「並の上の甲虫」イエスタデイ 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
並の上の甲虫
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プロットを聞いた時から面白そうと期待していたのだが、事故の昏倒から目覚めたら…と来ればてっきり夢落ちかと予測していたら、そうではなかった。インド系の垢抜けない男をわざわざ主人公にしたのも、この設定を活かすためなら、むべなるかなという感じ。でもやはりちょっとステージ映えしないかな。
「イエスタデイ」なんて数あるビートルズの曲の中でも定番中の定番すぎて、ふだんはあまり気にもかけていない曲だが、主人公がギター一本で何気なく弾き出すシーンではうるうる来てしまった。あと、後半ある人物に逢うくだりは、完全に意表を突かれて、すべてはこのシーンに帰結するための設定ではないかとさえ思えるほどだった。今でも思い出すだけで泣きそうになってくる。
先日ビートルズのコピーバンドのコンサートに行ったのだが、同じ詞、同じ旋律、同じアレンジであっても、やはりオリジナルとは別物という印象だった。前述のシーンで感動したのは既にオリジナルの「イエスタデイ」を知っていたからで、必ずしも同じ曲をまったく別のミュージシャンが発表したからと言って、巷間に流布するとは限らない気がする(インディーズのミュージシャンが作った埋もれた名曲はおそらくごまんとある)。そのあたりの信憑性がちょっと引っかかった。
ポール・マッカートニーはこの映画を見たんでしょうか?持ち上げぶりにちょっと面映いかも。
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