天気の子のレビュー・感想・評価
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素晴らしい映画作品だがモヤッとしたものが残る
いやー新海誠作品の風景描写はとにかく凄いですね。
現実の世界がこんなにもダイナミックで表情豊かで美しいなんて、新海誠に言われるまで気づかなかった。そのくらい凄い。
フロントガラスの雨を車のワイパーが拭う描写とか、ほんと細かいとこまですごいこだわりを感じる。
空撮の花火のシーンなんかもう圧巻です。
なんというか、この風景の迫力と美しさ溢れる映像は、それだけでとにかく劇場で見るべき積極的な理由になる。大スクリーンで見てこそ、これは映画としてとても大事なことですよね。
さて映画の内容についてですが、息苦しいこのご時世に、必死で生きる若者のお話としてとてもおもしろく、観てて気づけば何度か涙が流れていた。
とてもいい映画だと思う。
終わり方を除けば。
いや、ツイッターなどで正義感溢れるインターネット自警団のみなさん(笑)が、主人公のやってることは犯罪行為だと騒ぎ立てているようなことを言いたいわけではなく。
私だって高校生の頃に恋した女の子にもしものことがあって、助けることができるならなにを引き換えにしてでも助けたい。
彼にはそれを選択する機会があり、それを行使しただけなのだ。私でも同じことをする。
いや、同じことができる自分でありたい。
だからそれはいいのだが、それによって引き起こした背負うべきものの重さに対して「これで良かったんだ」と主人公が思うのはいいんだけど、それを捉えるスクリーンの視点が客観性に欠けるというか、ちょっと無邪気すぎるというか、めでたしめでたし、という雰囲気で美談として強引にまとめてしまおうとしていて、もう、そういうことにしとけ!っていう圧力が凄い。
RADWIMPSとかもう必死。美しいメロディーと歌声で、これはいい話だった!そうだよな?わかったな!?という方向に持っていこうとしていて、その雰囲気を醸成することに加担してる。
物語の途中では、なんかよくわからんけど気づいたら涙が流れていた、という素晴らしい映画にしか持ち得ない体験を与えられる稀有な作品であるにも関わらず、最後はなんとなく雰囲気で誤魔化そうとしているのである。これはちょっといただけない。
昔の名作アニメ「うる星やつら」のノリなら、シリアスなハッピーエンドと思いきや、大変なことになって割りを食った人たちが怒りにまかせて包丁持って追いかけてきて、逃げ去るところでチャンチャン、というベタでお約束な感じの最高のオチになると思うのだけど。
つまりこの幕の閉じ方はこの作品の雰囲気にはそぐわないというか、ご都合主義でもいいから最後は結局神様が許してくれたみたいなことでも良かった気がする。
ということで、視聴後から時間がたつにつれてモヤモヤしたものが具現化してくる感じで、スッキリと「面白かった!」とは言い切れないもどかしさは残る。
ここがもっとうまくまとめられていたら、「君の名は。」に匹敵するくらいの名作になったのではないだろうか?
それを割り引いても1800円と貴重な自由時間を捧げるに値する作品だとは思うので、0.5点だけ減点ということで。
ノリは合わないけど街並みは好き
これが本当の新海誠の世界観なのだとしたら、
前作「君の名は」は完全に万人受け狙いだったのだと思う。
なんというか、本作は独特の気持ち悪さがある。
ギャグのようなものがとにかく寒く、ついていけない。
話も結局オチがいまひとつ見えない。
愛のために主人公がめちゃくちゃするのを周りが助ける話としか捉えられず。
同じアニメのジブリは終始童話の世界観を守り続け、隠されたメッセージ性のようなものがあるが、
そういうものが好みなので単純に合わないだけなのだと思う。
でも新海誠が描く街並みは非常に好み。
かなりリアルに新宿や池袋が描かれていて、
私たちに身近な現実の中にありえないファンタジーが存在するという世界観自体はかなり引き込まれる。
「君の名は」は割と感動したので、少し本作は期待はずれ。
感動作!すばらしい作品でした。
新海誠さんだなあ
良くも悪くも新海誠さんだなあというのが所感です。ただ、前作の「君の名は。」に比べると少しひっかかる部分が多いように感じられました。
最初に気になったのが、スポンサーの企業について。作中度々商品が登場する場面がありましたが、ああ、前作のヒットから後ろにつく企業が増えたのだなと実感させると同時に、ひと夏を舞台にしたボーイ・ミーツ・ガールを描く作品でありながら裏にはお金とオトナが絡んでいるのだなと萎える瞬間がありました。
次に、作中での拳銃の扱いについて。拳銃を主人公が拾うことで、警察におわれる動機やピンチを何度か助ける舞台装置として機能していますが、見方によってはただ邪魔にも見えます。拳銃を所持し、発砲している時点で彼は不慮の事態とはいえ犯罪者にもなりかねない訳で、まず、拳銃が舞台に登場しなかったのならよりスムーズな話運びにできたのではと思ってしまいました。警察に追われる、線路の上を走るというシチュエーションの為に付与した設定なのでしょうが、蛇足とも取れます。
映像や演出に関しては流石の一言。しかし、映像力で押している部分もありますし、それが監督の持ち味でもあります。確かに、多少は賛否が分かれる作品だと思います。次回作も少年少女と世界の秘密、神秘、というテーマで来るのか。それで観客を飽きさせることは無いのか。それが次回の課題でしょうか。
劇場で見る価値のある良い作品でした。
東京が好きになる作品
面白かったです
一言で言ってしまうと中学生と高校生のラブストーリーにすぎないのですが、微細な映像美(特に雨露の表現は秀逸)、RADWINPSの奏でる繊細なBGM、圧倒的なカタルシス(まさかの東京崩壊)、ちょっとした伏線(三葉と瀧)があいまって、当事者の熱量の高さ、こういった要素がミックスアップして、まるで一枚の絵画を観賞しているような作品でした。
細かな設定はいろいろ気になりますが(現実ではありえない行動等)、そんなことを吹き飛ばしてくれるパワフルな作品です。『愛にできることは』という一貫したテーマの基で、しばし、常識の枠を取り外して非日常を与えてくれました。見終わった後は清々しいくらいスッキリした気持ちになれました。
小説も読んでからいきましたが、概ね忠実に再現されていましたし、また、君の名はを見たくもなりました。
(二人が再開する前の物語かなあ)
狂気の子
最初の感想は「つまらない」でしたが、そもそも私の受け取り方が間違っていたのではないかと思いましたのでまとめてみました。
まずこの作品はセカイ系のボーイミーツガールの青春ラブストーリーだと思いますが、そもそもこの認識が間違ってるのだと思いました。
この作品は主人公帆高の狂気を描いたダークファンタジーだと考えると色々なモヤモヤがスッキリします。
批判点としてよく上がっているのが帆高の行動に共感できない、彼に感情移入できないために置いてけぼりにされた感じがするというものですが、単に帆高が元々狂ってるということで説明がつきます。
むしろ帆高に感情移入させるつもりなどハナから無いのだと思います。
彼の背景は殆ど描写が無いですし、ラストの彼を見ても家族関係も悪くなく地元の人間関係にも特に問題は無いように感じます。
そんな彼がなぜ頑なに地元に戻らず、犯罪を犯してまで逃避行を強行したのか観客には理解できないので当然彼に共感できるわけがありません。
彼が陽菜にあそこまでの熱情を向ける理由が分からなかったために彼に共感できなかった方も多いでしょう。
若いから、向こう見ずな10代の恋愛だから、で説明がつくレベルを彼は逸脱しています。
特に批判の的となっている拳銃ですが、あれこそが帆高の狂気の象徴なのです。
考え直してみれば船上に初登場した時から彼は雨に狂喜乱舞していましたし、ずっと帆高は狂気の存在として描写されていたのです。
それなのに我々は彼を普通の高校生だと思い込もうとしていたため歪みが生じてモヤモヤしながら観ることになったのです。
ちなみにラストに近づくにつれて圭介や夏美も事務所を水浸しにしたり警察に逆らったり狂っていきますが、これも帆高の狂気に感化されたためです。
最終的には世界も彼の狂気に感化され、東京は元から海だっただの世界は元から狂ってるだの、帆高の行為を当たり前に受け入れる人間ばかり描写され、3年間雨しか降っていないのに元気に桜が開花しています。凄いですね帆高。
外側だけうまく青春ラブストーリーで仕立て上げ、中身は狂った主人公が世界を狂わせる話にするという辺り、流石新海誠というところでしょうか。
君の名はがかなり大衆寄りだったので変わっちゃったなと思いましたが安心しました。
ちなみに万が一これが徹頭徹尾青春ラブストーリーとして制作されていたのであれば星1つです。
大失敗!
素晴らしき水の表現。
新海誠作品の良さはなんと言っても背景画の美しさ。今回は水の表現が光った。
「言の葉の庭」あたりから水面や雨などの表現に比類なきモノを感じさせた新海誠作品が、とうとう雨を主題にした映画を作ったという感じ。
君の名はの彗星の描写で、CG技術をうまく使うなぁと思っていたが、今作ではそのCG技術が鼻に付くシーンがいくつかあった。
花火を空撮したような映像や、東京タワーを空撮したような映像がそれだ。引きのCG絵はアニメーションだとどうしても浮く。背景描写が緻密で美しいからこそなお、その違和感が引き立ってしまっていた。
また、新海誠作品では心の声的なナレーションがかなり入る。ここに好き嫌い別れる理由があると思う。
ジブリやスタジオ地図作品は、大事な場面でも、キャラクターが何も言わないでただ佇んでいたり、無言で何かしているというシーンが数多くあるが、新海誠作品ではあらゆるナレーションが入る。
(時をかける少女のラストシーン付近、まことが息を切らして走っている場面と、天気の子の、帆高が線路を走って行くシーンを見比べると面白い)
これにより、新海誠作品ではメインのキャラクターがなんとなく稚拙に写る(本音ダダ漏れだから)。しかし、それが青春時代の若さと相まって雰囲気を出しているのも事実だ。そこに加えてファンタジー要素が入るし、別空間に飛んだり時間をテーマにした要素が絡んでくるので、なんとなく、辻褄の合わない"夢心地"な雰囲気が作品全体に横たわっている。
"君の名は。"では、作品の主題とその"夢心地"な雰囲気がものすごくマッチしていたというのが多くの人の心を掴んだ要因の一つだと考える。
その点で天気の子は、警察、拳銃、売春、生活保護、親権問題など、夢心地さとは離れた要素が散りばめられていたので、君の名はほどの没入感はなかった。
ただ、話の流れは天気の子の方が理解しやすいし、小栗旬が声優を務めた須賀圭介の葛藤とキャラ設定は実に魅力的だった。
楽曲、グランドエスケープが流れるシーンはシンプルに美しく、興奮した。
そして何より、前述した水の表現が前面に出てきた事により映像美の部分でも類を見ないほど素晴らしいものとなっていた。
総じて、君の名はより完成度は高い。
が、新海誠作品の雰囲気に合っていたのは君の名はの方だった。
期待し過ぎたかな
若い人に込めるメッセージを強く感じる
前作と全然違うというのを聞いていて覚悟して観ました。
かなり美しい前作を裏切ってきたなと感心しました。
自分はたまたまお盆休み、新宿歌舞伎町の映画館で観たのですが、映画の舞台と相まってそのせいかより良かった。
観る前は、いつもだけど、ところどころ臭いところで息を止めて歩いて、相変わらず怪しい人達、たむろしてる危なっかしい若い子達、そして日本人より多いと感じる外国人…
無意識に嫌悪感に近いものを抱きながら通っていたけれど
観終わった後は、見事になんというか受け入れるではないけどむしろいとおしく嫌悪感はなくなり気にしないで頑張ろうみたいな気持ちになってる自分に変わってた。
そういうところがすごい映画だと思う。
前作では、映画館出て、東京がキラキラして見えて、嬉しくなったんだけど。またそれ以上の意識革命をやってのけて下さった。
最後の最後で、ドカンと感動が押し寄せました。
自分ひとりの力で世界は変えられるのだよとみんなその力があるんだと
理屈でなく弾丸のように強烈に魂に打ちこんでくる。
そんな気が私はしました。
闇が真っ暗だからこそ差し込む光はまばゆいのです。
綺麗事でないところにリアリティとして感じさせるものがある。
たぶんよくわからないと言っている人にも、無意識に刺さっているものがあるんじゃないかと思います。
それくらい六感にぶち込んでくる映画でした。
自分の中の心の声に、愛に背中を押され、全力で走り出したくなるんじゃないかな。
相変わらず細かい裏ネタ満載ですが、意識下に働きかけてくるところは物語というより音楽にも似ています。
全力で作ってくださりありがとうございます。
深海ワールドの帰還?
安定の映像美
群がるスポンサー企業のせいで台無し
映画自体は悪くないと感じました。ただ、登場人物の言動と、最後のオチが若干かみ合ってない気がします。もう少し早めの布石が欲しかったかも。
それはいいとしても、前作のヒットに便乗しようとしたスポンサー企業の存在感が強すぎます。
スポンサーに配慮した数々の演出。事前にとあるインスタント食品会社の醜悪なテレビCMを観た影響かもしれませんが、最終的に長編CMを見せられた気分になりました。
新海監督の魅力ではあるが
大々的な宣伝もされており、ハードルも上がっていた本作品。映像は他の新海作品にも見られる通り非常に美しい。
個人的に好きかどうかと聞かれると、どうしてもジブリ作品のシーンが頭を過ってしまう事が多く、作品自体に集中して鑑賞出来なかったので残念。
動機などの心理描写も全て明かされる訳では無いので、ややスッキリしない部分もあったが、新海監督の作品の魅力は閉じられた世界のように思っている。
友人も多く、キラキラとした派手な青春時代を過ごした人というより、フラストレーションのような物を抱えた、ある種の厨二病を経験した人物であれば強く突き刺さるのかも知れない。
主人公たちにしか分からない繋がり、秘匿性のようなものがあり、観覧者を置き去りにしてでも、登場人物が走って行くというのも特長ではないだろうか。
友人に勧めるかと聞かれると微妙ではあるが、見た人の感想を聞いてみたい、考察に期待したいという気持ちもある。
「世界なんて、元々狂ってんだよ」
須賀のこのセリフが、1番印象に残っているかな。
短く纏めると、本当に音楽の使い方が上手い、、、!
RADWIMPSの作詞作曲のセンスもあるが、このタイミングでこの曲をぶち込んでくるかぁ~という、パズルのピースがぴったりハマったような感覚を覚えた。
内容は普通といったところだろうか。
多少ドキドキはしたけど、なんとなくの予想通りに事は進んでいったので、そこまで衝撃はなかった。
でもshotamalさんのネタバレレビューの考察を読んで、かなり驚いた。
もしこれが本当なら、ストーリーの奥がなんと深いことか…
後作画も本当に綺麗。
さすが新海誠作品だなと、感心した。
あまり比べたくはないが、正直「君の名は。」程の衝撃と胸が熱くなる感覚はなかったかな。
でも普通に面白かったです。
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