劇場公開日 2019年6月28日

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「観ている間ずっと胸糞だった。百聞は一見にしかず」新聞記者 satousanさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0観ている間ずっと胸糞だった。百聞は一見にしかず

2019年7月27日
iPhoneアプリから投稿

タイトル通り、観ている間ずっと胸糞だった。
普段自分が信じているものこそ、疑え、自分のことすら疑わねばならない。
劇中で『誰よりも自分を信じ、疑え』という言葉が出てくるが、これがストーリーの真意を突いていると言えるのではないか。
そんな考えを起こさせた作品だった。

まず、この作品をここまで作り上げてくれた監督、スタッフ、俳優陣に感謝と賞賛を送りたい。
ここ近年でこういった政治問題をサスペンススリラーでエンタメ化して、国内で取り上げた尖った作品がなかっただけに、これは国内でこのジャンルのパイオニアになるのではないかと考える。
同調圧力や忖度がはびこる中、一石を投じた作品だと言えよう。

内容もまさに、手に汗握る。
よく練られていて飽きない構成だった。
ただ、土曜の昼の部で見たが、鑑賞者は年配者が多い印象。自分は20代後半だが、同じ年代の人は自分含めて5人くらいしか見当たらなかった。

メディアは何故、この映画の宣伝を大々的に行わないのか。
松坂桃李主演だし、デイアンドナイトの藤井直人監督がメガホンをとり、山田洋次監督がコメント出している。口コミの盛り上がりもすごい。
それだけ注目されている映画なのに、メディアが静かなのは、『忖度かなぁ〜?それともどこかからの報道規制かな〜??圧力かな〜???』
なんて考えてしまう、今のメディアに対しても良い皮肉になる映画だった。

若い人こそ、観て。

satousan