「可もなく不可もなく」人間失格 太宰治と3人の女たち たけさんの映画レビュー(感想・評価)
可もなく不可もなく
想像したとおりの映像美。本来ならシリアスでダークな内容を華やかに演出するあたりはさすが。
ただ逆にシリアスなのか、コミカルなのか、官能美なのかがはっきりしない。
そして太宰と女性達のどちらにクローズアップするのかもハンパ。
太宰の苦悩はどこにあるのかは語られずただのダメ男。女性達のキャラも女優陣の演技力に救われているだけ。
ただ観ている間は不快でしかなかったが、終わった後にじわじわと余韻が…この感覚は?と考えたら、かつて「人間失格」を読んだ後と同じだと気づいた。
そういう意味では太宰感をうまく出したということか。もしも太宰ワールドを出し切った映画なら吐き気がしたかもしれなかったがあるいまく中和してくれた演出かもしれない。
中和した分、可もなく不可もなく。
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