティもまた素敵。一見、フィクション映画に見えるのですが、映画の頭とお尻に挿入される史実テロップが、現実世界とリンクさせてくれて、歴史を調べたくなります。 ・また、ジブチはフランス最後の植民地、ということでその場所が映画冒頭に地図上で示されるのですが、それがまたフランスからは遠い場所で、その前提条件を頭の中にインプットしてくれているので、一層臨場感を増してくれます。 ・哲学的な何か、を得られるわけではありませんが、単純にアクションモノとして、人間の葛藤を描くヒューマンドラマモノとして観ていて愉しめる作品かと思います。特に、ナイスミドルなスナイパーたちがとてもカッコよくて素敵でした。ありがとうございました。 #映画 #15ミニッツ・ウォー #15MinutesOfWar #2019年 #フランス映画 #ベルギー映画 #アクション #ヒューマンドラマ #スナイパー #バスジャック #テロ #フレッド・グリヴォア監督 #アルバン・ルノワール #オルガ・キュリレンコ #タイトル×ジャケットからは想像つかなかった面白さ #全体3.6 #物語3.6 #演出3.7 #演技3.7 #配役3.6 #映像3.5 #音楽3.5
がんばれ!!ジブチくん!!
単なるテロ対策戦争映画とは言えないと感じた。まずは特殊部隊結成前の狙撃兵の寄せ集め感、それぞれが「人を撃ったことはあるか?」とか「テロリストも人間だ」などと人道的な側面を見せ、元教師のテロリストの内面も少し見せていた。相手が誰であれ、人は人。 そうした現場での狙撃兵とバスジャック犯を描きながらも、勇猛果敢に子どもたちの世話をすると乗り込んでいった女性教師ジェーンが眩しい。やっぱりオルガ・キュリレンコ(ウクライナ出身)はいい!痺れた。拳銃を持つ姿もボンドガール出身だけあってサマになっているのです。 テロリストの要求は政治犯の解放とフランスからの独立。結局のところ、翌年にはフランスから独立しているし、このテロリストたちの主張も通った形だ。しかし、ソマリア国境地帯には中立であるはずのソマリア兵が構えているし、KGBと見られる軍人もいた。国際問題へと発展しかねない局地戦ではあったものの後始末は大丈夫だったのか? そんな現場での修羅場ともいえる15分間の銭湯は圧巻。単純に狙撃だけでは終わらなかったのだ。フランス政府側の態度も結局は20世紀帝国主義の負の遺産のような雰囲気で、ジブチ独立を阻もうとする態度がミエミエ。狙撃のゴーサインを出さないどころか、外交裏取引といいつつもソ連の影に怯えていただけのような気もした。 実際の事件を元にした作品なだけに、緊張感を得るためには知らずに見たほうが面白いと思う。人物の脚色も全体的にはいいけど、CIAのシェファーだけが違和感アリアリ。はっきり言って要らない人物。
これが成功と言えるのか?
決死の事情もある犯人を全員射殺し30人もの人質を救出してもこの言葉を言わねばならなかった隊長。それでも全く揺るがず進んでいかなければならない対テロ部隊GIGN。
それらに明確に焦点を合わせて作ったなかなかの快作でした、後味の苦さも含めて。
劇場で観ればもっと良かったでしょう、製作者すまぬ。
スナイパー好きならオススメ
フランスの特殊部隊が正式に結成するまでの実話を元にした作品。 上下関係やスナイパーとして潜伏・狙撃するまでの緊張感はリアルに描かれていた。 最後は派手な戦闘シーンもあり最後まで見ていて飽きずに楽しめた。
なんか好きだった作品
なんか良かったですね 最初は女優の割に、冴えない5人組だなーと思ってたのですが 戦闘シーンはとても白熱してスナイパーゴーストばりによかったですね 短くもまとまっていて、黒人ボスもなんとなく憎めない感じでした。 ホントは3.38くらいかなと思ったですが 最後のカットが好きだったので3.5としました。
無敵のスナイパー部隊
前半は割愛。後半からが銃撃戦となり面白くなる。
最初狙撃するまでは慎重に慎重を重ねリハーサルしていたが、パリのよくわからないおばはんボス(?)がぐだぐだでずっと待てを繰り返していた事に痺れを切らし、もう撃っちまおうぜ!と、やっとバスジャックの黒んぼ達を狙撃。
一発で場所を特定されてこりゃやべーぞ、援軍も来ないしどうすんだこれと思ったが、バスの子供達が危ないとスナイパーライフル持ってバスに向かって突撃。ある程度狙撃して敵の数減ったか主人公達補正掛かって無傷でバスに到着。次々と敵を撃ち殺していく様はもうすごいなと。どんだけ敵さん銃の扱い下手くそなんだよと。
主人公達の無双っぷりが気持ち良いが、何か敵の攻撃が当たらな過ぎてちょっと何だかなぁ、ゲームのチュートリアルとか、途中で挟むムービーの様な補正バリバリさんだなぁと思いました。
緊迫
バスをハイジャックしたテロリストと狙撃手を軸としたフランス軍の対峙する作品。最大の見所は一向に狙撃の命令が下されないことに郷を似やしリスクを負って自分たちの判断で命令に背き攻撃を決断したシーン。まさに事件は会議室で起こっているんじゃない現場で起きてるんだ。
事件は現場で起きている!
フランス領ジブチで独立運動のテロリストが子供たちが乗るバスをジャックした実際のロワイヤダ人質事件を映画化。
原題L'Interventionは”介入”、邦題は15ミニッツ・ウォー、まさに一昼夜も待機して15分で決着。
従って決行までの1時間余はのらりくらりの政府上層部や他人事のような外人部隊の司令官にいらつきながら子供たちの安否に気を揉むことになる。
強行突破は最後の手段であることは分かるが政治犯は金では動くまいし、テロ支援のKGBまで出てくるのだから事態は悪化の一途、青島刑事(織田裕二)の名セリフではないが現場を知らない上層部、部下を信頼もせずに何のための特殊部隊投入なのだろうか。おまけに本事件がきっかけでGIGN(フランス国家憲兵隊治安介入部隊)」がもてはやされるとは、結果論を巧みに利用する政治家の狡猾さが鼻を突く。
映画ではスクール・バスになっているが実際にはフランス兵士の子供たちを乗せた軍のバスだった、運転手も兵士で重傷を負った。史実では5才から12歳までの31人がバスに乗っており2人の女の子が犠牲になり男の子1人はソマリア軍に誘拐されてしまったそうだ(後に解放)。
子供たちに寄り添った先生の覚悟には頭が下がるがこれも映画での脚色、教師ではなく軍の女性社会福祉士のJehanne Bruが志願したそうだ。
手榴弾をくらったにもかかわらず助かったのはまさに奇跡、映画は英断した特殊部隊を讃えているようですが結果オーライでは済まされないお粗末な介入でした。
人質事件の緊迫感を活写
フランス領ジブチで発生した通学バスジャック事件。その鎮圧を任された特殊部隊の活躍を描く物語。 緊迫感あるれるシリアスな映画で、個人的には秀作だと感じた映画です。 人質になった子供たち、彼等を守る為に毅然とした態度を崩さない女性、政治的な保身を繰り返すパリと外人部隊。そして、焼け付くような陽射しの中で射撃のチャンスをうかがう特殊部隊。 緊迫感が漂う展開は、秀逸で、画面から目が離せません。 難を言えば、もう少し人々の内面を描ければ、もっと良かったように思います。 例えば、テログループリーダーの人間性とか。或はそのリーダーと教師の交流(ストックホルム症候群)とか・・・それらを描ければ、もっと映画に奥行きが出て、クライマックスがより感傷的に感じられたように思えます。 クライマックスは少し派手になって、それ迄のリアルな流れを損なうように感じられました。しかし、映画全体の高評価を覆すものでもなかったと思います。
全く期待していなかった…
のですが、良作でした。どこまでが事実で脚色されてるかわからないが、実話ベースと言うのが、凄いの一言。冒頭から引き込まれ、緊迫感あり、テンポも良かった。狙撃のプロの特殊部隊5人とCIA1人がバスジャック犯5人を同時に射殺という離れ業。その後の銃撃戦も迫力あり。メンバー率いるアルバンが格好良い!メンバーも個性的に描かれ、魅せられた。何より、子供のために自ら人質となりにいく教師役オルガが勇ましい!これは事実だろうか?現場と指示するフランス政府側の意識の乖離も描かれ、より面白くしている。結局狙撃も命令無視して実行したし。しかし、女の子1人犠牲者となってしまったのが、実話だけに悲しい。
ジブチとソマリアの国境
1976年、仏領ジブチでスクールバスがテロリスト集団に乗っ取られ、子供たちを乗せたままソマリアに向かうが、仏軍がこれを阻止、にらみ合いが続く。 子供たちの女先生(オルガ・キュリレンコ)がやってきて、バスに乗り込む。 対テロ特殊部隊が到着、仏軍同士なのに仲が悪く、生徒にアメリカ人がいたのでCIAもやってくる。 政府と仏軍、犯人一味、テロリストに味方するソマリア軍など、とても緊迫感があり面白い。
フランス映画と侮ってはならない、良作。
同時一斉狙撃という作戦のもつ面白みもあり、スピード感も悪くない。 全体としては地味な進行だが、特殊部隊らしい悪態と軽口の応酬も洒落ていて、飽きずに見ていられる。 外国語映画の戦争物であまり面白かった記憶がないので警戒していたけれど、これは面白い。
圧巻の銃撃戦!
1976年フランスの植民地だったジブチで遂行された人質救出作戦を描いた作品ですが、人質のなる子供達を救出する為に現地派遣されたスナイパーチームと犯人達との攻防をスリリングに描いています。現場で司令部の出撃命令を待ち続ける個性的な精鋭部隊メンバーや、そのリーダーのジェルヴァル大尉役のアルバン・ルノワールが素晴らしい。最後の15分は圧巻でした。
主人公達が現れた瞬間からラストまでオシャレでイイ!彼らの作戦がなか...
主人公達が現れた瞬間からラストまでオシャレでイイ!彼らの作戦がなかなか決行出来ないフラストレーションから、1発撃ってからラストまでの爆発力に気持ちも入ってイッちゃいます!
あっという間でした
実話を基にした物語ということなので、どの部分がフィクションなのかはわかりませんが、緊迫感すごかったです。 この事件は全く知りませんでしたが、子供を人質に取るなんて本当に許せません。 女教師の腹の座った対応に感嘆しました。 現場の人達の決断がなければ、もっと悲惨な事態になってたのかもしれませんね。 あんなに怖い思いをした子供達が、その後幸せな人生を送ってくれたことを願わずにはいられません。
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