ジョン・ウィック パラベラム : 映画評論・批評
2019年9月24日更新
2019年10月4日よりTOHOシネマズ日比谷ほかにてロードショー
もはや殺人世界サミット! 多彩なアクションと狂気に満ちた大満足の130分
殺された愛犬の復讐から始まったジョン・ウィックの戦いも、気づけば世界規模のスーパー殺し屋大戦に。前作は、ジョンがコンチネンタル・ホテル内で敵を殺っちゃったことで、自身が賞金首となり逃亡開始するところで終了したが、本作はまさにその直後からスタートする。
そんな状況なので、今回はもう初っ端からアクションの連続だ。ジョンは挨拶代わりにいきなり、分厚い本で滅多打ちにするホン・フーを披露。馬小屋では、馬の蹴りを攻撃に利用したウマ・フーで敵を吹っ飛ばす!! 思わずちょっと待ってくれ! と言いたくなる盛り込みっぷりだが、なんとこれでもまだまだ序盤。その後も、多少の休憩を挟みつつもひたすらバトルが続く。間違いなくシリーズ最高のアクション量だ。そして、今回感心したのが、アクションにおける数々の創意工夫。銃一辺倒ではなく、前述のような本や馬などを使った殺人攻撃や、戦闘犬との殺人連携技など多彩な見せ場が次々出てきて、今回はとにかく色んな方法で敵を殺してやろうという強い気概を感じる。全編アクションまみれだが、決して単調に感じさせないのが本作の凄いところだ。
また、登場キャラも非常にバラエティ豊かで、敵味方に個性の強すぎる奴らが揃っている。特に、劇中最強の敵である寿司屋の殺し屋ゼロ(マーク・ダカスコス!)と、その弟子(ヤヤン・ルヒアンとセセプ・アリフ・ラーマン!)が最高。きゃりーぱみゅぱみゅの「にんじゃりばんばん」をBGMにフグを捌く登場シーンでキャラ付けは完璧。彼らのアクションも盛り盛りで、マーシャルアーツとシラットが乱れ飛ぶジョンとのバトルシーンは大満足の仕上がりだ。本来強い奴らが出ただけで戦わないみたいな事は、本作では絶対に無いのでご安心を!!
このシリーズは、本作で遂に完全に振り切れた。ジョンと世界中の強烈殺し屋たちが盛大に殺り合う様は、もはや殺人世界サミット! アクションと狂気に満ちた130分を、その目に焼き付けよう。