「イエスタディ、トゥデイ、そして、Life goes on.」イエスタデイ ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
イエスタディ、トゥデイ、そして、Life goes on.
高校時代、ビートルズを語り合った友人が、双極性障害がひどくなって、学校を辞めて、家族の意向もあって、もう会うこともなくなった。
僕は、躁でも鬱でも普通に話していたつもりだったが、もう会うことはなくなった。
ジョンが撃たれて亡くなったときと同じくらい悲しかった。
Come Togetherが好きなやつで、僕より断然ビートルズ好きだった。
ビートルズについて色々教えてもらった。
彼は、この映画を観るだろうか。
映画のストーリーは、ビートルズそのものにも重なる。
スターダムにのし上がり、世界中を騒然とさせた熱狂、プライベートなど皆無な生活、疲弊、軋轢、そして、ライブ活動の突然の中止。
ジャックがリバプールを訪れ、ビートルズの原点に触れようとしたように、ビートルズも自分たちの音楽の原点に回帰しようとしたのではないか。
スタジオ録音になってからも僕達の知る大好きな曲はたくさん生まれた。
僕は、アルバムというものを複数の曲から構成されるパッケージとしての作品に仕立て上げたのはビートルズがパイオニアだと思う。
リオ・コーエンが、奥田民生とNHKのEテレSwitchに出た時、アルバム制作に苦労していたレッドツェッペリンが、シングル曲のダウンロードの時代に生まれてたら、もっと長く音楽活動出来てたかもと言っていて、そうかーと、少し気の毒にもなったが、やはり完成度の高いアルバムも魅力的だ。
しかし、解散。
ビートルズは消えた。
でも、曲は残った。
映画と同じだ。
映画のストーリーのように、突然、ビートルズが世の中から消えて、僕達に記憶がなくなっていて、あのボリュームの曲が突然沸いて出てきたら、世の中はついていけず、大混乱だろう。
それほど名曲揃いなのだ。
細かい描写も良い。
歌詞なんか全部頭に入ってるわけはないのだ。
でも、聴いたら、ビートルズだとハッキリ分かる!
ただ、エド・シーランに、ヘイ・デュードが良いと言わせたのは、チョット気の毒だ。
そして、ビートルズのない世界では、ジョンが生きていた!
でも、ジョンが語る人生は、ビートルズのジョンの人生そのものではないか。
イエスタディ、トゥデイ…そして、
オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ、人生は続くのさ!
人生はまだまだ続くのさ!
君も楽しみたいなら、歌おうよオブ・ラ・ディ、ブラ・ダ!
僕は僕の友人ほど筋金入りではないが間違いなくビートルズファンだ。
レコードは全アルバムだけじゃなくて、アビー・ロードとサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドはピクチャー・レコードも持ってる。
ロンドンに住んでた時には、恥ずかしながら、アビー・ロードや、リバプールのストロベリー・フィールズ、ペニー・レーンなど聖地巡りもした。
ストロベリー・フィールズ・フォーエバーは、カラオケの十八番だし、年末には、オノ・ヨーコのように声を張り上げてハッピー・クリスマスを歌う。
ウォー・イズ・オーヴァー・イーフ・ユー・ウォーニット・ウォー・イズ・オヴァー・ナウ(War is over if you want it.War is over now.)だ。
ビートルズの奏でた、若々しさやみずみずしさや、優しさ、悲しさ、勢い、憤りもメッセ―ジも沢山、多くの人に聞いてほしい。
そして、あんな昔から、ずっと平和を願っていた、彼らの気持ちに触れてほしい。
最近の音楽をベースにした映画では一番好きだった。エド・シーランは本物で、ジョンは似てたけど…まあ、偽物だったけど。
「サージェントペパーズ」は、人生の中で私が一番聞いたアルバムです。本当に(物理的に)擦りきれるほど聞きました。後にも先にも、あんなにアルバムを聞くことはないでしょう。
あの夜、テレビのジョンのことを伝えるニュースで、「レット・イット・ビー」が流されるのにとても違和感がありました。(「レット・イット・ビー」は大好きですが・・・)(その後、「スタンド・バイ・ミー」を歌う場面が多くながれるようになりましたが)
この映画で、78歳の彼を見た時の気持ちはとても言葉では表せません。
映画のストーリーや内容やその他の何にも関係なく、涙が止まりませんでした。一緒に行った人はとても心配してくれました。
おはようございます。レビュー拝見しました。ワンコさんのレビューは悲しみも沢山あるけれど、前を向いて行こう。というトーンがいつも感じられ、当方も勇気付けられる事が多いです。私事で恐縮ですが、一昨日の台風により、私が直前まで仕事でお邪魔した会社が水没し、今から対策会議です。ダウナーな気分になっていたのですが、貴方のレビューに少し勇気を貰いました。有難うございます。