「史実に忠実ではあるらしいですね。」人間失格 太宰治と3人の女たち e200095さんの映画レビュー(感想・評価)
史実に忠実ではあるらしいですね。
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蜷川実花監督作品を初めてきちんと見ました。期待していましたが、映画としてはあまりおもしろくなかったです。蜷川実花監督作品はライティングが芸術的でそれが特徴らしいですが、淡い原色が多用されていてダリオ・アルジェントに似ていると思いました。WOWOWのドラマでもこういうライティングが多いです。地上波では派手過ぎてできない演出なのでしょう。
映画を見た後できちんと太宰治をググったところ、史実にはかなり忠実であることがわかりました。長男がダウン症だったらしいですが、子役にも実際にダウン症の子が起用されています。
このような事実に忠実な点と演出の極端な差異がこの映画の特徴かもしれません。
ストーリーでも差異が随所に出てます。不思議なくらいに太宰を過大評価し、敬愛し、愛人になろうとする女達、太宰の周りに集まり、寄ってたかって文豪扱いするステレオタイプ、それに対して太宰を一切褒めず、子育てをし、実直に家を守る妻、太宰作品を痛烈に批判する三島由紀夫ら他の作家達。どちらにも身の置きどころがなく、行ったり来たりするうちに病魔が体を蝕んでいく。最後はきちんと「死のう」と思っていないうちになんとなく流れで心中してしまったような感じ。
映画としては、テンポが悪い。1シーンが長い。エンドロールの曲が唐突で映画に合っていない。
以上、次回に期待します。
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