劇場公開日 2019年5月17日

  • 予告編を見る

「美しく切ない逃避行」ガルヴェストン とえさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5美しく切ない逃避行

2019年6月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

とても美しく切ない映画だった

自分は肺がんだと知ってしまっだった裏社会の男ロイ(ベン・フォスター)と、身体を売ることでしか生活していくことができない少女ロッキー(エル・ファニング)の逃避行

彼らは荒んだ社会の底辺に生きている

その中で、寂しげにたたずむロッキーは、まるで荒野に咲く一輪の花のように、とても儚くて美しい

彼女はきっと、ロイにとっては触れてはいけない、触れたら壊れてしまうような存在だっただろうと思う

だからこそ、残りの命をかけても、彼女を幸せにしたいと思ったし、そんな泥沼の世界から救い出してあげたいと思ったのだろう

しかし、現実はロイが思うよりも厳しい

そのどうにもならないロイの思いが、とてももどかしくて切なかった

ガルヴェストンとは、ある海辺の町の名前

ロイにとって、そのガルヴェストンは、どんな存在だったのだろうか

そこは、生きるために暮らす場所だったのか、それとも、最後の死に場所なのか

きっと、ロイはガルヴェストンで「なぜ、自分は生きているのか」と考えたと思う

なんて、人生とはままならないものなのか

そのロイの気持ちを思うと、自然と泣けてきてしまう映画だった

あまり予備知識なく観た映画だったけど、予想以上に掘り出し物の映画だった

とえ