劇場公開日 2019年7月19日

  • 予告編を見る

「ストレートな力作」天気の子 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ストレートな力作

2019年9月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

雨に濡れる東京の街並み、雲の間から射す日光など、とにかく画面の美しさ、細密さに目を見張る。
近年の異常気象、ゲリラ豪雨の頻発をモチーフに、東京に家出してきた少年の心情と行動を描く。震災を背景の一部とし、時間や空間のズレといったSF的ギミックに溢れていた前作と比較すると、本作はシンプルかつストレートな作品となっている。
社会現象となった前作から、相当のプレッシャーがあった中で、これだけのレベルの作品を完成させたことに素直に感心する。主人公二人の声、特に醍醐虎汰朗がピュアで自然で素晴らしい。
前作では、映像と音楽の力で一気に観せつつ、辻褄の合わない点も結構あったが、本作では、クライマックスで代々木の廃ビルで圭介が待ち受けていたところ(圭介はあの場所をどうして知ったのか?)ぐらいか。
ただし、前作もそうだが、ラストの主人公二人の再会シーンは、ピタッと決まった感じがしない。前作よりシリアスな本作では、観客を突き放すぐらいの終わり方でも良かったのではと思った。
ちょうど、夏休み恒例のジブリ作品連続放映とも重なったこともあり、宮崎駿に対するオマージュも強く感じた。

山の手ロック