「美しく切ない逃避行」ガルヴェストン とえさんの映画レビュー(感想・評価)
美しく切ない逃避行
とても美しく切ない映画だった
自分は肺がんだと知ってしまっだった裏社会の男ロイ(ベン・フォスター)と、身体を売ることでしか生活していくことができない少女ロッキー(エル・ファニング)の逃避行
彼らは荒んだ社会の底辺に生きている
その中で、寂しげにたたずむロッキーは、まるで荒野に咲く一輪の花のように、とても儚くて美しい
彼女はきっと、ロイにとっては触れてはいけない、触れたら壊れてしまうような存在だっただろうと思う
だからこそ、残りの命をかけても、彼女を幸せにしたいと思ったし、そんな泥沼の世界から救い出してあげたいと思ったのだろう
しかし、現実はロイが思うよりも厳しい
そのどうにもならないロイの思いが、とてももどかしくて切なかった
ガルヴェストンとは、ある海辺の町の名前
ロイにとって、そのガルヴェストンは、どんな存在だったのだろうか
そこは、生きるために暮らす場所だったのか、それとも、最後の死に場所なのか
きっと、ロイはガルヴェストンで「なぜ、自分は生きているのか」と考えたと思う
なんて、人生とはままならないものなのか
そのロイの気持ちを思うと、自然と泣けてきてしまう映画だった
あまり予備知識なく観た映画だったけど、予想以上に掘り出し物の映画だった
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