「インディペンデント発、本格ヒーロー映画爆誕。」ライズ ダルライザー NEW EDITION たくトラさんの映画レビュー(感想・評価)
インディペンデント発、本格ヒーロー映画爆誕。
ヤバい、これは本当にヤバい。日本で、しかもご当地ヒーローが、MARVELもかくやという信じられない映画を作ってしまった!!
舞台は福島県白河市。ダルマをモチーフにしたヒーローの名前はダルマがライズ(=起き上がる)で「ダルライザー」。主演は白河市在住で、実際にダルライザーとして活動している和知健明さん。キャストもほとんど白河市の人。しかも、半分くらいは演技未経験。普通なら、この時点でおもしろい映画になるわけない。
そもそも「ご当地ヒーローモノなんて誰が見るんだ。所詮ただの宣伝映画だろう。」と言われかねないと思う。ごもっともだ。実際自分も鑑賞中はそういうバイアスを持ちながら観ていたのだが、それが中盤からあれよあれよと取っ払われていって、気付いたらただの、無茶苦茶面白い映画の世界にのめり込んでいた。エンドロールが流れるころには「一体何を見せられたんだ」というどデカイカルチャーショックと、「すげぇ良い映画見た!」という爽やかさだけが残って、破茶滅茶にウマイ酒が飲めます。話、めっちゃ盛り上がります。
この手の感動の仕方をしたのは実にシン・ゴジラを観たとき以来だ。地元への深い愛とともに原作の世界観、メッセージを作り上げた主演・プロデューサーの和知健明さんと、ご当地ヒーローという難題だからといって妥協せず、エンターテイメントとして他の映画にも負けないぞいってやってたら勝っちゃったほど狂った完成度に持っていった佐藤克則監督の確かな実力あっての奇跡だと思う。
だって、悪の組織の首領を演じてるの、白河市の旅館の、若旦那だぜ!?
幹部のおじさんとか、画面に出て来るとこっちが心配しちゃうくらい、棒読みなんだぜ!?
おもしろくなるわけないじゃん。だけどどうしてこんなにすげえものが出来ちゃうのか。
『飢えたライオン』『カメラを止めるな!』に続き、自主制作映画の底力をこれでもかと叩き付けてくれました。