AI崩壊のレビュー・感想・評価
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HALとスターツ
少なからずIT関連の仕事をしている立場から、
AIの社会的問題をどの様に映画表現しているのか
興味を持って観賞しました。
前半、徐々にAIのデータが集まり出し機能が
高度化する様子や、ある程度の現実味を持った
AI共存型の社会となっていく様子が良く表現されて
いると思いました。
のぞみと名付けられたAIは、まるでHALの様に
振る舞い、最後はテレビコマーシャルで見る
スターツのロボットの様に、心と言う難題に
立ち向かいます。
まぁやっぱりそんなところでしょう。
AIの怖さは、1970年代に既にHALによって
問題提起されてしまっていますね。
全体的なストーリー展開は、良くも悪くも
邦画っぽさがあり、そこそこ楽しめました。
セキュリティの脅威
強固なAIのセキュリティに介入できる可能性のある人物がすぐに特定されてしまうのが難点。
随所にそれを匂わせる会話や振舞いがあるので逆に何で周りが気付かないのかが疑問。
近未来に起こりうる衝撃作だが犯人の謎解きが浅く薄い内容になったのが残念な作品です。
アリスちゃんと三浦友和が良いわ
人工知能が、人々の健康を管理する近未来。
開発者の主人公は、日本を離れ1人娘と暮らしてるが、日本に戻って表彰式に参加した時、AIが暴走し始め人々の価値を判断し生死を決めようとする。
うーん。多少のシュチュエーションは違うにしても今まで何回かこんなやつ見た気がする。
逃げまどう主人公を警察側のA Iが追っかけるくだりは、そんなバカなとは思う事あるがなかなか面白い。
真犯人も想定内だし今ひとつ逆転劇は無く、娘の閉じ込められるくだりもうーんだわな。
ただ、相変わらず広瀬アリスは、いいし、一緒に行動する昭和の刑事、三浦友和も良かったわ。
娯楽映画です
いずれ日本はAIに心を預ける時代が来るのかな。悲しい時代になっていく。
娯楽映画には悪くないですが、マジメに観ると損する。AI崩壊について沖縄の人にインタビューして、答えた言葉がおもしろかった。あの答えた感覚で観れば楽しいのかな。
AIが幸せを作り出す!?
今の時代のトピックと言ってもいいAIが題材の作品
◯ストーリー
今から10年後の日本・2030年。桐生は、亡き妻のため医療AI「のぞみ」開発していた。その時に、桐生はすでに研究を退いており、西村がそれを管理するHOPE社の代表を務めていた。そんな中、「のぞみ」が突如暴走を開始。その行方は…。
ストーリーはこんな感じ。
桐生は暴走された容疑者とされ追われ続けられる。そんシーンはものすごいスリリング。特に、カーアクション。これは面白かった。
そして、物語が進んでいく。ネタバレは避けたいのでこれ以上は言わないが、常時、AIが話に絡み面白い。
しかし、全体としては面白味が足りなかったかなとも思った。
ただ、これは言えると思う。AIが幸せを作り出すには、まだ時間がかかりそうということ。私はAIについて賛成とも反対とも言えない。しかし、AIによって楽しみが奪われるのは避けられない。現代だって、色々なデジタル機器が増え、昔あった楽しみが消えているのは読み取れる。
AIはこれからどうなるのだろう。
アクションガッカリ
予想通りの展開に「こんなもんか」って感じ、ラストにビッグサプライズ期待したんですが。アクションシーンもガッカリ、あんなのハリウッドの足下にも及びません。AIの名前「HAL」にすれば笑えた?
ある種の期待を裏切らない!
AI崩壊!、、、タイトルからして臭ってきますね?
これは!と、ある種の期待を抱きやって来ました映画館。約2時間半のショートトリップ。
裏切らない!この作品は裏切らない!裏切らなさすぎと言えるのかもしれません。
この手の映画はいい裏切りと悪い裏切りがあって、どちらでも突き抜けていれば楽しめるのだが、、、
裏切らない!絶対に裏切らないから!
、、、最後に感想を一言。
テレビの2時間物を映画館でやるってどうなの?
期待以上の出来
キャストは地味に思えたし近未来物なので脚本によっては相当陳腐な話になるかと思ったが想像以上にキャストも嵌っていたしストーリーも良く飽きさせない展開も期待以上だった。主役の大沢さんやかっくんは勿論だが三浦さんや高嶋さんが居る事で安心して鑑賞出来。それにしてもサーバールームの広さ(奥行)に驚き、思わず日本映画も凄い事になったなぁと感慨深い気持ちになったのは多分自分だけだと思う。
もうこれは日本映画のお家芸
豪華なキャスト陣
日本全国を巻き込むパニックモノ
感動的なテーマソング
斎藤工さん提唱(?)の「ブロッコリー」ポスター
これだけである程度は察しは付くわけですが
この目で見てもいないうちは何も言え無いと思い観賞
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やっぱりかーい!
やっぱりやないか!
やっぱりや!
皆さん、やっぱりでした。
人間崩壊
AIというより、人間の崩壊のストーリーだ。
途中の監視カメラを避けながら逃亡する様は、どちらかというとアクションで少しドキドキするが、序盤の桐生と望の場面で、どんなガンでAIのどんな治療で治る可能性があるのかとか、桐生が研究所を去る動機づけとか説明が足りないし、エンディングに向けて、nozomi にプログラムを読み込ませる場面も間延びしてて、ちょっとイラッとする。
それに、犯人もバレバレだし(笑)。
因みに、年始に世界的な、あるアメリカの投資会社の会長が、もしかしたら、今年はAIが割とハリボテかもしれないと皆が考え始める年になるかもしれないと言っていた。
既に工場はオートメーション化されているし、サービス業にAIが入り込む余地は実は多くはないと世の中は理解しつつあるということらしい。
自動運転だって、実証実験の事故で、だいぶ先送りされそうだし、産官が日本のAIは遅れていると大騒ぎするのには、別の意図があるようにも思える。
それに、財政破綻が懸念されるのであれば、ぼくがAIだったら、予算の無駄遣いを監視する。
東大のロバートゲラーさんが、地震予知は不可能で、そんな事、皆知ってるのに、研究費をつけて欲しくて、騒いでるだけと言っていた。
東海地震、東南海地震と、予知が可能と言っていたのに、東日本の巨大地震は眼中になく、想定外とし、今は南海地震を煽る。
そして、儲かったり、懐が暖かくなるのは、マリコンと呼ばれる海洋土木関係の企業と、いわゆる昔の建設族議員たち。
日本の至る所に業界は違えど似たような構図があるのだ。
一億数千万人の健康データを集めて、病気を予想するより、こっちの方が制御が簡単だし、AIじゃなく民意でできる。
それに、医療コストが云々というが、反対側にいる企業や事業者にとっては利益のはずだ。
経済とはそういうものだ。
だから、バランスが大切で、国の無駄遣いを管理する方が今は大切なのだ。
そんな、こんなで、娯楽映画とは分かっていても、良く理解できていない人達を煽るのはやめた方が良いと思う。
量子コンピュータの方が投資しがいがあるし、山中さん達の研究や、代替エネルギーを考える方が、日本にも地球にも良いように思うのだ。
AIより人間が崩壊しかかっている。
こう思わせてくれたところを評価して、ちょっとポイントを底上げしました。
素直に鑑賞しましょ。面白かったです(*^^)v
結構長めの映画だけど、邦画にしてはなかなか見応えあったと思いますよ。大沢たかお氏、素敵です♡♡どこまでも賢くて、どこまでも強運で、どこまでも優しいぃぃ~~(o´艸`)ほれぼれしちゃう。賀来賢人くん、洗剤のCM見てると、なんだか面白キャラなイメージが固まってきてたけど、とっても誠実で姉、義兄想いのとっても素敵な役柄です♡♡好感持てる上に…クライマックスでは涙ぐんでしまいました。岩ちゃん、ふーんこんな役柄も良きです。お顔が可愛い過ぎて…と思って見てたけどだんだん奥底に秘めた悪が表情に出てきてましたよー。脇を固める三浦友和さん、広瀬アリスさん、奥様役の松嶋菜々子さん………素敵(*´ω`*)
AIの時代になりつつある昨今。無人運転車も実現してるしあながち全くの無いとも言えない内容で、ちょっとゾクッとします。だってIDで決済も、金融口座もデジタルで連動させてるし……現金払うよりカードやスマホで金銭管理し始めちゃってますもんね。でも………どんなに技術が進んでも「人間」としての血の通った温かみのあるコミュニケーションや「心」を絶対に見失いたくないですね。そんな事を感じた映画でした。あーだこーだとイチャモンつけずに、楽しく映画鑑賞しましょうよね(o^^o)あっという間に時間たちました。面白かったですよ。
そろそろ経済成長とか生産性の先のテーマが見てみたい
「言ってはいけない◯◯◯のこと」
「本当はみんな思ってる◯◯◯のこと」
みたいな煽り文句がそのままタイトルになっている本が定期的に刊行されますが、この映画はそれを映像媒体でやりたかったのでしょうか。
さすがに、そういう主張をする側が最後は敗れる展開にはなっていたけれど、それに対抗して勝利した側の論拠が弱過ぎて、(敗れた側の)そういう考え方もありかもな、と思わせてしまう危険性の高さがとても気になります。
国って、経済成長しなければいけないの?
生産性の高い人ばかり残って、世の中楽しい?
生産性の高い人ばかりの世の中になったら、テレビなんか見る人は激減し、テレビ局の雇用も減るのにね。
映画の世界も社会の多様性が失われ、さぞかしつまらない作品ばかりになるような気がします。
AIの人類史への自己学習が進むと究極的には、地球にとって一番有害な人類を消去するという結論になる、というのはもうターミネーターで教わりました。
国が成長戦略を転換する、というのは自らを否定することになり言いずらいと思うので、そろそろその先の近未来を示す映画が作られることを期待します。
見たあと家族に優しくなれる映画です
「AI崩壊」見てきました!凄い迫力感と、家族愛、仲間愛、見応えありました!ストーリーも面白い!話の展開、テンポスピード感、ベテランさん達のキャスト!、演技力、迫力ある映像、音響!どれをとっても世界で天下とれる作品です!これは世界に行くと思います。まだドキドキしてます! 何より大沢たかおさんの深みある甘い声、鍛え抜かれた肉体美、存在感ある動き表現、目が離せません、日本だけに留まらず、海外の基準でも、人々を魅了できる魅力の数々をお持ちです。さすがどりょくをかさねられてきたかたです。誰もをファンにさせてくださいます。こんなに走る姿が美しい人がいらしゃるんですね。本当心掴まれました。見たあと、迫力からの刺激と同時に、心に愛が広がります。この映画を見たあと、家族に優しく出来ます。
世界の枠で考えますと、これは、Los Angelesの映画館で放映してもHollywood映画に並んで見劣りしない、刺激好きなHollywood人々さへも虜にできる、誇れる大作です!
今日も又見に行きます!
これはSFなのか?
これSFなのか、SF映画ファンとしては中途半端で残念な内容。今から10年後で風景は変らず、車が自動運転になっている程度。ストーリ展開も無理無理。フェリーから冬の夜の海に飛び込んで、すぐに漁船の網にかかって助かるか?海に飛び込んだダウンジャケットで体を温めるか?その他、突っ込みどころ満載。三浦友和の熱演もかえって浮いてしまって違和感。最後のどんでん返しはあってもいいが、陳腐なシメでがっくり。大沢たかおの配役だけではリカバーできない。テレビドラマなら即チャンネルを変えるところ。
酷いの一言
昨日観てきました。
最近はパラサイト、ラストレターと、良作続きだったのでこの勢いで、と思ってましたが蓋を開けたらとんでもなくレベルの低い作品でした。
AI医療については個人的にもかなり取材しているので、多少知っていますが、SFとしてこんな未来があるかもね、というのを描くのは良いとして、リアリティがまるでない。監修として錚々たる学者たちが名を連ねていましたが、恥ずかしくないのかなというレベル。
観賞後、脚本監督が「22年目の告白」の入江さんと知って納得しました。彼はあの作品でオリジナルの「殺人の告白」の良さをぶち壊してましたし、ホントに考え方が浅はか。
そもそも、AIを扱った作品って必ずAIが反乱するけど、そういうものをテーマとして扱った上で、観客に何を伝えようとしてるのかがわからない。結局はその技術に人は迎合していくのに、技術に頼りすぎるなー!とか、あれだけCG使っといて、と思うし。
まぁ中身については語る程の中身がなかったので割愛。久しぶりに劇場に座っているのが苦痛な映画でした。
考えさせられる作品。みんなに観て欲しい。
舞台は『働ける人間は国民の50%、未来を担う子供は10%未満、残りの40%は年金老人と生活保護者』という10年後の日本。
この映画の恐ろしかった点は2つある。
ひとつは今現在の国や政治の在り方をみていれば実際の10年後もあんな感じなのではないかと疑ってしまうこと。
もうひとつは…AIを暴走させた犯人の主張を否定しきれない、そんな自分を知ってしまうこと。方法が殺戮である事がわかっているのに100%の力量で犯人の主張を否定できないでいる自分自身が怖い。これが一番怖かった。
海外ではこれまでも人工知能の暴走を題材にした映画が多々ありましたが『AI崩壊』はハリウッドの二番煎じなどではなく、どちらかといえば『こんな10年後がイヤなら、今、選挙に行こう』という社会風刺映画なのではないかと思う。
監督の取材記事に『犯人はもうひとつの正義』としているとのこと。ならばもっと桐生の正義vs犯人の正義。天才vs天才の攻防戦を見たかったので満点評価にはしませんでした。
☆☆☆★★★ オ〜〜〜!なかなか良いじゃないですか入江監督。 この...
☆☆☆★★★
オ〜〜〜!なかなか良いじゃないですか入江監督。
この原作(ノベライズ版?以降は原作と記します)から考えて、これだけの作品に仕上げたのだから評価されて然るべきと思いますね。
(但し、原作はとても読みやすい。でも内容がちょっと薄いのが💦)
…って事で原作読了済み。
生涯評価されずに急逝してしまった、ハリウッドエンターテイメントを代表する映像作家だったのがトニー・スコット。
彼が1998年に発表したのが『エネミー・オブ・アメリカ』
進化した社会の中で、近い将来には個人のプライバシーがなくなってしまう可能性を示唆していた。
公開当時は、「こんな事が実際に起こるのはまだ先の話だろう…」と。怖さは感じたものの、映画にはまだまだ〝作り物〟感は拭えなかった。
何しろ当時は、ネットも整備されてはいなかった時代。携帯の写真をメールに添付出来たかどうか?と言った時期。(私はまだ携帯を持ってはいなかった)少し《早すぎた》と言える不遇の作品だったのかも?…と、今にして考えると思えて来る。
その後、2006年にトニー・スコットは『デジャブ』を発表する。
当時はどうだっただろう?もう一般的にはネット社会がかなりの発達を遂げていたとは思うのだが…。
『デジャヴ』はそんな進化を反映し、世界中で生活する全人類の人を対象として。4日間遡っての行動を把握出来るシステムが確立されていた(←多分!記憶力が曖昧💦)
エンターテイメントに特化した良質なアクション映画を撮りながら、その才能を認められずにトニー・スコットはその生涯を終えた。
本作品を観た時に、真っ先に彼の事を思い出したのは。『エネミー…』から20年以上経った現在の日本で、やっとそこそこエンターテイメントに特化した近未来の日本映画が生まれつつあるのを実感したからです。
実際問題として、映画本来の出来としてはもう1つと言える箇所が多いのが現実。特に出演者の中で、原作とのイメージのギャップの違いが多いのは(登場人物達の性格・行動等から見ても)もう少しキャスティングに気を遣って欲しかったところ…。
原作と映画本編との違いの中で。原作だと、桐生の逃走経路の部分は、読んでいてもとても曖昧だったのですが。その辺りは映画の中で、防犯カメラ等を駆使した逃走経路は観ていて分かりやすい。その反面で、特殊警察(SITE)のだらしなさや、原作同様の都合の良さだったり時間経過の希薄さ(常に画面下に映るのに)は否めない。
但し、それに勝るくらいに。A Iの暴走から、社会全体が混乱する様相をしっかりと見せているのは、原作にはそれほど描かれていないだけに素直に評価したいと思います。
尤も、映画本編に於ける。犯人を追い詰める1番肝心な場面は…。
観ていても「お・前・は・バ・カ・か・?!」と、思わず出川の哲ちゃんばりの声を挙げそうになってしまった(´-`)
原作だと映像がないだけに、あまり感じなかったのですが。流石に映像として画面上に提示されるとなると。その間抜けっぷりの凄さに「だから日本映画はダメなんだよ!」…って言う(それ程は日本映画を観ないくせに)人が多くいそうな気にさせられるのが、ちょっと残念なところでした。
この時に協力を仰ぐ雑誌記者の重要な人物。
原作だと、この人物が様々なところから桐生・西村の2人を信頼し、事件解決へと奔走する。しかし、映画本編だとその様な描写は最後のみ。逆に、三浦&アリスの刑事コンビが、この人物の役割を兼ねている様にも見られた。
だがそれにより。この人物と、心との《友達関係》が映画本編では描かれてはいなかった。
元々は(原作では)愛煙家だけに。A I【のぞみ】の発達から、愛煙家にとって厳しい社会になってしまったA I社会への流れには、大きな憤りと忌々しさを持っていた。
それが、(原作だと)桐生の愛娘である心との《友達関係》から、「心を救いたい!」…とゆう強い思いが生まれる。原作を読んでいると納得出来るこの雑誌記者の協力関係。その1番肝心な場面での説得力が、映画本編には感じられなかったと言わざるを得ない…と。
…と。って言いつつ💦これだけエンタメに特化し、分かりやすい作品にした入江監督の手腕を評価したいと思いますね。今後もこの路線でお願いしますm(_ _)m
何ならば、山崎某よりも入江監督で撮影依頼をされてはいかがでしょうか?映画関係者の方々。
2020年1月31日 イオンシネマ板場/スクリーン8
人工知能は人を幸せにできるのか
近年、ビッグデータの解析やディープラーニング等の技術開発により、大きな注目を集めているAI。人々の暮らしを便利で豊かにするこの技術は、これからますます発達し、私たちの生活と切り離せないものになっていくでしょう。そして、AIに頼りきった近未来、そのAIが暴走したら…という、いかにもありそうな設定が興味をそそり、公開初日に鑑賞してきました。
序盤はスロースタートながら、近未来の舞台設定や、大沢たかおさん扮する桐生浩介の人物背景をきちんと描いていたので、AI「のぞみ」がどのような思いをもって開発されたのかがよくわかりました。主要な登場人物もここで出揃い、それぞれの立ち位置や相関も描かれ、事件のお膳立ては整いました。
そこから、突然のAI暴走で、一気に緊迫感が増します。すでに重要な社会インフラとなっているAI「のぞみ」の暴走は、人々の生活に大きな混乱をもたらし、命までもが危険にさらされます。そんな様子を、大がかりなロケで多数のエキストラを動員したと思われる映像で描き出し、決して映画の中だけのことではなく、現実にも十分起こりうることだと感じさせます。
そして、その騒動の容疑者として桐生浩介を追う、警察のAIがこれまたすごかったです。現在の技術があと少し進歩し、法律があと少し味方すれば、実際にできそうな追跡劇でした。技術のすごさはもちろんですが、それ以上に管理社会の恐ろしさを感じました。
ただ、これほど優秀なAIをもってしても、神がかり的なご都合主義による逃走にはかなわなかったようです。AIはデータ収集と解析で追跡をしているのですから、桐生も神の御加護ではなく、自身の知恵と腕で勝負して逃げ切ってほしかったところです。それがないままの逃走劇が長く描かれていたので、ここでややテンションが下がってしまったのは残念でした。
しかし、いよいよ黒幕と対峙するために動き出す場面では、序盤から張り続けたさまざまな伏線を回収し、桐生の才能を活用した見事な逆転劇が描かれていたのがよかったです。この点においては決して悪くない脚本だったのですが、序盤の伏線がわかりやすい、真犯人が容易に予想できる、桐生の逃走がご都合主義すぎる等の難点が多く、終盤のよさが生かしきれてないのは、とてももったいなく感じました。
「人工知能は人を幸せにできるのか」 人工知能を扱った作品としては、表現は違えどやはりこの問題が投げかけられます。答えはわかりませんが、そうであってほしいと願います。仮に人工知能を車のアクセルに例えるなら、私たちの人生をより豊かで快適なものへと加速させてくれる一方、いざというときに減速や停止するためのブレーキと、ハンドルを握るドライバーも絶対に必要です。「人は技術を安全に制御できるのか」 人間の為すべき役割はここにあるように思います。本作を通じて、そんなことを考えさせられました。
全243件中、201~220件目を表示