新聞記者のレビュー・感想・評価
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それ、今する質問じゃないでしょ。あんたがされたらどう思うの?
映画「新聞記者」(藤井道人監督)から。
作品の中に「インタビュー」のシーンが数多く出てくる。
日本では当たり前のようになっている、
事故、事件、災害などの被害家族に対して、
これでもか、というくらい辛辣な質問を浴びせて、
スクープでもとる勢いで、食らいついていく記者に怒りを覚える。
だからこそ、同じ報道側の「新聞記者」が、噛み付いたシーンが
私の脳裏には、鮮明に残った。
「それ、今する質問じゃないでしょ。あんたがされたらどう思うの?」
一番、辛い思いをしている人に対する思いやりは、
こんなところに表現されていた。
「新聞がこんなネタ出すのっておかしくないですか?」
「そういうのはテレビにまかせておけばいいだろう?」
「嘘をでっちあげるんですか?」
「嘘か本当かを決めるのは国民だ、お前じゃない」
「頓挫ってことは、もうこれ以上追うなってことだ」
「この国の民主主義は形だけでいいんだ」・・・
新聞社の内部事情は知らないけれど、なんとなく納得してしまった。
「記者として真実を届けたい、それだけです」
「そんな理由で、自分で自分を納得させられるんですか」
こんなことを考えて仕事をしてくれる報道関係者ばかりならなぁ。
P.
主役の「松坂桃李」さん、映画「娼年」に続けて観たので焦った(汗)
そんなに言うほどの映画?これのどこで物議を醸すのか不明。
大学の新設が生物兵器っていう時点で、もうSFでしょ。
この内容と安倍首相がらみの大学新設はもうまったく同次元の話じゃないっていうのは、分別ある大人ならわかる。
そもそも あの大学の新設にあたっては、民主党政権時代に認可は既にほぼ内定していたと聞く。
その後 紆余曲折あって 認可が動かなくなったのを首相が後押ししたと言うのは事実なのだろうと思っている。
そこを政権奪還のネタにすべく 民主党が取り上げた。
東日本大震災時 政権は民主党にあった。
あれが自民党政権下ならどうだったか?そんなタラレバは言うだけ無駄だが、
まだまだ未熟な政権であった事は否定出来ない。
そして遡る事 数年
国民の圧倒的支持を受けて郵政民営化が実現した。
もちろん淘汰された部分も少なからずあるが 今その結果が目の前に存在する事に気付いているだろうか。
小泉首相は 当時 アメリカとの交渉で莫大な資金源と言える かんぽ をアメリカに開放すると約束させられた。
今 郵便局に行ってみれば一目瞭然。
郵便局の保険は アフラックに乗っ取られている。
これは映画ではなく事実である。
しかも国民の選択による結果だ。
あの当時 郵政民営化を叫ぶ小泉首相のもとに生まれた小泉チルドレン。
ほとんどなんの反論も出来ず やつれ果てた岡田代表の顔も思い出す。
これは 真実すら判断できずにただ 郵政民営化に流れるよう意識操作したマスコミとそれに流された国民に非がある。
民主党への政権交代も、そうなったら面白いじゃんと考えたマスコミと深く考えずに付和雷同的に賛同した国民に一番非があると私は思っている。
時期尚早だと声を上げてもその声はかき消えた。
政府が言論を統制するとか
新聞社 テレビ局が 国民の意思を操作するとか
そんな事は今始まった話じゃないというのも この歳まで生きて普通にニュースを見て判断すれば、あるだろう、あっただろう と予測出来る。
戦後の混乱期以降で考えるならまず
ロッキード事件。
時の総理は今より数段 力を持っていた。
考えられないくらいの横暴さで支配していた。
ロッキード事件でも自殺者はあった。
それと安倍政権に対する批判とは、これもまた同次元には語るものではない。
桜を見る会に於いてのホテル側その他の文書破棄。
大学新設に関する不自然な流れ。
そんなもんは もう怪しいし嘘でしょと
気付いてる。
ど〜でもいいのよそんな事は。
獣医学部の大学だって 四国に作って何が悪いのか
知ってる人がいたら是非教えてください。
まあ桜を見る会が取りやめになったのは良かったでしょうよと思うけど、だからって 今この時期に
他に誰にこの国を任せればいいんだろうか
それも 知ってる人がいたら 教えてください。
政権を安定させてこの国を守る事
それが 一番大事だ と田中哲司(の役の人)がいう言葉を
まるで 悪い事した言い訳みたいに使ってるけど
それ一番ですから。
世界は全然 平和じゃないし いつもその危険と隣り合わせだっていう事をのんびりした日本人は馬鹿みたいに気付いてない。
水戸黄門の世直しは すけさんかくさんの 強力な武道のもとにあるのよ、あれでみんなやっつけられてたら ひとつ目の宿場町で物語終わりだから。
平和でいたいなら 呑気にしてる場合じゃない。
沖縄にアメリカ軍が駐留してなかったら
ロシアも 最近では中国も 信用できる国じゃない事は見てればわかる。
アメリカだって どこまでしてくれるかわからないし
もう この国は自分たちで守る時期に来ていると考えるのもあながち間違いとは言えないのかもしれない。
この国には 国内に日本国の平穏を崩す事が目的の思想を持つ人々は確実にいる。
願わくば この映画を鵜呑みにして頭でっかちの知ったかにならず きちんと過去を学び ネットの情報だけに惑わされず、自分で判断できる人間になる事。
それを私は切に
若者に求めたい。
マスコミの操作 国への忖度 上からの圧力
そんな話は 物語の中では 珍しくないでしょ。
警察ドラマでは ほとんど最終回間際には出てくるネタよ。
これに出る女優がいなかったから韓国人になったとか
まことしやかに言われてるけど
それもどうなの?と疑ってかかると良い。
いろんな役者さんがいっぱい出てるし 彼らみんな
フィクションだよねーって割り切って出てるに決まってる。
お父さんが政治的に死んだ新聞記者の娘が
って そんなドラマチックな事があれば面白いなあって
この原作者も思っただけでしょ。
若者たちにはこういう事ですら衝撃なのか〜と改めて
良い時代じゃないかと思ったのだった。
いっそ 戦後の731部隊からミドリ十字に至る会社と厚生省の癒着の薬害エイズの話を 忖度なしで全部やってくれたら
私は 本気で興味持つ。
リアルとフィクション、信念と葛藤、賛と否の間で
日本でもこれほど論争を起こすダークで衝撃の社会派サスペンスを作った事にまず感心。
もしも、日本の裏で、本当にこんな事があったら…。
日本人の父と韓国人の母の娘である吉岡は、記者だった亡き父と同じ世界に入り、記者として信念を貫いていた。
ある日、匿名の情報が。それは、大学新設に関する極秘文書。
そこに政府の不審な思惑を感じた吉岡は調査を始めるが…。
情報をリークしたと思われる内閣府の官僚が自殺。
かつての部下・杉原は死の直前に会っており、激しく動揺。今自分が在籍している組織と何かしら関与があるのでは、と。
と言うのも、杉原が在籍しているのが…、
内閣情報調査室、通称“内調”。杉原はそこの若きエリート官僚。
内閣情報調査室とは、内閣の重要政策に関する情報を収集・分析し、内閣に報告する、官邸直属の情報機関。
知ってるようで知らなかった、日本にもこんな極秘機関がある事に驚きだが、さらに驚きなのは、その実態。先の概要はあくまで表向き。実際は…、
政府の障害になるような情報を歪曲し、時には捏造・改ざん。
劇中でも、レイプ被害を受け、現政権を訴える女性の立場が不利になるような証拠をでっち上げようとする。
本作はあくまでフィクション。
が、ほとんど知られていない内調という極秘機関。
ひょっとしたら…と、何度も思ってしまう。
杉原は国民を騙すような今の職務に激しい疑問を抱えていた。
自殺した官僚の身辺を洗う内、吉岡は杉原と接触。協力を乞う。
吉岡は記者として真実を明らかに。
杉原は正義と職務の間で揺れ動き…。妻と生まれたばかりの娘をこの国に託していいのか…?
各々の信念と、葛藤…。
疑惑の大学新設と官僚の自殺。しかしそれは、氷山の一角に過ぎなかった。
やがて二人は、衝撃どころではない政府の闇に辿り着く事になる…!
小難しい用語などあるものの、作品的にはスリリングで話に面白味あり、最後まで飽きさせない。
明らかに○○学園問題を下敷きにした劇中の大学新設問題、女性軽視など、よくぞここまで近年国内のニュースを賑わせた政府絡みの問題に斬り込んだものだ。
それらは評価されるべき点だが…、話が進むにつれ、とんでもない展開に。
主人公二人が辿り着いた政府のある闇。大学新設の本当の目的。それは…。
敢えて伏せるが、それは本当に衝撃的ではあるが、余りにも衝撃的過ぎて、突飛し過ぎ…。
幾ら何でも、現在の日本でそんな事は…。(本当は本当は分からないが…)
リアルなような、フィクションのような…。
例えばこれが、『相棒』などの題材だったら、単にフィクションのサスペンス・エンターテイメントだろう。
しかし何故か引っ掛かるのは、実際に記者である望月衣塑子の原案。
よく女史を知らぬので調べてみたら、現政権問題をとことん追及する敏腕記者。
彼女のジャーナリスト魂は称賛モノだが、彼女の現政権への憎々しさ、トゲトゲしいメッセージの政治色が良くも悪くも反映された感が。
主演二人は熱演。
が、吉岡の役を日本人と韓国人のハーフにし、韓国女優のシム・ウンギョンが演じる必要性はあったのだろうか…?
松坂桃李はもはや安定の仕事ぶりだが、内調の職務に疑問を感じ、正義に目覚めるという設定が、ちょっと作られた感が。
その他キャストはシリアスなアンサンブルを魅せるが、松坂クンの妻役の本田翼だけ何かファンタジー…。
こういうジャーナリズム映画は、主人公たちが圧力に屈せず、最後は追い掛けた真相が晴れて世に公表され、正義が果たされる。
本作も一応そうではあるが、後味悪い終幕。
この国で、正義が貫かれ、権力に阻まれずに立ち向かえる事は、不可能なのか…?
本作のレビューは賛否両論。中には、作品と関係ない私的な政治意見や悪質極まりないレビューも。(今年本サイトでは、そんなレビューの作品が異常に多かった気がする)
そんなのは例外として、見た人それぞれ作品への感想や意見を闘わせる賛否両論レビューは寧ろ歓迎!
甘っちょろい作品や低レベルの作品氾濫する昨今の日本映画界に於いて、色んな意味で問い掛ける社会派映画を見た!…と思わせてくれる。
リアルとフィクション、信念と葛藤、賛と否の間で。
面白かった。 最後の松坂桃李の言う「ごめん」に、スクリーンと同じよ...
面白かった。
最後の松坂桃李の言う「ごめん」に、スクリーンと同じように私の目の前も真っ暗になってしまった。
実体がない魔物「国家」って何?全てがクリーンでオープンであれとは言わないけど、握りつぶしたい事実を誰かが背負って自殺に追い込むようなそんな社会は狂っている。
松坂桃李が、汚れない新生児を腕に抱いて「ごめん」と泣くシーンに、胸打たれた。あれは、自分の中の自分にも言っている。いつも疑問を感じて思いつめた表情で、自分の子供の誕生を心から笑って祝うことが出来ない彼は、自分の意思ではない力によって汚されてしまった。でも、「ごめん」って感じたんだから、人としてのバランスをまだ保っている。魔物に一人で立ち向かうのは怖いだろう。でも、捨てることができないものにしがみついて、息苦しい人生を送らないで欲しい。
何よりも、新聞記者シム ウンギョンがすごくいい。普通ぽいのに骨太な感じ。押しが強いわけではないのに、芯がある感じ。引き込まれる。日本語が完璧ではないからこそ、一番言いたいことを強く伝える意思が伝わってくる。この新聞記者はシム ウンギョンで良かった。彼女のブレない視点がこの映画には必要で、今の日本社会にも彼女のような新聞記者は絶対必要だ。
新聞記者吉岡と杉原、この記事を新聞に載せることを決めたチーフ、そして、藤井道人監督とこの映画を製作した全ての人たちの「覚悟」と「本気」を感じた。
終わり方からいってこれは続編アリだと思った。というか、これで終わりじゃ消化不良過ぎる。松坂桃李に心から笑顔で家族にありがとうと言って欲しいから、続編作ってください。
このレビューでも情報操作が、と見てしまう。
新聞記者の父親が誤報から自殺してしまうという経験を持つ、同じ新聞記者になった吉岡エリカ。
その彼女が追うのは内閣情報室の大学新設の裏情報。理系の大学を設置しようとするが、それは生物兵器にも転用できる軍事目的ではないか。それを記事にしようと外務省からの出向で情報室にいる杉原に近づき証拠をつかもうとする。
情報室ではツイッターなどのSNSで情報操作ともいえる、政権を安定させようと内閣を擁護するコメントを様々なアカウントで出し、批判を埋もれさせようとしている。その情報室の映像は暗く、モノトーンにしてる演出は他の映像との区別で逆に浮かび上がらせている。
これが今の政権を連想させる部分が多いが、政権擁護派からすると否定的なものを出したくなるだろう。
社会派の作品って説明的になりがちで飽きてしまうことがあるが、これは見入ってしまいあっという間に駆け抜けるように見終えた。
記者の妄想日記から堕胎した捏造物語
『酷い』の一言で片を付けていいだろう。
これを見てなにも疑いを持たない無垢な人間は反政権的な思想に染まるだろう。
これは日記をもとに作られた割には、事実にすら基づいていない。ここまでテキトーに話を盛って捏造するくらいなら、いっそ悪事がバレかかった政権が発狂して最寄りの原子炉を意図的にメルトダウンさせて広範囲に証拠隠滅をはかろうとする!くらいやってもよかったんだよ?(笑)
リベラル派にしてみれば原子炉は核兵器保有のための前段階だ!みたいな意見もあったくらいだしさ(笑)
それにしても、役者たちはアレでやりきったつもりなのかな?楽な商売もあったものだと思う。鬼気迫る演技というよりはエキストラ何名かにガタガタ揺らしながらズームして追いかけ回してただけに思える。プロ意識をあまり感じられない演技だった。
最後に、見る者に不快な印象しか与えないから、謎の手ぶれを視覚効果だと勘違いしてないで、カメラマンはレールを敷いて撮影してほしいもんだ(笑)
主演女優を海外くんだりから呼んでくるのにお金使いすぎて、レール敷くお金も残ってなかったのかな?
作品としては。。
現在の社会の状況からすればこのテーマで作品を作る妥当性はあるだろう。
しかし何故この内容なのか?
切り口はもっと望月記者の実体験に基づいたものの方がはるかに良い。記者クラブとの軋轢とか内閣官房とのせめぎ合いとかを描いたほうが良い作品になったと思う。
演出のまずさもあるが、今回のこれではリアリティが無さすぎる。
内調がネットをコントロールしているシーンも役所のなかにあんな秘密基地みたいな部屋はないだろ、としか思えなかった。
とにかくリアリティがないのだ。
アメリカ系韓国人がアメリカではなくなんで日本で記者をやってるのか?日本語の記事を書けるのか?(メモは英語じゃないか)
そして女性記者は目をむいてるばかりで感情の機微が見えない。
新聞社のシーンでは臨場感を無理矢理出そうとしてカメラをわざと揺らしているが「はい、今揺らしてますよ」という感じでわざとらしい。おまけに引いた絵ばかりなので単に船に乗ってるような気分になるだけ。アングル変えたりアップにしたりしないと緊迫感は出ないだろう。慣れないことやるな。
と、作品として見た場合不満たらたらなのだがテーマの選択はタイムリーであった。
어중간한 정권 비판
相当の期待値も持って見に行ったのだが、結果としては・・・。
やはり最大の「肝」はシム・ウンギョンの起用だろう。
何かある・・何かある・・と後半に続くものと期待させてはくれたものの・・・。何もなかった。
帰国子女の設定とはいえ、この日本語力で「新聞記者」の筆記能力があるとは到底思えない。本当に記事になるのか、というよりも、話の流れが、展開が寸断されてしまう・・・。
また、ノンフィクションに近い形でこの映画を作成しようとしていたのなら、それぞれの感情は抑制すべきだっただろう。全体が、情動傾向に流れすぎた。このようになってしまうと、この映画の本質はどこにあるのか探らなければならず、これはこれで大変だ。
吉岡の過去と杉原の過去をクロスさせて、最終版を描きたかったのなら、そういう映画にすればよかった。そうではなく、「巨悪」に対峙出来ない無力さを全面に押し出したいのなら、その社会全体を丁寧に描ききればよかった。
だから、この映画で本来の「肝」は田中哲司演じる多田を徹底的にビューロクラティックに凡庸化させることにあったと思う。
しかし、どの立ち位置もとらないこの映画は、単なる感情的な「中途半端な政権批判」でしかなく、どのような政治スタンスを持っている者でも食いたりない。-中途半端なら、徹底したカリカチュアの方がまだマシだ。日本にマイケル・ムーアはいないのだろうか。
政権批判したい人たちが造るフィクション
この映画を朝日新聞がべた褒めしている記事を拝読し、私も見に行ってきた。
荒れに荒れた森友・加計問題をベースにしたゴタゴタをフィクションで再現したような作品だが、あの時大量に飛び交っていた野党のブーメランについては全く描写がなかった。
あれ?当時最大野党だった特定の政党に随分都合のいい造りだな。どういう勢力が造ったのか、ものすごく分かりやすい。朝日新聞が絶賛したのも、この点で納得がいった。
まあ、フィクションなんだから、これを政権批判につなげようというのも無理な話のはずなのだが...「政府は腐っている!ひどい!」と思わせようとする印象操作があちこちに見られ、その通りに怒る声が多く起こってて笑える。
この手の映画にあてられて政権批判しようとする輩が出るのは不思議でならない。
映像「相棒」でも政府が重大なミスを隠匿したなんて話はよく出ますが、あれでは政権批判は起こらなかったんですけどねぇ...
ともあれ、ある特定の党に与するというのは、プロパガンダの定義に当てはまる。
この映画の絶賛は、フィクションにあてられてプロパガンダされるという頭の悪い、ひどく危険なニオイがするように思った。
不気味なストーリー
評価方法:減点方式
・カタコト -0.5点
主演女優さん、美人さんなのだけれど、どうしても日本語のつたなさが気になった。
・ネット工作シーン -1.0点
政府のお偉方がネトウヨのような?韓国名物のような?ネット工作のために人海戦術を使って動くはずがない。下請けに出せる仕事でもないからお偉方たちが直営で工作活動にはげむというトンデモ設定にしたんだろうけど、無理がある。妄想を具現化するとそういう無理が目立つ。結論、醜く見苦しい。
・毒ガスの追加 -1.0点
そうだよね、パンチが弱いからそういうの加点させて話を大きくしなきゃいけないもんね。魂胆が見えるのが激しく萎える。
・爽快感の無さ -1.0点
結果にリアリティ持たせたいから、奇跡的な大逆転などは存在しない。観てて気分が暗くなる。
・政権批判 -1.0点
映画のあちこちに、現政権を現実問題に則して批判するような構図がある。いやいやアナタ謎設定いっぱい足してゴテゴテさせといてそれはズルいでしょう。変にリアリティ持たせたのは、映画をよくするためでなく、ついでに政権批判をしたかったからですか。
いくらなんでも
新聞記者の仕事を知っている者からすると突っ込みどころ満載すぎて萎える。
⚪︎午前2時に社会部の部屋が真っ暗。宿直は?
⚪︎主人公の記者が自宅で討論番組見ながら付箋に何やら書き書き、ネットでポチポチ。これ記者の仕事風景か?
⚪︎記者会見の記事をデカくしろと要求する記者。うーん、独自の情報入れるなり、鋭い切り口入れるなりデカくしてもらう努力しろやと。
⚪︎内閣府の前のあんなところで呼び止めて質問責めにする記者なんていないだろう。よその記者もウロウロしてるところだし、あんなところであんな質問して役人が答えるわけがない。
⚪︎とにかく記者が無能にしか見えない。あんな正攻法だけじゃなくてもっと取材対象に食い込む工夫や発想があるだろう。
⚪︎最後の方で安易にニュースソース明らかにすると宣言するとか論外。例えソースの方が同意しててももっと慎重にすべき。しかも週刊誌に誤報って書かれたから続報は実名でって‥(案の定、最後はハシゴ外されたっぽい)
⚪︎内調の担当者の机の中の資料の写メだけで記事を書く記者。もっと他の関係者に当たるとか裏取れよと。
⚪︎軍事技術なんて今時デュアルユースが普通だし、防衛省がおおっぴらに大学に予算ばらまいて防衛技術研究させてる中、特ダネとしてはちょっと苦しくないか?だいたい大学の研究内容なんて隠しておけないだろ
⚪︎読売、朝日、毎日が追っかけてると聞いて喜ぶ記者。他社が書いてるから安心、という底の浅さ。だから横並びって言われることに気づいていない。
⚪︎内調の怪しい上司からの電話に「わざわざありがとうございます」って言った後、ニュースソースに鬼電。それ、一番やったらあかんやつ(ソースバレバレ)。
とにかく見ていてイライラする。
政権を批判し、事実で追い詰めることが新聞記者の重要な仕事であることは論を待たないが、とにかく主人公の記者の仕事の出来なさばかり目につく。
原案の本書いた記者がちょくちょく本作に登場するが、もし本作に監修もしているのなら、普段からこういう仕事をしているのだろうなあと想像。
東京ブラックアウト
ポリティカル・フィクションは好きなのだが、日本の映画はジャーナリズムが正義の剣で政治の闇を暴くという爽快感がなく、いつも何かもやもやと嫌な感じで終わる。
関係者の自殺や政府の隠蔽工作といった手垢のついた内容に目新しさはなく、加計学園らしきネタが出てくるのに途中から生物兵器云々という妙な方向にシフトしてしまい、嘘くささが増した。そのへんに現実の事件をそのまま描けない限界を感じる。
“…中のほうは真っ黒に腐っている”というのは「金環蝕」のコピーだが、相も変わらぬ伏魔殿の闇には、義憤に駆られるよりも無力感に襲われる。ちなみにこの映画に出てくる内閣調査室も新聞社もオフィスの照明が暗すぎないか。あんな中でパソコンで仕事をするのは目に悪いと思う。
久しぶりに見入った私
今頃の映画はあまり重たい映画がない。この映画はいろいろ考えさせられたり、とてもよかったです。どうして松山の映画館では上映しないのでしょう。私は松坂桃李のファンなので内子町から今治新都市まで見に行きましたが、お客さんはいっぱいでしたよ。映画が終わり電気がつくまで、誰一人席を立ちませんでした。コーヒーを買ってるときに隣にいたおじさんが、参議院選挙の前に始まったので、この映画を上映しないように映画館が忖度したとか、政府から待ったがかかったとか言ってました。確かに今までニュースでみたことが題材になってました。でも久しぶりに面白い映画でした。いろいろなところで上映すればいいのにね。
疑え
スリリングな話ではあった。
社会派サスペンスとかに分類されるのだろうか?よく映画化したな、できたなとその功績を称えたいと思う。
必要な情報は全て映画の中で語られ、物語の枠組みがしっかりしてる印象。
「権力の監視者」って立場のジャーナリズムだとか、SNSを駆使し印象操作を計る内閣情報調査室や、その成り立ちだとか。
嘘か真か分からないけれど、それぞれしっかりとした輪郭を感じられた。
なかなかに興味深い世界観であり、楽しめた。
のだけれど…
後一歩、踏み込めなかったか?
踏み込めない事情もあるのだろう…その辺りの事情も本編から読み取れたりはする。
「マスゴミ」なんて言葉が出来るくらい信用度の低いマスメディア。ジャーナリズムとはまた別の括りなのかもしれないが、我国では同列に成り果ててるような気もしなくはない。
このジャーナリズムの無力化は、権力側の情報操作の成果であるのかもしれないって話が前提としてある。
で、まぁ、実際にあったレイプ事件をベースにしたエピソードなんかも盛り込まれ、焦点は大学設立を隠れ蓑に建設される戦争兵器の研究機関を政府主導で計画され、時の首相が懇意にしてる業者に多額の血税が流れ込むって話になる。
それを白日の下に晒す記者の視点。
映画だから仕方がないのだが…ジャーナリズムが語るのは正義ではない。極論、真実でもない。事実なのだと思うのだ。
その事実が歪められていたのなら、歪められていたという事実を語るものなのだと思う。
ちょいと話しが逸れたのだけど、この観点から作品を観るとちょいと違う楽しさもある。
作品の中では「事実を追求できる限界」なんてのも描かれていて、レイプ事件などは結局ウヤムヤにされる。
そしてそれが異常であるという認識が僕らにはない。よりセンセーショナルな議題が浮上した時、埋もれていってしまう。
永遠に上書きされ続けていくのである。
だが、当事者達の戦いは続く。
その話がまた表舞台に出てくる事はあるのだろうか?むしろ引きずり出すのが仕事じゃないのだろうか?
だけれども、この記者達も諦める。
おそらくそれに疑問を抱く人もいないと思う。「そおいうもんでしょ」と頷くのだろう。
大学の話とかは、もう権力側が悪としか描かれない。映画だから仕方がないのだけれど。
だけれども、綺麗事だけで世の中は出来てない。それがまかり通る程、人間は賢くないと思ってる。
「なぜ戦争兵器を開発せねばならぬのか?」私腹を肥やす為だけなら糾弾もするべきだろう。でもそこへのアンサーはない。だから観客は思う、なんて横暴なんだ、と。
これがマスメディアと民衆の縮図でもあって…発信者の思惑に誘導されている。つまりは、体良くあしらわれているのだ。
そんな事を考えながら見てると、この作品の記者達は果敢に権力に挑みながらも結局は無力であったりする現状を描いているようにも思う。
プライバシーを人質に取られ、家族を人質に取られ、生活を人質に取られてる。
それらを無視しジャーナリズムと心中できるような人間はいるのだろうか?
「権力の監視者」なんてのは、もっともらしい幻想に思える。
内閣情報調査室の室長は言う。
「決めるのお前じゃない。民衆だ。」
その通りだと思う。
だが問題は、その決定権を持ってる民衆が「まぁ、どっちでもいいんじゃない?勝手にやっといてよ。」と我関せずな点だろう。
今も闇営業とかでメディアは賑わってる。
やはり民衆なんてチョロいなぁと思う。
そんな事よりも、ニュースの片隅にあったけれども参院選挙の真っ只中で、とある学園の園長夫妻と実の息子が、「恥さらし!」だとか「裏切り者!」だとか罵り合ってたって記事があった。
同じスキャンダルを追うならこっちの方が断然掘り下げ甲斐があると思うのだけど、そちらを向いてる報道機関は居ない印象。
マスメディアがひれ伏してるのは、金と権力で、そこに所属しているジャーナリストは、もはやジャーナリズムを語るペンさえ取り上げられてるのと変わらない。
餌を与え続けられてる犬は、牙を研ぐ必要性がなくなるのと同意である。
ただ、問題提起をする上で先駆者達である事は揺るぎない役割だとは思った。
だが、追随する人々がいなければ、いくら鋭い刃先であろうと容易に折れる。
そして、余談ではあるが、正義感なんてものを振りかざすのは論外なのである。
正義なんてのは立場によってコロコロ変わる。もっと言えば個人の主観なのだ。
道徳観はある程度の共通認識はありはするものの、文化が違えば観念ごと変わる。
正義も道徳も普遍のものではない。統率する為に準備された鎖のようなもので、とても優秀なシステムだと思う。
だからこそ、そんなものをベースにジャーナリズムを積み上げてはいけないのだと思う。
それは、さておき。
作品的には終始スリリングな展開で、女性記者の焦燥感が印象的で、窒息寸前のジャーナリズムを表現しているようでもあった。
▪️追記
あれこれ皆様のレビューを拝見し、色んな意見を読めた事に意義を感じる。
ラストカットに関するものも多くて、考えてみた。
松坂氏の口は「ごめん」と動いたように俺には見えた。それに返答する記者。何か発しようとした刹那に画面はブラックアウト。エンドロールが始まる。
何というか、彼女が何を言ったかは問題ではなく、彼女の声は届かない、もしくは掻き消されるって暗喩のように思えた。
松坂氏の役所は官僚ではあるものの、情報提供者でもあり、新聞記者以外の国民でもある。
そんな彼は何らかの圧力により口を噤む。
その者達へ、なのか、記者自体の発言なのかはわからないんだけど、何せ彼女が音を発しようとした瞬間にブラックアウト。
彼女の声は聞けずじまいだ。
映画として映像に残らないという事は記録にも記憶にも残らない。
つまりは、編集という外的な力によって遮断される。現代におけるジャーナリズムの立ち位置というか、無力さにも通ずるのかもしれない。
…深読みかなとも思うのだけど、ラストカットは、そんなメッセージなのかと思えた。
最後が心苦しくて切ない…
実話を元にした作品との事で観に行きました。
ストーリーは淡々としていてドキュメンタリー調で進んでいき、分かりやすくて面白かったです。
個人で大きな組織を相手に立ち向かおうとする吉岡と杉原の2人の姿に感動しました。
せっかく面白い映画なのに、テレビや新聞であまり宣伝されていないのが残念です。
最後に自殺しそうな絶望的な目で杉原が吉岡に放った一言…
名前を…(出して)
もしくは、
(これ以上戦ったら)だめだよ…
かな〜と思っていますが、解釈が難しいですね…
杉原がどんな選択をしても今後不幸になる事が想像できて心苦しいラストシーンでした…
やっと観ることができました
頭をフラットにして観たからか、各々の人物の立ち位置を理解するのに時間がかかりましたが、どんどん引き込まれました。
子を持つ親として、父親としてどうありたいか、という問いかけに涙が出ました。私もかつて、その問いを自分に投げたことがあったことを思い出しました。人としてどうあるべきか、どうありたいか。常に自分に問うていかなければ。しかし人は迷う。そして弱い。だからこそ、常に奮い立たせる何かが必要だ。でなければ立ち向かっていかれない。この映画を観て、自分の生き方を問い直したい。そしてこの映画を作った全ての方々に敬意を評したい。
全98件中、41~60件目を表示