「映像の美しさ!」第三夫人と髪飾り アンディぴっとさんの映画レビュー(感想・評価)
映像の美しさ!
風景がとても綺麗、特に水の映し方がとても綺麗。女性も豪華な衣装を着ているわけでも無いのにとても美しい。少女達もとても美しい。
19世紀のベトナム、日本でも江戸時代は側室がいたのだから、一夫多妻も特に珍しくもないのだろうけど、まだ14歳、少女。でもこの主人公メイは第一婦人にも第二次婦人にも可愛がられ、その子供達とも姉妹のように仲も良く、夫の愛情も得られ幸せだったんだろう。
対照的に描かれた第一婦人の息子に嫁いで来た少女は、触れてももらえず、実家の父には恥さらしと罵られ帰ることもできずにあの結末。なんて気の毒。
実際にメイ役の子は14歳位で、こんな役をやらせていいものか、と心配になった。しかし幼かった表情から、妊娠した後に第一婦人と夫が愛し合っているところを見てしまい少し嫉妬してしまう。少しずつ女の表情になっていく。大した演技力。将来どんな女優になるか楽しみ❣️
今晩は。
私の勝手な解釈ですが、第一夫人が子供を流産しても心の哀しみを懸命に抑えていた姿と、当時の時代背景とこの映画のトーンを考えると、メイが自分の命を絶つという選択肢は少ないのかな・・、と思いました。
女性が子供を産むだけの存在ではなく、(日本でも、武家に生まれた子は乳母が任されていた・・)自分の意思で自ら産んだ子供の生死も決めるのだ!という”哀しいですが”想いを、アッシュ・メイフェア監督は描こうと想ったのでは、と思いました。あくまで、推論です。
けれど、この映画の魅力はそのような隠された哀しみを覆いつくす、当時のベトナムの圧倒的に美しくも静謐な風景の中で生きる人々の姿ではないかな、とも思いました。
長くなりました。素敵な映画でしたね。
では、又。