人間失格 太宰治と3人の女たちのレビュー・感想・評価
全286件中、201~220件目を表示
音楽、色使い、カメラ回し、蜷川ワールド。 女から見た太宰の生き様。...
音楽、色使い、カメラ回し、蜷川ワールド。
女から見た太宰の生き様。
太宰の文豪としての凄さ、小説の中身などの描写はなくただただ、イケメンでおもてになる。
3人の女性たちがなぜ太宰に惹かれたのかが、あまり伝わらなかった。
そして3人の女優の濡れ場の見せ具合がそれぞれでどういう契約だったのか気になってしまった。笑
吐血のシーンはちょっと気持ち悪い…
太宰って左利きだったんだーと思ったけど小栗が左利きなだけらしい。
愛されない妻より恋される愛人ねー。
ファンの神経を逆撫でする映画の存在価値とは?
私は 20 代で太宰を読み始め、中毒のようになってほぼ全作品を読了し、一部は英訳されたものまで読み、三鷹の墓地と金木の生家にそれぞれ2度ずつ行ったことがある。それなりのファンだと自認している。その私から見て、この映画は、これまでのどの映像化された太宰像にも全く及ばなかったと言わざるを得ない。映像、脚本、演出のどれを取っても監督の自己満足の域を出ず、到底ファンの鑑賞に堪えるものではないのが残念であった。
画面に様々な原色のものを散らかすという手法は、この監督の好みだそうだが、太宰の雰囲気には全く合っていなかった。話は太宰の破滅的な日常生活や女癖の悪さの描写ばかりに終始し、太宰の文学のどこに人々が惹かれるのかといった描写が皆無で、ただ爆発的な売れ行きやら熱狂的なファンの存在というもので匂わせているだけである。性愛のシーンばかりやたら強調され、この映画を見る限り、太宰という作家は、ただの自堕落で思い上がった生き方を、恋と革命とか他人の言葉で飾っているだけの鼻持ちならない人間という印象しか与えられていない。ダメなところばかりこれでもかと見せつけて、では何故未だに作品が愛されているのかということが一切描かれていないのである。片手落ちというより、ここまでひたすら太宰を叩くだけの映画に、見る価値があるのかという点が非常に疑問である。
同時に3人の女性を愛したからダメだというつもりならば、日本の法律では、婚姻届を出せる相手は一人しか許されないが、内縁関係は禁止されておらず、婚外子にも相続権が認められているのであるから、太宰は何一つ違法行為を働いていないのであるし、平安時代の男性の通い婚やイスラム世界の一夫多妻制では、手続きさえちゃんと行えばごく普通の生活をしているに過ぎないのである。
役者は、まず主役の小栗旬が完全にミスキャストであった。太宰に見える瞬間が一つもなく、前髪を垂らしただらしない姿は見るに耐えなかった。好きでもないのに耳に残ってしまう音楽のことを指すイヤーワームという言葉があるが、この小栗の姿は、いわばアイワームとでも言うべきで、これから暫くこの姿が頭に残ってしまうのかと思うと、鑑賞したことを後悔したくなるほどである。前髪は乱れているのに、後頭部はきちんと整えられているというのがまた間抜けに思える。太宰にキャスティングするなら伊勢谷友介あたりをお願いしたかった。
一方、女優3人はそれぞれ非常に魅力的に描かれていたと思うが、女性監督の感性なのか、あまり色っぽくは感じなかった。非常に執着が感じられる性愛のシーンも、こんなんじゃないだろという違和感ばかりが鼻についた。おまけに、それぞれの女優がどこまでなら許せるかというのをどのように主張したのかがミエミエであり、その枠の中でしか撮れていないというところも不甲斐ないように思えた。3人の女優の中では、二階堂ふみが最も好演していたように思った。
音楽は、終始耳障りなだけで、あんなものなら一切ない方が良かったように思えた。エンドタイトルの歌に至っては、場違い感が甚だしく、見終わったこちらの不満だらけの心境を逆撫でしてくれたので、非常に腹が立った。音楽的センスも、この監督は全く持ち合わせていないようだ。
演出上も文句を言いたいことは山ほどある。肝心な入水のシーンを描かず、全くの肩透かしであったし、その直前を思わせるシーンは豪雨の中であったはずなのに雨が全く降っていない。太宰のシンボルと言うべき二重回し(インバネスコート)はやたら丈が短くてカッコ悪いし、右利きの太宰を左利きの小栗が演じるからといって左手で文字を書くのを見せてしまっては誤解を生むばかりである。文字を描く手は別撮りにすればいいだけの話ではないか。路上で野垂死にしそうになるシーンを花まで散らせて延々と撮る必要がどこにあったのか、など、不可解な点はいくらでも挙げられる。映画監督に求められている仕事を何もしていないのであるから、この人は監督失格と言うべきで、私は今後この人の映画を見るつもりはない。最近太宰を読み始めているウチの娘が興味を持っているようだったが、こんな映画を一緒に見てしまうところだったのかとゾッとした。
(映像1+脚本0+役者1+音楽0+演出0)×4= 8 点。
なるほど
小栗旬のファン
太宰治がちっとも魅力的ではない
蜷川実花監督ならではの太宰治
そんなに悪くなかったけどな…
太宰治を知らない者としては、良くできた映画だと思った。
ストーリーもわかりやすいし、時々面白い演出もあり楽しめた。
太宰治を大好きで、事実等 求める方は
あまりご覧にならないほうが良いかもしれません。
小栗旬は適役。
宮沢りえが年上に見えすぎて多少の違和感あったけど、ラストシーンはとても良かった。
太宰治が読みたくなった。
かなり前の試写会で鑑賞。 太宰のダメっぷりが描かれた作品。フィクシ...
太宰治が好きになる映画in蜷川実花世界
あまり期待してなかったけど…
綺麗な映画
二階堂ふみは素晴らしい
鑑賞前に「人間失格」と「斜陽」を読んでおいてよかったと思う。いずれの作品も不明なことは不明のまま物語が進む。現実との整合性や科学的な根拠などを調べることなく、作家は自在に言葉を紡ぐ。科学や現実よりも自意識が大事なのだ。特に「人間失格」では、大いなる自意識が主人公を苛み、自棄的な行動へと追いやる。
20世紀を代表するイギリスの詩人ウィスタン・ヒュー・オーデンは「小説家」という詩の中で次のように書いている。
詩人たちは軽騎兵のように突進するが、
彼は子供くさい天分を惜しげもなく振り落し、
平凡、老拙の道をひとりで歩まねばならぬ、
誰も振り向いてくれない者にならねばならぬ。
(深瀬基寛訳)
映画の太宰治はオーデンの詩のように、意外に普通の人間である。小説家だから自意識は強いほうだし、小説の中の主人公たちはいずれも否定しているが、世のパラダイムに対するルサンチマンもあるだろう。世間に何の借りがある、おとなしく従ってたまるか、だいたい世間なんてそこらへんにいる人間のことじゃないか、という思いがあるに違いない。そういう弱さの中の強さみたいなものが作家を支え、作品に向かわせた。
映画では、高良健吾が演じる三島由紀夫に世間を代表させる。三島はパラダイムを自分で主導して国家を自分の考えるあるべき姿に導こうとした人で、太宰とは対極にある存在だ。世間に背を向けて書きたいものを書き、生きたいように生きる太宰が許せなかったのだろう。三島が全力で太宰の生き方を否定する場面は、世間が太宰を否定することを象徴する場面である。そして太宰が笑い飛ばしたのは三島ではなく世間なのだ。
太宰は自分に小説の才能がなければ、ただの落伍者であることを自覚していた。その虚無的な感じが女性に何らかのアピールをする。「人間失格」の主人公と同じように次から次に女性にモテるのだ。そして生活力も経済力もない太宰は、女性に頼って生きる。まさに太宰は女性に支えられて作品を紡いだ作家なのである。映画の副題はその辺を表現していてなかなかいい。
二階堂ふみは素晴らしい。初対面の太宰から手を握られ、激しいキスをされて、それだけで身も心も溶けるような恋に落ちてしまう女というものの弱さと、すべてを捨てて太宰を守ろうとする強さの両方を表現する。女は弱い、そして女は強い。山崎富栄はそれを地で行くような女性で、この難しい役を二階堂ふみは演じているふうでもなく演じてみせた。
宮沢りえの美知子夫人はもう少し若い女優のほうがよかった。他の若い女性たちとのバランスが悪くて、どうしてこの人をキャスティングしたのかわからない。演技は悪くなかったが、肉感に欠ける。
沢尻エリカだけが作品の雰囲気から浮いていた。この人のキャスティングもやや疑問。実際の太田静子はもう少し奥行きのある女性だったと思う。
小栗旬は偉い。相手役の如何に関わらず、太宰という稀有の才能を演じきった。主人公は酒に溺れ女に溺れ、のべつ幕なしにタバコを吸う生活をしているが、どこか自分を鳥瞰しているようなところがあり、決して声を荒らげたり暴力を振るったりすることがない。妻の美知子が結婚前に太宰の小説を読んで「自分で自分をついばんでいるようだ」と感じたように、太宰は自分を突き放して生きる。現実は人まかせ、女まかせなのだ。
太宰が小説を書けたのは、荒れた生活とはあまり関係がない。それは彼の才能であり、小説はどこまでも小説家の想像力によるものだ。作家は作品によってのみ評価されるべきで、川端康成が太宰の私生活を批判したのは川端の狭量と嫉妬のなせるわざだと思う。世間のパラダイムと自分の存在の乖離に悩む太宰にとって、薬に浸ることも酒を飲むことも女に溺れることも小説を書くことも皆同じことである。書かずにいられないから作家になった。でなければただのヤク中でありアル中である。弱い人が自分の弱さをさらけ出すのは勇気のいることだ。とてもシラフでいられない。
本作品は演出がやや過剰なところも散見されたが、小栗旬と二階堂ふみが作品の支柱となって、太宰治という作家の人となりを存分に表現した傑作だと思う。
面白かったけど真剣なファンは怒るかも。まあ15禁の時点で内容はお察しですね(笑)。
演者の表情だけで汲み取る心情などもあり、それを感じ取れるととても揺...
少女漫画の世界
可もなく不可もなく
想像したとおりの映像美。本来ならシリアスでダークな内容を華やかに演出するあたりはさすが。
ただ逆にシリアスなのか、コミカルなのか、官能美なのかがはっきりしない。
そして太宰と女性達のどちらにクローズアップするのかもハンパ。
太宰の苦悩はどこにあるのかは語られずただのダメ男。女性達のキャラも女優陣の演技力に救われているだけ。
ただ観ている間は不快でしかなかったが、終わった後にじわじわと余韻が…この感覚は?と考えたら、かつて「人間失格」を読んだ後と同じだと気づいた。
そういう意味では太宰感をうまく出したということか。もしも太宰ワールドを出し切った映画なら吐き気がしたかもしれなかったがあるいまく中和してくれた演出かもしれない。
中和した分、可もなく不可もなく。
こんな人だったの!
太宰治という作家がこんなダメ男と知りませんでした。素晴らしい天才と思っていたので、ビックリです。自分で体験してみないと小説が書けない人だったのでしょうか。心中というけれど殺人犯のように思いました。ほぼ史実だそうですが、描き方によって私には太宰治が悪い人になりました。
映画に関しては、この監督さんの前作を観て、予想通りでした。好きな俳優さんが出演しているので鑑賞しましたが、内容と描き方が私にはいまいちで、俳優女優さんの良さがわからなくなっていると感じました。私が違和感を特に感じたところは、アップされた顔の映像が長すぎ、濡れ場が長すぎで下品、花が混じる映像が奇妙。良いところは、すべての家のセット(実在かわからないけど)が時代を表していて、しかも安っぽくなくて良かったです。
え?
確かに賛否が分かれる作品
全286件中、201~220件目を表示