人間失格 太宰治と3人の女たちのレビュー・感想・評価
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私は蜷川実花ワールド好きなんだよ
蜷川実花 大好きな私としては、手放しで良かった〜と言いたい。…が、色彩豊かな映像が好きな私としては、時代が時代だけに、少々、残念な結果に…。それでも、女性陣の着物や、お店の壁紙など、この時代には相応しくないくらいの色彩を放っていた。…さすが、蜷川実花ってところ。
太宰治のお話なので、ストーリーは、まあ、さておきましょう。
個人的には、大好きなエリカ様の、ヘルタースケルター以来の裸体を拝みたかったんですが…。意外と、裸体はさらさず…。それどころか、思ってた以上に、出演シーンが少なくて驚いた。
二階堂ふみちゃんも好きなんだけど、彼女が、あんな大胆なシーンを演じているのは驚いた。そろそろ大人の女優へと変身を遂げる時期なんでしょうね。
それから、宮沢りえ。ドシンと構えた母親役。それでいて、大人の色気もあり、大変よろしかった。
最後に、小栗旬。なんとも美男ぶりが、とても似合っていた。
チケットを購入するために並んでいると、後ろのカップルが、「面白くないらしいよ〜。」と話していた。映画に限らず、好みなんて人それぞれ。それでも、私は観たいんだよ〜と心の中で叫びながら、チケットを買いました。映像美を楽しみにしたっていいじゃないか〜。出演者が好きだから、楽しみにしたっていいじゃないか〜。蜷川実花だから、こんな豪華キャストが揃うんだ。それの何が悪いんだ〜。
お仕事
太宰治が「斜陽」を書くに至った太田静子と交流して行くところから山崎富栄と自殺するまでの話。
何作かは読んだことがある程度、太宰治の人物像も薬漬け、色狂い、結核、心中程度の認識しかなく鑑賞。
色に溺れたのが先か創作意欲が先か、斜陽執筆に至る日記の所望からストーリーが始まり、自身の嫁との関係や静子と富栄との関係を主にストーリーが展開して行く。
文学について語ったり、他の作家と作品に対する思想を議論したりというところもあるけれどオマケ程度で、色恋話に終始している感じ。
あ、あとこの監督らしい派手な色彩は目を惹くところも結構あったけど、S.E.や音楽はちょっとメリハリがなくて気になったしね。
自分が文学とか芸術とかが判らないからかも知れないが、太宰治の魅力を感じる様なものはなく、締め付けられる様な嫌悪感もなし。
ただの色狂いのねじ曲がった奴にしかみえなかったし、「恋と革命の為」が浸みてくるものもない。
シリアス色が強めではあるけれど、軽い流れや見せ方もあってそれが中途半端な感じも受けたし、溺れ方も中途半端でただの昔のチャラ男に見えてしまうし、結局何が言いたいのか、どうみせたいのか、汲み取れなかった。
ところで、レイトショーで鑑賞したら、20~30代位の女性客が7~8割でびっくりした。
俳優人の日常を演じきる巧さが光る
史実をもとにしているからこそ、登場人物にとってはそれが日常。そう思えば単調な場面や時間の流れもやむを得ない。
むしろ太宰を取り巻く女性陣の情愛をこの映画の肝として見ると、女優人の鬼気迫る演技に圧倒され、全体の余白も許容の範囲に思えてくる。特に終盤の宮沢りえの啖呵を切る場面と言葉なく感情を体現するシーン、二階堂ふみの一貫した情感溢れる演技は秀逸。
ただこのシチュエーションを見て他人事と思えない輩も多かったのでは(笑)
ダイナーでいまいちだった色合いの演出は今作品では効果的なシーンも多いと感じた。
ダイナーが期待外れだったので、それと比べれば映画自体もまあ及第点かな。太宰の咳き込むシーンは多すぎでうざいけど。
それと斜陽はあれほど宣伝されたら読んでみたくなるわ。
彼女の作品に中身があれば世界的映画監督なれる
キャラゲー映画、芸術性は凄い、ただ残念なのが中身やメッセージ性が彼女の映画には本当に無い。タランティーノ映画の悪い部分を取った感じで。ただの芸術。美の追求。絵画よりの映画。って感じ。
でも、嫌いじゃ無い。美しさはさすがです。さすがフォトグラファー。
まぁかぐや様とかニセコイの河合映画のコスプレ感満載で芸術センス0のジャニオタしかみねぇようかくそ映画より全然最高だけどね…日本映画の中だったら芸術性はピカイチですよ。
たかが太宰、されど太宰、でも、やっぱり太宰
昔、太宰作品に関する文章をチラッと読んだことがあって、太宰の作品のすごいのは読者の評価を全て受け入れてしまうこと…のように書いてあったような気がする。
確かに、太宰の作品は、読者の感情や感想を…受け入れる…というより、飲み込んでしまう感じがする。
彼の小説や登場人物や構成やストーリー展開への賛辞も批判もだ。
僕はさほど太宰ファンというわけではない。
それで、僕の曖昧なヴィヨンと斜陽と人間失格を読んだちょっと曖昧な記憶をベースに想像してみて、そして、この映画を観て思ったのは、三人の女性は、実際は、こんなに美人で妖艶ではないのだが、太宰の目にはこう映っていたに違いなしい、太宰にとっては、こういう女性たちであったに違いない気はする。
太宰の小説はなんか不思議だ。
太宰の体験などが散りばめられてるに違いないとも思う反面、実は、太宰が自分で作り上げたストーリーに沿って太宰が生きたのではないかとも思わせる。
映画としては、実は賛否が分かれるのではないか。
感情移入しやすい人で生理的に受け付けない人がいるであろうことは勿論、太宰好きの人にとっては、この人物像がカッチリはまるとも思えないからだ。
それに、人間失格の誕生はもう少し違うストーリーがあったような気もするし…。
こんなことを書いてて思うのは、自分は太宰ファンではないと言いながら、あれこれ考えてしまって、実は太宰が気になってしょうがないのは我ながら笑えることだ。
お笑いタレントで読書好きの人に太宰ファンが多いのは、なんか分かる気がする。
きっと自分の人生に重ねたい人もいるのだろう。
静子の口から、「不良」の言葉が出たかどうかは定かではない。
でも、わざわざこの「不良」という言葉を入れてきたところは、なんかきめ細かい気がする。
太宰は本当は死ぬつもりはなかったのに、富江が…というのも、良く言われることで、また頭がグルグルしそうだ。
そんなことも色々考えてプラス0.5だ。
印象的なカットはあるけど終始サムイ
主演の小栗旬をはじめ、俳優陣が頑張ってたのはビシビシ伝わります。太宰治の醸し出す色気やほっとけなさ、女がハマってしまう感じも分かります。
が、とにかく演出・セリフ・音楽の使い方全てがサムくてのっぺりしていて全く面白いと思えなかったし、物凄く長く感じました。印象的な生花の使い方やアングル、色彩表現など拘りの蜷川演出はやっぱり写真が活きるのであって、映画となると全く活きてこないし逆にクドくて浮いている。ここ見て!という感じがモロ伝わりヒイてしまいました…。
なかなかキツかったです。
残念ながら外れ
開演初日の、太宰治と三人の女たち鑑賞した。
きっかけはNHK朝イチのプレミアムトークで紹介されたことだったが
残念ながら外れだった。
映像はきれいだが、
そしてひとつひとつのシーンの作り込みが素晴らしいが
そして、小栗旬を始め、三人の女優、助演の人たちの熱演は素晴らしいが
肝心のストーリや訴求ポイントが貧弱なのでみてて退屈する。
太宰治をこのような描き方すると、共感する鑑賞者がほとんどおらず
むしろ、ヒーローに不快感をもつ人がマジョリティでは思う。
2時間の鑑賞が長く感じて、途中何度も時刻をチェックする有様だった。
不快に感じるシーンも多かった。セックスシーンが必要以上に多いし、
太宰が結核になり、咳と喀血を繰り返すシーンが多くて、
見ていて気持ち悪くなった。
またそのシーンが繰り返される意味もよく分からない。
厳しい見方をすればこの映画は蜷川実花監督の自己満足ではないと感じた。
この手の作品は自分のテイストといまいち合わないことが分かった。
私は自分の好みはやっぱりストーリー重視だと思った。
良くも悪くも蜷川美花ワールド
小栗旬の演技はもちろんのこと、脇を固めるキャストの演技には思わず引き込まれました。二階堂ふみがあそこまでやるとは、、
その分、所々で出てくる癖の強い演出やBGMがうるさい。シーンにそぐわない音楽が流れた瞬間現実に引き戻されます。映画のヘルタースケルターの雰囲気が好きな人はこれも好きなのでは、、(監督が同じなので当たり前ですが)
監督にとっては芸術かもしれませんが、それを映画に持ち込みすぎだと感じてしまいました。
個人的にこの演出の仕方は好きではないので、ちょい役でも豪華なキャスティングだったが故に残念です。
演出が精神的に疲れるので、病んでる時に観るのだけはやめた方がいいと思います。
余計ですが、劇中の藤原竜也は雰囲気が本物の坂口安吾の写真そっくりなので、是非注目してほしいです。
ああ、死ぬかと思った。
と、冒頭のシーン。とんでもなくクズ野郎が、徹頭徹尾画面に出続ける。
だいたい、個人的にダザイは嫌いだ。津軽の坊ちゃんのくせに貧乏プレーのような文章を書くし、卑屈だし、いいカッコしいだし、ひねくれてるし、女々しいくせに高慢ちき。まさに、この映画に出てくるダザイそのものだ。だから喝采を送る。その通りだと。「人間は恋と革命のために生まれてきた」と言った愛人の言葉を我が物にする浅ましさ。自分の名誉のためならば女を犠牲にするのも厭わないろくでなしだ。本人はそんな気はない、というかもしれないが、それならそれで余計に始末が悪い。
だけど、病める貝殻にのみ真珠は宿る。
まさにそれに尽きちゃうんだよなあ。俺はいいわ、真珠を手にすることができなくても。
色彩は豊か
色彩は豊かだが、内容は薄く感じた。パンフレットの小栗旬に魅力を感じてこの映画を見たが、必要以上の濡れ場に違和感を感じた。小栗旬の美しさがなかったらこの映画は見なかったと思う。また、もう一度見ることもないであろう。
ゲスな男太宰
小栗旬ははまり役だった。宮沢りえの演技もアカデミー賞ものだと思う。ストーリーは斜陽と人間失格を読んだ人なら先がわかるんだが、あえて時系列をずらしてあったり、ん?と感じるところがある。
太宰の青年時代までの、ゲスな男が出来上がる過程が描かれていれば、もっと良かったかな?
色鮮やかで色っぽい作品
なんといっても芸術的な映像美に目を奪われました。風景はもちろんインテリアや衣装など細部に渡り色彩と配色に拘り抜いた蜷川監督の意図がみえ、色っぽさを演出しています。これは映像の美しさだけでも観る価値あり。
ストーリーも「人間失格」の誕生秘話ということで興味深く観ることができました。3人の女たちがみんな魅力的すぎて、こりゃ男性は迷っちゃっても仕方ないですよね(笑)。
いつもながらに宮沢りえさんの演技力は流石でしたが、そんな中でも今作は二階堂ふみさんの熱演が光ってました。
監督失格
生涯で初めて、映画を見て、時間と金を返せと思った。
ダイナーは、まだB級映画として楽しめたし、色合いにも納得できた。
これは、一体どのような心持ちで見ればいいのか。
むしろ、この映画はティザーを見てから本当に楽しみにしていたので、裏切られたようで悲しい。
小栗旬さん、二階堂ふみさんら、役者の鬼気迫る演技は良かった。
なのに、なぜこんな映画になってしまうのか。
監督は、恥を感じてほしい。
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