アスのレビュー・感想・評価
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「ハンズ・アクロス・アメリカ」という設定がすでにコメディーやん
「ゲット・アウト」があまりにも面白かったので観る前の期待値が高くなりすぎてしまった。本人が言うように決して大作を撮る監督ではないし、ちょっとしたアイデアのどちらかといえばB級テイストコメディホラーである。そして困ったことに「コメディ」という先入観が強すぎて「怖い部分」を正しく怖がることができなくなってしまっているのだ(あくまで私は)。しかしテーマはやはり「アンチトランプアメリカ」であり、格差社会と移民差別そして何より黒人差別社会への異議申し立てが前作にも増して鮮明に、ストレートに表出されている。それはそうだろうなと。「白人社会への怨みの深さ」は映画何本作っても言い足りないだろうなと想像出来る。いけ好かない白人上流一家を「悪役のそっくりさん」という設定(映画的大義名分)を借りて、やりたい放題打ちのめすシーンがおそらくは一番撮りたかったのではなかろうか。それはタランティーノが「正義」の名の下に自身の変態性を正当化しているのに似ている。
「Under the Santa Cruz」
「旧約聖書 エレミヤ書 11章11節」と書かれた段ボールを抱えた男が過去、現代の物語の随所に出てくる。 エレミヤ書って、ユダへの裁きのメッセージだったよな?と思いつつ鑑賞。 鑑賞後、調べると11節にはかなりショッキングな主の言葉が記されているので、それをモチーフとしたと思われる。 狂信的な部分も垣間見えたので、「Under the Silver Lake」のダークパターンに突っ込んでいくかと思ったが、植木鋏、赤い服が印象的な視覚恐怖の世界に引き釣り込まれた。 訳の分からないモノに支配されていく世界感や、ワンダーランドである遊園地が舞台だったり、惨劇の舞台がサンタ・クルスだし、不穏な雰囲気が増して行くジョーダンワールドは健在。 あの、印象的なラストは解釈分かれるだろうな。
独特であり奥が深い
ゲットアウトの監督ジョーダン・ピールの最新作の映画という事で映画館まで見に行った。今回もまたやはり考えが独特な雰囲気が第一印象に。そして不気味で怖さもある。だが、最後のあれだけはなんかモヤモヤした感じで...なんか不思議な作品だったなぁと感じたと同時に好き嫌い別れる作品かもとも思った。
ごめんなさい。いまいち。
自分の中にもう一人別人格の自分がいて、眠っているときに、何かしてるんじゃないかとか、別に自分とそっくりな人間がいたらどうしようとか、考えて怖くなったことがある。 前者は、解離性同一障害への恐怖、後者は、パラレルワールドがあるのではないかとといったSFの読みすぎによるものだったりする。 なんかこの映画は、少し哲学的なところをターゲットにしつつ、登場する家族は、皆が独りよがりで、助言など聞く気のないとか、ありふれてて、バランスが非常に悪い。 なんか、妙なところが、ひねりすぎ。
US=アメリカ
前作ゲット・アウトと比較してしまうのは仕方ないのですが、今回はいかんせん、結末は予想できてしまいます。 ある程度映画を観ている方なら、序盤で何となく想像がつくかと。 つまり、この映画はどんでん返しを楽しむ映画ではないのです。 自分と同じように見た目でありながら、明らかに人間離れした行動をし、目的は分からないのにニタニタと笑いながらハサミを持って襲ってくる。 得体の知れない理不尽な恐怖は、不穏な音楽と相まって素晴らしかったです。 相変わらず、観客の神経を逆撫でするのが上手(誉めてます) 物語が進むにつれ、監督が伝えようとする違和感の正体が分かり、それにゾッとします。 ホラーではなく、人間の本質の怖さであったことに気づきます。 アメリカという国が見て見ぬふりをしてきた部分。 映画では◯◯ですが、現実には貧困です。貧困層は、声を持たない。伝える術がなく、教育も受けられずに追いやられている。 そして、持てる者は、自分が脅かされると、途端に善人の化けの皮が剥がれ、相手を全力で叩き潰す。自分たちが加害者(=侵略者)である事実には目を伏せて。(終盤にその場面があります) 善人のように振る舞っていても、それは自分たちが常に優位だから。 それが脅かされれば、どんな手段でも使う。 それが、アメリカだと。 監督の痛烈なメッセージが込められていると感じました。
奇跡の家族
1986年サンタクルーズの遊園地で不思議な体験をしトラウマを抱えた少女が大人になり、家族4人で訪れた同地で再び恐怖に見舞われる話。 突然現れた自分達家族とそっくりな人物達によるプレッシャーはスリリングだし、ミステリアスだし、ホラーだし、そこそこ盛り上がるのだけれど、そこにはなぜ?どういうこと?という疑問がついて回る内容になっている。 正体とか状況の説明がされるとその設定はまあ良いとして、ご都合主義というか支離滅裂というか、だとしてもこの結果にならないよね?と、ストーリーの筋が通っていない感じ。 大オチも予想を超えてくる程ではないし、やはりだとしたら言ってることに矛盾があるし。 もうちょい練って設定つくるか、グチャグチャに入り乱れさせる展開だったらね。 ちなみに、前半でエレミヤ書11章11節が強調されているけど良くわからず、鑑賞後調べてみたけどやっぱりこのストーリーとの関係は良くわからず…一般的な人間社会のこと言ってるのか?
微妙でした。
クローン人間の居た施設だけど 研究所?刑務所? この映画お金かけてないのか? 雑すぎでしょ(笑) とてもクローン研究所とは思えない うさぎがやたら居るけど何で? 食料?ペット? どこの国の何のための研究なの? 研究員はどうしたんでしょうかね? 突っ込みどころいろいろあると思います ラストは予想通りなオチですね。 ちょっと期待はずれでした。
2作目は残念でした。
前半のテンポも良くないし、ストーリーに無理がありすぎです。観客の裏をかくためムリやり捻った構成です。あの施設何のため?あんな簡単に出入りできんの??あの動物そんなに意味ないなあ、とか多すぎです。 しかし不気味さの描写は良く、引き込まれます。 いっそのこと全てを説明せず観客に想像させるように作った方が深みもでたのは??そうだとすればあれは矛盾してるよな、が多すぎです。宗教的なモチーフすら仕掛けのための小道具に思えます。 期待が大きかっただけに残念作です。
中盤まではゾクゾク来た
うーん。とにかく惜しい。現代アメリカの格差を描いた等の解説もあるけれども、純粋にホラー映画として期待していたので、後半からの失速は、ちょっといただけないかな。 それでも、別荘に奴らが現れてからの怖さは、今年一番だった。あのままだったらメンタルがやられてたね。 あのオチだったら正体不明の奴らのまま終わった方がよかったかも。
2019-80
この現実離れした設定を受け入れられるかどうか。 『ゲット・アウト』の独特の怪しい雰囲気が好きだったので、結構前から本作を心待ちにしてました。 怪しい雰囲気は満ち溢れています。これが好きなんだよなぁ。 ただ冒頭に書いた通り、自分そっくりの赤ずくめの人間がいる理由が結構ぶっとんでるので、その説明を聞いて受け入れられるかで、評価は変わるような気がします。 そんなことある?、と思ってしまったら、ゲット・アウトしたくなるかも。 個人的にはぶっとんだ設定が腑に落ちたわけではないけど、アリっちゃアリかなぁと思ったのですが、だったらもっとシリアスな感じがよかったかなぁと。 ちょいちょい夫がボケ担当したりするのですが、それが笑いや絶望に感じるならいいとして、イライラしてしまう。 そうすると、別路線ホラーに感じてしまって。 ルピタ・ニョンゴってまだ30そこそこと思ってたので、こんな大きい娘のいる母ちゃん役かぁ🤔だったのですが、この人若々しいですね。 そりゃ、母ちゃんなら大丈夫ってなるわ(笑) ルピタの演技力もすごいし、エリザベス・モスがすごかった。
設定が無理くり過ぎる^^;;;
金曜レイトショーは、コレ! ゲット・アウトと同じく黒人俳優さんが、恐怖を演じると緊迫感も怖さも倍増@@! ポスターからもそれは伝わりますよね。。。 瓜二つの別人ドッペルゲンガーってのは、幽霊や宇宙人よりリアルにいると思いますが・・・ ストーリー設定が、あまりもありえないB級感満載^^;;;; しかし最後はmやっぱりそうやったんって衝撃の(°0° ;;) 秋の夜長〜おヒマならレイトショーかサービスデイ利用で、前情報なしに是非!
私達の恐怖と無自覚
「幽霊より怖いのは人間」、「他人より自分を知るべき」というよく言われているようなことが嫌味なく物語に練り込まれ、最初から最後まで楽しく(ビビりながら)鑑賞。 窮地を脱して行くほどに、逆に主人公家族の人間性が問われ、追い詰めていく意地悪な展開が最高。 コミュニケーションを図るとき、誰もが相手を必要とする。 その相手は、一般的には「他人」と呼ばれる。 その「他人」が「自分」だったら? その「自分」が牙を向いて向かってきて、自分が「自分」を打ちのめしたとき、自分の中にいるもう一人の自分がやったという言い訳すら許されない。 だって、もう一人の自分は目の前に倒れているのだから。 私がやったのだから。 やったのは、私自身なのだから。 それ故に本作は「us(私達)」なのだ。 本作は純粋なホラー映画として十分に楽しめるが、現在の社会情勢に対する監督の憂慮が随所から伝わってきて、私にはそれを無視することができなかった。 それは侵入者の「私達」家族が何者であるのかを問われた際の返答に顕著に表れている。 本作はアメリカにとっては移民問題であり、全世界的な排他的な潮流を投影している。 自分が声高に非難する相手は「自分」であり、その「自分」を排除した自分は何者でもなくなる、もしくは怪物に成り果てるというメッセージではないかと感じた。 人類皆兄弟なんて青臭い博愛主義にしか聞こえないかもしれないが、そんなことをあえて問い直さないといけない状態なんだという監督の強い危機感なのではないかと思う。 自分に牙を向く相手にどう対処するか。 本作は黙って耐えることは要求しない。 ただ自分の言動の攻撃性に無自覚な者は相手と全く同質であるし、相手を打ち負かしても自分すら残らない。 本作には序盤から自分の攻撃性に自覚的な登場人物が一人だけいた。 だがその人物の最期の表情に監督の憂慮が透けて見える。 まだまだ語り尽くせない。 これが監督の力量、この映画の力なんだと思う。
何に納得するのかは人それぞれなのか?。
アクション部分に恥ずかしながらも、少し驚いたから楽しく鑑賞が出来たけど、正直、矛盾を凄く感じるので、脚本に魅力は感じなかった。あのオチも、観客を驚かせる為だけの無理やり感が凄く感じた。
アメリカでは大ヒットだったが・・・
日本ではこの手のジャンルは客が入らないのだろうか、 日本公開がかなり遅かったし、公開初日にも関わらず都内シネコンでの客入りは寂しかった。 ジョーダン・ピール監督は前作「ゲット・アウト」で黒人青年の恐怖を描きました。社会問題とホラー映画とを結びつけたその巧みなシナリオで、見事アカデミー脚本賞を受賞しました。 本作「アス」では何を描いたのかというと、多分貧困問題だと思います。 1986年で始まるこの映画。当時アメリカでは「Hands Across America」という慈善運動"貧しい人たちを救う寄付を集めるためにアメリカ人みんなが手をつないで西海岸から東海岸まで手をつないで1列に並びまょうという運動"がありました。その当時の映像の引用から始まります。 この映画を見ていくと、登場人物は比較的裕福な人達なんだということがわかる。 そして、本編中では旧約聖書のエミリア書第11章11節の一節が引用されます。そこにはこう書いてあります。 "それゆえ主はこう言われる、見よ、わたしは災を彼らの上に下す。彼らはそれを免れることはできない。彼らがわたしを呼んでも、わたしは聞かない。" ※Wikipediaより抜粋 富裕層の人達が自分の地位や生活を奪われる恐怖 と、 ドッペルゲンガーなどのホラー映画お決まりの記号的演出を組み合わせたまさにジョーダン・ピール監督らしい作品だと思う。 まさに神の裁きだと言わんばかりの意味深な演出も嫌な感じ出てるし、人里離れた場所で感じる嫌な感じ、寂れた遊園地の不気味さ、潜在的に感じる恐怖を呼び覚ましてくれるような演出がよかった。 私は大好物だ。
グロくないのに怖い、でも結構難しい
R15+指定がついてますが、直接的なグロ描写は少なく、植木バサミといういかにも鋭利な凶器が予告でも象徴的に登場してますが、殺害シーンになるとカメラが引いたりズレたりするので、痛々しい描写は見ずに済んだので個人的には安心しました。(ゼロじゃないけど…) 「ゲット・アウト」同様、ホラーだけどただ殺し屋怖い!とかオバケ怖い!じゃない、サスペンス要素がたっぷりで、しかも観終わってアメリカ文化を調べたくなる感じは流石です。前半1時間は伏線張り巡らしまくりなので、ずっと不安ではあるけど何かが起きるわけじゃない。そして後半で起きる数々の出来事と伏線回収に「そうだったのか!」が気持ち良い。びっくり・ドキドキ・ハラハラもてんこ盛りなので、ホラーとしても楽しいです。 ただ、ちょっと今回のネタは「ゲット・アウト」ほど分かり易くないので、まだ理解しきれてなかったりもします。謎解きは劇中でもありますが、もうちょい詳しく説明してくれないと分からない…。アメリカ人だと分かるのかな? なので満足度は期待値には届かなかったですが、またしても新感覚ホラーで楽しませてくれたので、これはこれでアリです!
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