「【”スクールウォーズ フランスバージョン” フランスの移民問題を教育の側面から描いた意欲作であり、様々な問題提起をしている作品でもある。】」12か月の未来図 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”スクールウォーズ フランスバージョン” フランスの移民問題を教育の側面から描いた意欲作であり、様々な問題提起をしている作品でもある。】
フランスの名門校、アンリ4世高校(凄い名前だ!)で教鞭をとるフランソワがある日、国民教育省の美しき女性、アガットと出会い、”先生は郊外で教えたいそうですね・・”という国策に巻き込まれ、あれよあれよという間に、郊外のバルバラ中学校に赴任する所から始まる物語。
ーうーん、分かり易いぞ、フランソワ君。
君の”鼻持ちならない名門校での生徒への接し方”へのお仕置きですね・・。-
バルバラ校の生徒達はフランソワが勤務していたアンリ4世高校の生徒達とは明らかに違う、移民系の生徒が8割。
しかも、学力は著しく劣る・・。
■バルバラ高に赴任した”それまでと違う”フランソワの姿
・様々な生徒の名前と顔を覚えようと頑張る姿勢。
・今まで生きて来た環境とは明らかに違う学校の風土(先生・生徒)に苛立ちながらも、そして自らの保身も考えながらも生徒にキチンとした人になってもらいたいと思う姿勢が仄かながら伺えるところ。
ー”レ・ミゼラブル”を教材に用いたり、ヴェルサイユ宮殿を”仄かな思いを寄せる”女性教師の思いを汲みながらも、遠足先にし、生徒達に文化的空間、雰囲気を現地現物で実体験させるところ。ー
・問題児、セドゥを含めて(ズルはあるが・・)生徒たちに“学ぶ喜び”を体感させていく過程は、粗い部分もあるが上手く描いている。
ーヴェルサイユ宮殿で悪戯をしてしまい、”指導協議会”の対象になってしまい、退学を勧告されたセドゥを守ろうとするフランソワの姿。-
<契約の一年が近づいたころには、問題児セドゥから”寂しくなる・・”と告げられ・・。
多少、脚本が粗い部分はあるが、”問題児から学ぶこともある・・”と言う劇中の言葉が腑に落ちた作品。
教師と生徒との関係という範疇を越えてイロイロと考えされられた作品でもある。>