第三夫人と髪飾りのレビュー・感想・評価
全30件中、21~30件目を表示
次回作へ
好きなスパイクリー監督が称賛した映画と言うので観ました。ベトナムでは、上映4日で主演女優がバッシングを受け中止されたと聞いています。
内容は性しかない。
映像と音楽と良いのに不快しかないのは快楽の性しかないからだと思う。
本来の曾祖母の実話を元に作っているそうですが。ジェラシーもなく3人の婦人が助け合い生きたこと。性は男尊女卑の威圧の中で生きる為に必要だった、ほんの少しの楽しみだったのではないだろうか。批評家の人は本当が言えないと思う。
描いたものは美しくない。それがベトナムの人たちも毛嫌いしたのではないだろうか。
本当に美しいものが監督が熟成すれば生まれると思う
女性で何が悪いと
女性にとって窮屈な時代のお話だけれども、
その分素晴らしさが浮き彫りになるような仕組みかと。
女性の美しさをこれでもかと、
生きとし生けるものものの命をまわしているのだと、
私は女性だけれど、この映画でますます女性であることに
喜びを感じちゃいましたよ。
ど直球だった。
ズドーンとやられた。映画っていいわと。
女性監督による女性の抑圧と自由への渇望を、19世紀ベトナムの地方の自然の中で、悠然と描いていて力があります。タイトルからありがちなエロとか、女同士の確執とか、想像してしまいますけど、まるで違いました。
セリフがほとんどない中で、自然の中で営まれるベトナムの地方富裕階級の生活、そしてその中で女性たちの感情の起伏を繊細に描いて、そこにドラマがきちんと盛り込まれて、驚きます。
セリフがない分、全編音楽がその代わりをなしていて、これも素晴らしい。尺八みたいな笛もあるみたいで、映像美と共に堪能できる。
自然がすごく近くにあり、動物なしに成り立たない人間の生活を描くことにも監督は相当力を入れていたのでしょうね。遠くから美しく描くのではなく、血の匂いと共に手がくところに女性性を感じます。リアルなんですよね、やはり。
女がずっと味わってきた想いをずっしり感じながら、映画館を後にしたのでした。
「色」しか見えない
何の映画だったのか・・・。
自分には、色しか見えなかったし、色しか覚えていない。
特に、青い色。
“詩的”な作品であって、実話ベースとはいえ、ベトナムの昔の社会の慣習や「女性の歴史」を映し取ったと呼べるような、リアリズム映画ではなかった。
また、女という“性”がテーマであるが、予想していたほどの“官能的”な作品ではなかった。(ソフトな性交シーンや、女子の猥談レベルの台詞は出てくるが。)
会話はミニマムであり、ストーリーは追えるが、必ずしも具体的な“起承転結”を物語ろうとする意図をもった映画でさえないと感じられた。
エンドロールでは、「カラリスト」がクレジットされていたが、色調が徹底的に統一されている映画である。
さまざまな衣装の色を別とすれば、基本となるのは、白、緑、そして、青。
「白」は、衣装で目立つが、主人公や子供の抜けるような肌の色も。
「緑」は、森深き環境の葉っぱの色で、ボリュームとしては一番目立つ。
そして「青」は、空や水や山陰だけでなく、石や煙など、通常はそれほど青くないはずのところまで青く見える。おそらくポスト・プロダクションで、色調をいじっているのではないか?
上記の全体のベースとなる色に対して、アクセントとして、ポイントポイントで使われるのが、黄、そして、赤。
「黄」は、明かりと、小さい花の色。
「赤」は、血の色。
その他は、子供が着る服の淡いピンク色くらいしか目立たない。
映画の最初から最後まで、ずっと水蒸気でぼんやりと煙ったような世界。
柔らかくて静かで甘い映像が、ひたすら続く。
覚悟と悟りと生きる術
19世紀の北ベトナムはチャンアンの富豪のもとに嫁いできた14歳の第三婦人とその家族の話。
第一夫人は親子程歳の離れた人物で成人の一人息子有り、第二夫人は二人の娘有りという状況で、後継ぎを産んでこそ奥様という環境の中、女性を中心にストーリーが展開していく。
第一夫人には若干の不安が有りそうな感じだったけたど、女同士のギスギスした話かと思いきや、主人公に対し非常に優しく接する先輩夫人達。後継ぎ候補を授かったら話は変わるのかもしれないけれど、第二夫人をみる限り、肩身の狭い感じもないし…。
あらすじに記されている秘密にしたって、まあ特に主人公に対してはそれ程影響を及ぼす感じはないし。
この時代、この国の文化や価値観が良く判らないからか深くは理解出来ていないけれど、主にもう一人の夫人の存在で何となくは閉塞感や孤独感と不安等、伝わってくるものはあったかな。
曾祖母の体験した実話に基づく話ということだから狙っているのかは判らないけど、蚕と女性とかけているところもあるのか考え過ぎか。
ラストの主人公の思いは自身の不安か子供の将来への憂いか…オーラスのシーンは判り易かったけど、全体的に何となく、雰囲気では頭に入ってくるものの感銘出来なかったし、響くものもなかったし、自分には難しかった。
タイトルなし
19世紀の北ベトナム
14歳のメイは
第三夫人として富豪のもとへ嫁ぐ
第一夫人・第二夫人
そしてその子供たちと共に暮らす生活
大奥の世界を想像しながら観始めたら…
.
メイを娘のように接する夫人たち
美しさの中にも静かな闘い…葛藤が見え…
世界遺産に認定された北ベトナムの秘境
美しい絵画的なチャンアンの地で
少女が大人へ女性へ成長する過程が
描かれていました
ベトナム映画は初めて観ました
ベトナムの民族制家族暮らし興味深く
その世界に引き込まれます
.
今作が長編映画デビューの
アッシュ・メイフェア監督の言葉
『ベトナムの女性の声を世界に知ってほしかった。私のようなアーティストたちは、若い女性たちが自身の力を信じ、尊べるようにと日々活動しています。
ベトナムの暗い歴史の一部であってもベトナムの美しさを見せたかった。
それは私が誇りと思っていることなのです。挑戦にはいつでも希望があります』.
.
この映画はベトナムで検閲済みで正式な上映許可を得ているにも関わらず、数日の興行の後に上映禁止となってしまったそうです
.
1945年の独立後もしばらく続いていた一夫多妻制は今はなく
法律では結婚年齢を男性満20歳以上女性は満18歳以上と規定されているそう
.
少女が覗く、禁断の大人の世界。
ベトナムでは4日間で上映禁止された問題作。
日本で、いよいよ解禁となりました。
舞台は19世紀のベトナム。
一夫多妻制が許されていたこの時代、14歳の少女が大富豪の家の第三夫人として、嫁いできたところから始まります。
第一夫人は男の子1人。
第二夫人は女の子3人。
そして、次こそは男の子を産んでほしいと、一族の願いを一身に受けてやってきた第三夫人。
男の子を産めば妻として認められると分かっているものの、そのプレッシャーはとても重い…。
ライバル同士が同じ屋根の下で暮らすという、かなりシビアな世界に感じましたが、いざ始まってみれば、3人仲良くしているのがちょっと怖い…。
腹の底で何考えてるのか分からない。
優しいアドバイスも、実は流産させるための罠なんじゃないか?
そんな不安に陥るものの、実はこの映画は女通しのドロドロしたバトルが主体と立っている訳ではありません。
本質はもっと別の、もっと深い人間としての本能、さらにはベトナム文化や風習、習慣、制度などが複雑に絡んでくる、かなりディープな内容。
ベトナムでは未成年の性描写が問題視され、上映禁止となったみたいですが、でも当たり前のように未成年との結婚が許されていた時代があったことは事実。
何も分からない幼い子供が、突然大人の世界に足を踏み入れる…。
第三夫人の目線から見る大人の世界は、かなり濃厚で、緻密で、大胆で、見ているだけで刺激がいっぱい。
まるで覗いてはいけない禁断の世界を覗いているかのような気持ちにさせられました。
そして、その禁断の世界に広がるのは、ベトナムの美しい風景。
世界遺産にもなっている、美しい緑と岩山と川のせせらぎに魅了されます。
彼女たちの美しい黒髪が、小川にサラサラと流れる描写は、うっとりと見とれるほど…。
遠くに見える山々と澄み渡るような澄んだ空気の情景が、現実の濃厚な世界と対比して、いつのまにか、この世界の虜になっていました。
今作は、19世紀のベトナムをたっぷりと堪能できる、魅力的な作品となりました。
ベトナムでは、まだまだ社会的に娯楽という観点で規制が厳しいようですが、いつかこの映画が世界だけでなく、自国で認められれば良いなと思います(^^)
なかなかのマニアックで素敵な映画をありがとうございました(*´ω`*)
全30件中、21~30件目を表示